[サイエンスZERO] 世界を変える!?“次世代型”「ペロブスカイト太陽電池」| 雨でも曇りでも室内でも発電!| NHK

NHK
23 Sept 202206:57

Summary

TLDR太陽光発電は再生可能エネルギーの中でも注目を集めており、特にペロブスカイト対応電池が話題を集めています。宮坂勉特任教授が開発を進め、天候に左右されない発電能力を持つペロブスカイト対応電池の研究が進展しています。過去には発電効率が低いと指摘されたが、海外の研究者の参加により、変換効率が大幅に向上し、従来のシリコン型電池に匹敵するレベルまで向上しました。

Takeaways

  • 🌞 再生可能エネルギーの中でも太陽エネルギーは注目されており、その活用が広がっています。
  • 🔋 太陽光発電に使われる対応電池は脱炭素社会での注目の的です。
  • ☁️ 現在の対応電池には天候による発電効率の低下という弱点があります。
  • 🏆 ペロブスカイト対応電池は曇りや雨の日でも発電できるという次世代型対応電池の注目株です。
  • 👨‍🔬 宮坂勉特任教授がペロブスカイト対応電池の開発に貢献しています。
  • 💡 ペロブスカイトは自然界の鉱物であり、人工的に作り出されて超伝導やLEDの材料などに使われる結晶構造を持っています。
  • 🔬 宮坂教授と学生の小島明宏さんがペロブスカイトの太陽電池としての可能性を発見しました。
  • 📈 2012年に海外の研究者が関心を持ち、ペロブスカイト対応電池の研究が進展しました。
  • 🌐 研究の積み重ねにより、ペロブスカイト対応電池の変換効率が3%から10%を超えるレベルに向上しました。
  • 📈 現在では、従来のシリコン型対応電池に匹敵する25%を超える変換効率に飛躍的に向上しています。

Q & A

  • 再生可能エネルギーの中で注目されている太陽エネルギーの活用とは何ですか?

    -太陽エネルギーの活用とは、太陽光を電気に変換することです。もしも地球に降り注ぐ太陽光をすべて電気に変換できたら、世界中で使っているエネルギーを一気に満たせる可能性があります。

  • 太陽光発電で現在普及している電池とは何ですか?

    -現在普及している太陽光発電電池はシリコン型電池です。硬くてしっかりしていますが、ペロブスカイト電池と比較すると薄い特徴があります。

  • ペロブスカイト電池の特徴は何ですか?

    -ペロブスカイト電池は非常に薄くて軽く、曲がりやすい特徴があります。また、曇り空や雨の日でも発電できることが特徴で、天候による発電効率の低下を克服しようと開発が進められています。

  • ペロブスカイト電池の開発が始まった背景は何ですか?

    -宮坂勉特任教授と彼の学生である小島明宏さんが、ペロブスカイトの光を吸収する性質に注目し、光を電気に変える性質も持っているかもしれないと仮定し、研究を開始しました。

  • ペロブスカイト電池の研究が始まったのはいつですか?

    -宮坂勉特任教授と小島明宏さんがペロブスカイト電池の研究を開始したのは、2005年から2006年頃です。

  • ペロブスカイト電池の初期の課題は何でしたか?

    -初期のペロブスカイト電池は安定性が悪く、しばらく光を当ててから発電しなくなってしまう問題がありました。また、発電効率も低かったため、研究者は「これはダメかな」と感じていました。

  • ペロブスカイト電池の研究が活発化したきっかけは何ですか?

    -2012年に海外の研究者であるヘンリースネイサンが興味を示し、電極に運ぶ部分を液体から個体に変える研究を始めたことが、研究が活発化するきっかけとなりました。

  • ペロブスカイト電池の発電効率が向上したのはいつですか?

    -研究を重ねた結果、発電効率が3%から10%を超えるレベルに向上し、2012年にその成果を「サイエンス」誌に発表しました。

  • ペロブスカイト電池の現在の状態はどうですか?

    -現在、ペロブスカイト電池の発電効率は従来のシリコン型電池に匹敵する25%を超えるまでに飛躍的に向上し、世界中の研究者から注目を集めています。

  • ペロブスカイト電池の将来の可能性とは何ですか?

    -ペロブスカイト電池は天候に左右されない安定した発電が可能であり、脱炭素社会への貢献が期待されます。さらに、研究が進むことで、効率や安定性の向上が見込まれ、太陽光発電の分野で重要な役割を果たす可能性があります。

Outlines

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🔆 太陽エネルギーの可能性と課題

人類が直面しているエネルギー問題の解決策として、太陽エネルギーの活用が注目されています。太陽光で発電する太陽電池は脱炭素社会において重要な存在ですが、現在の太陽電池には天候の影響を受けるという弱点があります。曇りや雨の日には発電効率が低下してしまうため、その克服を目指し、世界中で次世代型太陽電池の開発が進んでいます。特に注目されているのが、ペロブスカイト太陽電池です。

05:00

👨‍🔬 ペロブスカイト太陽電池の発明者・宮坂勉教授

宮坂勉教授はペロブスカイト太陽電池の生みの親であり、その軽さと柔軟性に優れた技術を紹介しています。従来のシリコン型太陽電池と比べ、ペロブスカイト型は曇りや雨の日でも発電可能な特性を持っています。ペロブスカイトは自然界に存在する鉱石で、その結晶構造が太陽電池の素材として活用されるようになりました。宮坂教授がペロブスカイトに出会ったのは17年前で、当時は太陽電池の素材としてほとんど注目されていませんでした。

🔬 発見の瞬間と小島明宏さんの挑戦

ペロブスカイトが太陽電池の素材として活躍する契機となったのは、小島明宏さんが光を電気に変える性質に注目したことから始まりました。宮坂教授は、学生がやりたいことを試すべきという方針で小島さんに実験を任せました。その結果、微弱な電流が発生し、ペロブスカイトが発電することが確認されました。当時は太陽電池の世界で注目されていなかったペロブスカイトですが、この発見により大きな進展がありました。

📉 研究初期の苦難と飛躍的な発展

ペロブスカイト太陽電池の研究初期には安定性が低く、発電効率も悪かったため、ほとんど注目されませんでした。しかし、2012年にヘンリー・スネイサン博士が興味を示し、電極の構造を改良する研究が始まりました。その結果、変換効率は3%から10%を超えるまでに向上し、論文が発表されると世界中の研究者の注目を集めました。これにより、さらなる改良が進み、変換効率は25%を超えるまでに達しました。

Mindmap

Keywords

💡再生可能エネルギー

再生可能エネルギーとは、自然界から絶えず供給されるエネルギーのことです。太陽光、風力、水力などが該当し、持続可能なエネルギー源として重要視されています。ビデオでは、太陽光の活用が特に焦点になっており、それがどのように社会に貢献するのかが説明されています。

💡太陽光発電

太陽光発電とは、太陽からの光エネルギーを電気エネルギーに変換する技術です。ビデオでは、太陽光発電が脱炭素社会の実現に向けた重要な技術となっていると強調されており、ペロブスカイト対応電池がその一環として紹介されています。

💡ペロブスカイト

ペロブスカイトは、自然に存在する鉱石であり、人工的に再現された結晶構造を持つ物質です。ビデオでは、ペロブスカイトが太陽電池の素材として使用され、その特性が発電効率の向上に寄与していると説明されています。

💡発電効率

発電効率とは、エネルギー変換プロセスにおいて、入力されたエネルギーから得られる電気エネルギーの割合を示す指標です。ビデオでは、ペロブスカイト対応電池が曇りや雨の日でも高い発電効率を維持できると誇示されており、これは従来の太陽電池技術の限界を克服する重要な要素です。

💡宮坂勉特任教授

宮坂勉特任教授はビデオに登場する研究者で、ペロブスカイト対応電池の開発に貢献しています。ビデオでは、彼がどのようにこの技術を研究し、開発し、世界中の注目を集めてきたかが語られています。

💡小島明宏

小島明宏はビデオに登場する研究者で、宮坂勉特任教授の下でペロブスカイトによる太陽電池の研究を行っています。彼が光を電気に変える性質を持っているかもしれないと気づいたことが、ペロブスカイト対応電池の開発のきっかけとなりました。

💡脱炭素社会

脱炭素社会とは、温室効果ガスの排出を大幅に削減し、持続可能な社会を目指す考え方です。ビデオでは、太陽光発電が脱炭素社会の実現に向けた重要な技術であると示唆されており、ペロブスカイト対応電池がその一環として紹介されています。

💡ヘンリースネイサン

ヘンリースネイサンはビデオに言及されている海外の研究者で、ペロブスカイト対応電池の研究に興味を示しました。彼の研究が、ペロブスカイト対応電池の電極を改良し、発電効率を向上させることに寄与したとビデオでは説明されています。

💡変換効率

変換効率とは、エネルギー変換デバイスが入力されたエネルギーから得られる出力を示す指標です。ビデオでは、ペロブスカイト対応電池の変換効率が徐々に向上し、従来のシリコン型太陽電池に匹敵する水準に達したと報告されています。

💡論文

論文とは、学問的な研究成果を発表する文書です。ビデオでは、宮坂勉特任教授と小島明宏さんがペロブスカイト対応電池の研究成果を論文として発表し、世界中の研究者の注目を集めたと語られています。

Highlights

再生可能エネルギーの活用が広まる中、太陽光が注目されている。

太陽光を電気に変換できれば、世界中のエネルギーニーズを満たせる可能性がある。

現在の太陽電池は天候に左右され、曇りや雨で発電効率が低下する弱点がある。

次世代型太陽電池の開発競争が世界中で進んでいる。

ペロブスカイト対応電池が注目の次世代型太陽電池の候補の一つである。

ペロブスカイト対応電池は非常に薄く、軽く、曲がりやすい。

ペロブスカイトは自然界の鉱石から人工的に作られ、超伝導やLEDの材料などに使われる。

宮坂勉特任教授がペロブスカイト対応電池の開発に貢献している。

ペロブスカイトは17年前に宮坂教授によって発見された。

小島明宏さんがペロブスカイトによる太陽電池の研究を提案し、開発を開始した。

初期のペロブスカイト太陽電池は安定性が悪く、発電しなくなる問題があった。

2009年に発表されたペロブスカイト太陽電池の変換効率は低かった。

2012年に海外の研究者がペロブスカイト太陽電池に注目し、研究を進めた。

ヘンリースネイサンが電極を液体から個体に変える研究を始め、効率を向上させた。

ペロブスカイト太陽電池の変換効率が10%を超える大台に乗った。

ペロブスカイト太陽電池の研究論文がScience誌に掲載され、世界中で注目を集めた。

従来のシリコン型太陽電池に匹敵する25%を超える変換効率に向上した。

Transcripts

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人類が直面しているエネルギー問題

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空力

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地熱など

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再生可能エネルギーの活用が広まる中で

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世界が注目しているのが

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太陽の力

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球場に降り注ぐ

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太陽のエネルギー

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もしもこれを

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すべて電気に変換できたら

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世界中で使っているエネルギーを一気に

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まかないちゃうんだとか

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太陽光で発電する対応電池は

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脱炭素社会において大注目の存在なんです

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ところが

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現在の対応電池にはある弱点がそれは天気

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曇りや雨だと

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発電効率が低下してしまうのです

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それを克服しようと

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世界中で開発競争が始まっているのが

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次世代型対応電池

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中でも注目株が

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ペロムスカイと対応電池なんです

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[音楽]

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こんにちはようこそ

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こちらが

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ペロブスカイと対応電池の生みの親

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宮坂勉特任教授

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早速見せてくれたのが

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これはぺぺです

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非常に薄くて

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軽くて曲がります

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[音楽]

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現在

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普及しているシリコン型は

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硬くてしっかりしていますが

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随分薄いんですね

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薄っさだけではありませんその実力を見せ

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てもらうことに

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外へ出てみると

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この日はあいにくの曇り空

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太陽電池は曇り空だと

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発電効率が落ちると言われています

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[音楽]

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と思ったら

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あー

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発電してる

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曇りでも雨の空でも

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室内の照明でも発電できます

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そもそも

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ペロブスカイトとは

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自然界にある

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鉱石

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[音楽]

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その結晶構造に特徴がありこれを人工的に

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作って

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超伝導やLEDの材料などに利用されてき

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ました

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これを

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対応電池の素材として使っているのです

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宮坂さんがペロブスカイトと出会ったのは

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およそ17年前

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実は開発する前

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プルプス界という物質は私あまり

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馴染みがなかったんですよ

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超伝導や

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LEDの材料などに使われていたエロ

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ブスカイトしかし

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太陽電池の世界では

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ほとんど注目されていませんでした

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[音楽]

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2005年から2006年にかけてですね

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私と研究室に

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来た大学院生が突然

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ペルブスカイトによる

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太陽電池をやってみたいと

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言い出したわけです

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その大学院生は小島明宏さん

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小島さんはもともと

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ペロブスカイトの特性を調べる研究をして

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いました

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[音楽]

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光を吸収する性質に注目しもしかしたら

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光を電気に変える性質も持っているかも

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しれないと考えていたのです

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[音楽]

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私は基本的には

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学生さんがやりたいといったことはまず

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試しるべきという性格でしたので

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軽い気持ちで小島さんにじゃあやってみ

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たらと

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言ったわけですねそうしたらしばらく実験

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を進めた後に小島さんから

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光を当ててみたら

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微弱な電流が生じたという報告があった

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わけです

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それまで

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太陽電池の素材としては注目されてい

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なかった

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ペロブスカイトが

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発電するとわかった瞬間でした

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当時のことを小島さんに聞いてみると

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まだ駆け出しの研究員だったんですけれど

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チャレンジングがその研究テーマである

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ことは認識しておりましたので

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対応電池になることがわかった時には

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とても嬉しくてですねまさに宮坂先生にご

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報告に行ったのを覚えています

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宮坂先生は

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特に学生の好奇心ですとか

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興味ですとかやる気というところは非常に

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尊重してくださる先生でしたなのでそう

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いう指導方針があったおかげで

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チャレンジがテーマにも最後まで

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挑戦させていただいたと

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小島さんと共に

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本格的な研究開発に着手することにした

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宮坂さんところが

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本腰を入れて太陽電池を作っていったん

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ですけどもなんさん安定性が悪くて

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しばらく光当てると

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発電しなくなってしまいました

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公立も低いので

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正直これはダメかなと思っていました

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2009年に論文を発表しましたが

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光を電気に変える

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効率

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香典変換効率が悪く

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世界の研究者から

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ほとんど反応がありませんでした

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天気は2012年にやってきます

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このペロブスカイと対応電池に興味を示し

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たのが

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海外の研究者

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ヘンリースネイサン

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[音楽]

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作り出した電気を電極に運ぶ部分を

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液体から個体に変える研究を始めたのです

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[音楽]

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しばらく研究を重ねたところ

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突然その返還効率というのが3%

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台から10%を超えるレベルに上がったん

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ですよそれで

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論文をサイエンスに発表したわけです

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するとこの論文が世界の研究者の目に

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留まり一気に注目される存在に

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[音楽]

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効率が低い時は

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世界の歯の無かったんですがもう手のひら

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を返したようにこれまでの非常に低い

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特性は何だったのかとこれで皆さんが

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推奨を始めました

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その後

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世界中の研究者から

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弱点を克服する研究成果が

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次々と発表され

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[音楽]

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3%だった返還効率は

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従来のシリコン型対応電池に匹敵する

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25%を超えるまでに

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飛躍的に向上したのです

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[音楽]

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