【ダイジェスト版】「2024年度GLIM基準の理解と実践のためのオンデマンド講座」講義：GLIM基準総論

Summary

本動画では、栄養不良の世界的な診断基準であるグリム基準について説明しています。グリム基準は、世界の栄養学会が共同で策定したもので、栄養リスクがある人々を診断するための共通の基準です。診断プロセスは、スクリーニングとアセスメントに分かれており、体重減少や筋肉量減少などを評価します。また、予後予測指標と栄養評価の違いや、筋肉量減少の評価方法にも触れています。グリム基準は今後さらに活用される見込みであり、国際的に重要な位置を占めています。

Takeaways

• 📘 グリム基準は、栄養不良の世界的な診断基準であり、診療報酬改定で使用が推奨されている。
• 🌍 グリム基準は、Global Leadership Initiative on Malnutrition (GLIM)の略で、栄養に関する世界共通の言語を作るために策定された。
• 👩‍🔬 グリム基準は、欧米や南米の4つの栄養学会の専門家たちによって2016年に策定が開始され、2018年に完成した。
• 🔍 栄養スクリーニングを行い、栄養リスクのある人を抽出し、その後診断を行うプロセスが大事である。
• ⚖️ 診断には、体重減少や低BMI、筋肉量の減少、食事摂取量の減少、炎症の有無などの要素が含まれる。
• 📊 スクリーニングとアセスメントを明確に区別することが重要で、SGAはアセスメントツールとして使用されるべき。
• 🔬 筋肉量の減少は省略できない重要な診断項目であり、正確な測定が求められる。
• 📈 アルブミンなどの予後予測指標は、栄養評価ではなく合併症の発生リスクを予測するものとして使用されるべき。
• 📝 筋肉量の減少とサルコペニアは異なる概念であり、サルコペニアは筋力や機能低下も含む。
• 🌐 ICD-11へのグリム基準の追加が検討されており、ジャスペンのホームページでさらに詳しい情報が得られる。

Q & A

グリム基準とは何ですか？

グリム基準は、グローバル リーダーシップ イニシアティブ マルニュートリションの略で、栄養不良に関する世界的な診断基準です。栄養状態の評価を標準化するために策定されました。

グリム基準はいつ策定されましたか？

グリム基準は2016年9月に策定が開始され、2018年末に論文として報告されました。

グリム基準に基づく診断の流れはどのようなものですか？

まず栄養スクリーニングを行い、栄養リスクのある人を特定します。その後、表現型（体重減少やBMI低下など）と病因（食事摂取量減少や炎症の有無）を評価し、いずれか1つ以上の項目が該当する場合に栄養不良と診断されます。

栄養スクリーニングとアセスメントの違いは何ですか？

スクリーニングは栄養リスクがあるかを判断するプロセスであり、アセスメントは診断や重症度の判定を行うプロセスです。グリム基準では、この2つを明確に区別する必要があります。

グリム基準で筋肉量の減少はどのように評価されますか？

筋肉量の減少は、画像診断や腕周囲長などの測定方法を使用して評価されます。省略してはいけない重要な評価項目です。

グリム基準の診断において、BMIはどのように使用されますか？

グリム基準では、BMIが18.5未満の場合、栄養不良のリスクがあると判断されます。70歳以上の高齢者では、BMIが20未満の場合にリスクとされます。

SGAはグリム基準のスクリーニングツールとして使用できますか？

SGAはアセスメントツールであり、スクリーニングツールとしては使用できません。SGAを使うと二重診断の問題が生じる可能性があります。

アルブミンは栄養評価に使用されますか？

アルブミンは予後予測指標として有効ですが、栄養評価には適していないとされています。栄養状態の判断には用いられません。

グリム基準の導入が広がる理由は何ですか？

グリム基準は国際的な栄養学会によって広く支持されており、栄養評価の標準化に貢献しているため、今後さらに活用されると考えられます。

筋肉量の減少とサルコペニアの違いは何ですか？

筋肉量の減少は純粋に筋肉量の減少を指し、サルコペニアは筋力や運動機能の低下も伴う状態です。グリム基準ではこれらを区別して評価します。