【サピエンス全史③】地球を制圧した人類は幸せなのか?そして人類の未来とは?

中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY
10 Dec 201926:05

Summary

TLDR人類の歴史と科学技術の発展についての大局的概観。農耕以降王国の興亡を経て文明が発展、科学技術により自然を制圧したが幸福をもたらしているわけではない。新技術により人類の定義が問われる局面を迎えている。

Takeaways

  • 😀 サピエンスの認知革命によってフィクションを共有できるようになり、文明が発展した
  • 😯 宗教は最初のフィクションで、科学は新たなフィクションとなった
  • 💡 資本主義、社会主義、進化主義などのイデオロギーもフィクションの一種
  • 🤔 科学の進歩で生活は豊かになったが、幸福かは定義が難しい
  • 😮 地球環境はサピエンスによって大きく変化し、家畜化された動物が増加
  • 😨 生命工学、サイボーグ工学、AIなど新技術でサピエンスが変化していく可能性がある
  • 🎉 王国・貨幣・宗教から王国・貨幣・多神教へ文明が発展
  • 👍 科学革命で医療技術や生産技術が向上し、豊かな生活を送れるようになった
  • 💰 帝国主義と資本主義が科学の発展を後押しした
  • ☮️ 核兵器の発明により大国間の全面戦争は減少した

Q & A

  • 人類はどのようにして地球を制圧したのか?

    -人類は農業革命や科学革命を経て、徐々に地球を制圧していった。農業革命で定住生活が始まり、科学革命で医療技術や武器が発達したことが地球制圧に大きく貢献した。

  • なぜ人類は宇宙にまで進出しようとしているのか?

    -人類は何かに突き動かされるように、地球だけでなく宇宙にまで領域を広げようとしている。その背景には資本主義的な利益追求の姿勢や、人類の野心があると考えられる。

  • 科学革命以前の世界観とはどのようなものだったか?

    -科学革命以前は、世界のあり方が聖書などの宗教的な教典に基づいて説明されていた。しかし、科学の発展に伴い、従来の世界観との矛盾が明らかになっていった。

  • なぜ幸福と所得の間には乖離があるのか?

    -人間の幸福感は必ずしも所得の多寡とリンクしているわけではない。コミュニティの存在や健康といった他の要因も関係しており、単純にお金を稼ぐことが幸せにつながるとは限らない。

  • 超人類とは何か?

    -遺伝子操作やサイボーグ化、AIとの融合などによって、人類そのものが別の種族へと進化する可能性がある。それが超人類であり、現人類である我々サピエンスとは異なる存在になるかもしれない。

  • なぜ家畜の数は野生動物よりもはるかに多いのか?

    -人間は食料や利益のため、特定の動物種を大量に飼育・屠殺している。その結果、食用に適した家畜の数は爆発的に増え、逆に食用にならない野生動物の数は減少した。

  • 科学は完全に正しい世界観なのか?

    -科学もまた一つのフィクションであり、完全に正しい世界観を示しているわけではない。科学の発展に伴い、さらなる新たなフィクションが作られる可能性がある。

  • 資本主義とはどのような思想か?

    -資本主義は利潤の追求を正当化し、富の拡大そのものを幸福だと考える思想である。ただし、所得と幸福度が必ずしもリンクしているわけではなく、資本主義が唯一の答えではない。

  • なぜ科学は急速に発展したのか?

    -科学はしばしば政治的・軍事的な目的のために利用され、そこから研究予算がついた。科学が帝国主義的野心を実現する手段となったことが発展の要因だった。

  • 人類の歴史overviewを簡単に説明してください。

    -人類は農業革命から帝国主義、そして現代のグローバリズムへと発展してきた。科学技術の進歩により地球を制覇したが、必ずしも幸福にはつながっていない。AIや遺伝子技術が更なる分岐点になりうる。

Outlines

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🔬科学革命がもたらすフィクションの崩壊

このパラグラフでは、科学革命がもたらした影響について述べています。具体的には、地動説など科学的発見によって、宗教的な世界観という「フィクション」が崩れ去ったこと、それによって世界に対する無知が自覚され、探索心が刺激されたことなどを説明しています。新しい世界の発見が、新たなフィクションの始まりでもあると指摘し、科学と宗教の対立関係を描いています。

Mindmap

Keywords

💡フィクション

人間が作り上げた「物語」や「信念」のこと。ビデオでは宗教や科学といった人類の信じる物語が実は全てフィクションであり、それが時代と共に入れ替わっていったことを説明している。

💡農業革命

1万年前ごろに始まった農耕の開始。これにより人口が増え定住生活が始まり、新しい社会構造や宗教が生まれた。ビデオでは人類の大きな転換点として取り上げられている。

💡王国

農業革命以後に成立した中央集権的な国家。ビデオでは農業革命以後の社会構造の1つとして王国が位置づけられている。

💡貨幣

物々交換から商品経済への移行に伴い生まれた交換手段。ビデオでは農業革命後の社会で登場した社会構造の1つとして取り上げられている。

💡宗教

農業社会以降に生まれた精神的支柱。ビデオでは人々が信じるフィクションの1つと位置づけられている。

💡認知革命

およそ7万年前に現生人類(サピエンス)が経験した集合的学習の爆発的な進化。これにより物語作りの能力が飛躍的に向上し、宗教などのフィクションが生まれたとされる。

💡科学革命

16-17世紀にヨーロッパで起こった科学の急速な発展。これによりそれまでの宗教的世界観が揺らぎ、新たな世界観・価値観が生まれた。

💡資本主義

17-18世紀に形成された経済システム及び世界観の1つ。利潤追求を最優先とし、富の蓄積を幸福とする思想。ビデオでは新たなフィクションの1つとして扱われている。

💡社会主義

19世紀に形成された資本主義に対抗する経済システム及び世界観。平等を重視し、共同体の幸福を最優先する。こちらも新たなフィクションとして扱われている。

💡ポストヒューマン

遺伝子操作やサイボーグ技術、AIなどによって人類が大きく変容する可能性。ビデオの結末部で提示された人類の1つの未来像。

Highlights

無知の自覚と未知への認識

宗教テキストと科学発見の矛盾

アメリカ大陸の発見と地球が丸いことへの気づき

宗教テキスト完全解釈から複雑な実世界認識への移行

科学革命による社会の架空物語の挑戦と解体

資本主義、社会主義、進化主義といった新たな「フィクション」の導入

権力と富追求による科学進歩の推進

帝国拡張と科学進歩の相互作用

資本と資本主義の発展による社会変革

人口と技術の爆発的増加がもたらす幸福への疑問

知識探求と拡張の代償としての他種と環境への影響

動物への扱いと工業的農業の倫理的考察

遺伝子工学、サイボーグ技術、AIの進歩が投げかける未来への挑戦

新たな生命形態による人類の置き換え可能性

幸福の本質と現代社会構造への哲学的問い

Transcripts

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皆さん、こんな風に地球を制圧して

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幸せですか?

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地球は丸いのか、太陽が中心なのか、 人類はもともと

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選ばれし者ではなかったのか。

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あぁ、フィクションが崩れたんだ!

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科学はね、解き明かすもんね。

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違うんです!

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これが終盤の盛り上がりどころ!

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この科学革命ってのが

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何が凄かったか、っていうと まず、ココなんです!

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無知の自覚ってことなんですよ。

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実は、聖書に書いてあることが 世界の成り立ちだとしたらですよ

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もう我々に、学ぶべきものは何も無いんですよ!

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イスラムのそのムハンマドが書いたコーランに 全部書いてあるから、もう何も学ぶ必要はない!

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しかし、どうやら

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世界は、我々が知っているよりも

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広くて、複雑かもしれないってことが 少しずつ分かってくるわけですよ。

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聖書との矛盾 出て来るよね。

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あれ? 地球が世界の

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地球というか 地球ってまず、丸いの? みたいな。

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段々、丸だとしか思えないって 段々、なるわけだよね。

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えっ、どう考えてもココ 丸くない?

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えー えっ、これどう考えても

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ココじゃなくて なんか太陽中心に回ってるぽくない? みたいな。

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えっ、それって

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もしかして、俺たち まだ、知らないことあるんじゃない?

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ココなんですよ!

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それまでの地図ってね、全部

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ほら、古代の地図ってさぁ もう、ビッチリ描いてあるでしょ。

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丸くて、自分の街が中心で こうやって、こうやって描いて

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この先は、もう崖になってますとか。

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なんか、化け物がいて なんか、喰ってます みたいな。

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この森からは、出てはいけないとか。

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そういう、もう全部、分かってます! っていう事だった。

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だけど、ココでね

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科学の発展によって

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どうやら知らないこと 多いってなる。

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例えばなんだけど アメリカ大陸の発見ね。

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アメリカ大陸を 発見したことで

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「あっ! 地球丸いんだ!」 っていう事と

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知らない土地ある っていうことが分かって

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こういう地図が発売された。 凄い、分かりづらいんだけど。

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ヨーロッパ・アフリカ・イギリスが描いてあって

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アメリカはね、この

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辿り着いた海岸線だけ描いて こっち全部、真っ白っていう。

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これ、コロンブスが辿り着いた時は あれ、インドだと思ったんですよね。

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「丸いから行った! インド、やった!」 と思った。

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でも、どうやらアメリゴ・ヴェスプッチ ってのが行った時に

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「これ、インドじゃねえぞ」

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「これ新大陸だぞー!」っていって、 新大陸だ、ってなって

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こちら側の線は 行った線だけ描き込んで

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それ以外、真っ白っていう地図が 発売されたんですよ。

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その時に、衝撃食らうわけ。

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「まだ聖書に書いてない事があるのか」

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「俺たちは知らない事があるのか」

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その真っ白な地図、すっごい面白いのが ホント、半分真っ白なんですよ。

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こっちに、どれくらい何があるか 全く分かりませんっていう地図。

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それを見るとね 行きたくなるんですよ。

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この地図って むちゃくちゃ凄いパワー持ってて

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えっ、ココまでわかってて こっから真っ白な地図を貰った時に

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見たい!って こういう風に思う。

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この知りたい!という欲求と

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それを知るには 聖書を読み込めば分かる、ではなくて

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観察と数学的な

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立証によって証明することが 大事なんだっていう考え方。

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これがね、凄い革命だったんですよ。

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だって、それまでは 世界はこうできてるよっていう

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フィクションを 皆、信じてたでしょ?

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でも、科学が発展すると 矛盾が生じてくる。

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今までのストーリーが 崩れてくんですよ。

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これが、オモシロイ! 進化論って正に、そうでしょ?

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ここのストーリーって

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キリスト教の人からすると 受け入れられないんですよ。

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でも、どう考えても

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サルだった頃の証拠が 一杯出てくるわけじゃないですか!

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アカン! フィクションがー!!

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作り上げた虚構がー!! で、バラバラバラバラ

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だから、それまでの教会とか

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それまでのコミュニティーとか カルチャーは残った。

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しかし、人間が本当の 本当に信じていたフィクションは

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ココで、強烈に崩れるんです!

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科学というものが 来襲することによって。

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だが、文化が残ってる。

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俺たちが信じた フィクションが崩れた。

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俺たちじゃない。西洋の人が信じた フィクションが崩れた。

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地球は丸いのか、太陽が中心なのか、 人類はもともと

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選ばれし者ではなかったのか。

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世界はもっと広いのか。

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知らない物質があるのか。 ウワァァァッ!!

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そして、それが人々を冒険へ駆り立てた。

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そして、大事なことがもうひとつ。

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それは、力を獲得できる ということだった。

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科学の発見によって 大きな力を手に入れることができる。

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ニュートンってのが現れたよね。

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リンゴが落ちる。 ポーン!ってね。

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「リンゴ、落ちます!」ってね。

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それだけじゃ、全くあれ 何の偉い人でもないですよ。

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「リンゴって落ちますよ」 「うるせぇーなぁ」ってね。

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リンゴが落ちる、っていう事と

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彗星が流れる、っていう 動くっていうことと

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砲丸が届く、っていうこと。

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その3つを、同じ数式で

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解き明かしたから 凄いんですよ!

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これは、大きな力 になるんです!

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物が、ココからココに落ちる というスピードが計算できる。

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ココから、ココまで 大砲が届くという計算ができる。

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そのことによって 色んな物が、作れるようになる。

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作れるようになると 勝てるんです!

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奪えるんです!

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力が、手に入れば 色んなところに行ける。

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帝国主義が始まるわけですよ。

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この帝国主義によって 科学は余計に進歩するわけ。

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ね、止められないの。

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科学、ちょっと宗教と反するから止めよう。 誰も言わなかった。

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科学、進めろ! そうすると、もっと力が手に入る。

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そうなるわけですよ。 力が手に入るから。

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科学って、滅茶苦茶 研究に費用掛かるでしょ?

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今だって、どこどこの研究所の費用 カットみたいなね。

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「国さぁ、国、もっと出してあげろよ」 みたいな

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「研究室に」 みたいな。

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人類史上ね 科学に予算が出る時に

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それを、ただただ学問の向上の為に 出た試しが、一度もないんです。

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国家は、そして企業は

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その研究が、国家や企業の 利益になる時のみ にお金を出すんです。

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だから、科学の進歩は

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人類が、何処を伸ばしたら

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力が手に入るか の連続なんですよ。

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だから、病気を治すための

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今、ここのこの病気を治したら 若しくは薬を開発したら

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ボロ儲けできるぞ!ってなったら出す。

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でも、その病気にかかってる人少ないから

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薬、作っても いや、お金になんないでしょ?

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だったら、研究費は出さない。

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それを作れば 戦争に勝てるんだったら出す。

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でも、それを作っても 戦争に勝てないんだったら出さない。

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そんな中で、科学は選択され 帝国によって、どんどんお金を注入されて

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宗教を上回るほどのパワーを 持つようになるわけですよ。

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そして、その頃できたのが 資本主義ってやつだね。

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船をさ 遠くまで行く。

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そして、行ったら 侵略して帰って来る。

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野蛮な民が住んでる。

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そいつらを殺して、そこにある 金銀財宝を持って帰ってくれば

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「もう、大儲けできるよ」と言って

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「お金を貸してください」と。

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「融資してください」と。 「その代わり、儲けたら返します。」

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この、資本主義っていうものができた。

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資本主義・帝国主義・科学革命っていうものが

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この、王国・貨幣・多神教

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この、王国・貨幣・キリスト教の時代を

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一気に変えちゃったっていう話。

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そして、それはね

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「フィクションが終わったんだ」って 皆さん、思ったよね。

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「あぁ、フィクションが崩れたんだ」 「科学はね、解き明かすもんね」

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違うんです!

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これが終盤の、盛り上がりどころ! 始まるよ。

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ここで、人類が作ったのは

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新たなフィクションに過ぎないって いう話なんですよ。 ココなんです!

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宗教まではフィクションだったよね。 ところがね、そのあと

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その宗教という、フィクションは崩れたが

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違うフィクションが台頭した。

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そして、その新たなるフィクションは、科学や

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その数学とか 観察主義に基づいて

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宗教と呼ばれる事を好まなかった

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その新たなフィクションは 名前をイデオロギーと言った。

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っていう話なんですよ。

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そのイデオロギーには 色んな話がある。

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それは、一つには資本主義。

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そうでしょ? ね

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お金を稼ぐ。 お金を稼いだら、もっと稼ごうよ。

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そして、お金を一杯稼いだら 幸せになれるよ。

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これが、資本主義でしょ?

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頑張ろう! 皆の力で頑張ろう。

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頑張ったらお金が稼げるし お金を稼いだら、もっと幸せになれる。

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だから、稼ぐわけでしょ? 企業は、儲けた利益を

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全部みんなに 分けるわけじゃないよね。

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更に、設備投資に使って もっと大きいお金を得ようとするよね。

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それは、利潤を追求するっていうものが 幸せだと

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拡大することが、幸せだと信じてるから。

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じゃあ、もう一つの主義は 社会主義ってやつ。

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これは、平等こそが 幸せだと思ってる。

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だから、儲ける儲けないじゃない。

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儲けるやつと 儲けてないやつが、いるっていうのは

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幸せじゃないことだ!

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だから、全員が 一緒の モノを 享受することが、幸せなんだっていう

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宗教なんです。

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そして、もうひとつ。 それは、進化主義。

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進化する。

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この人種と この人種がいて

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この種族とこの種族 こっちの方が、優れてる種族だとしたら

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その優れた種族が 劣ってる種族を駆逐するのは

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進化の過程では、普通のことだ!

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強い者が 弱い者を淘汰するのが

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自然な原理だ!

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だから、それを 捻じ曲げるのは良くない。

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強い者が弱い者を 駆逐し続ける。

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それが人類の進化にとって 最も良い方法だ!

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これが、進化主義。

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この資本主義は主に アメリカとかイギリスで、伸びて

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社会主義ってのが、ロシアとか 中国を作ってったわけですよね。

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そして、進化主義っていうのが 所謂、ナチスですよ。

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それは、信じてたの。本当に信じてた。

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俺たちの民族が、一番凄くて

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そうじゃない、劣った民族を

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滅ぼすことで 人類は余計に進化するって

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信じ込んでたの。

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それは、全部 フィクションの一つなんです。

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絶対正解が あるわけではないんですよ。

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だって、今からすればね

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この、進化主義の ナチス的なナチズムっていうものは

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もの凄い、批判されてるでしょ?

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「いや、そんなことは、良くない事だよ」 って我々は言う。

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だけど、ナチスの人達は 信じてたストーリーだった。

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社会主義。じゃ皆が平等。

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いや、そうしたら 労働意欲湧かなくなって

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生産性、ガタ落ちだよ。 それで、全員守れる?

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平等でイケる? みんないう。

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だけど、それは 歴史がそいう風に

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ソ連を崩壊させた後 の話で

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ソ連の人達は、信じてた。

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聖典があったわけですよ。 マルクスの『資本論』って。

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それは、資本主義っていうものが 如何に差別を生んで

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如何に格差を生んだかってことを 批判してるって本だった。

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資本主義は、最初現れた時は 最強の話だった。

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だけど、このね。

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資本主義の聖典ってのは 何かっていうと

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アダム・スミスの『国富論』 ってやつなんです。

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それは何かっていうと

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企業は、お金をね 沢山稼ぐでしょ?

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お金を稼いだら もっと沢山人を雇うでしょ?

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そしたら、雇用が増えるから お金も資本家以外も幸せになるでしょ?

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だから、お金を稼いだ企業が どんどんその事業を拡大して

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雇用する人数を増やしたら

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雇用される人数も 増えるから

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全員ハッピー。 これが、国富論なの。

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資本主義の基本的な考え方。

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でもね、そうはならなかったんですよ。

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資本主義が一時期 もの凄い目にあう。

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それは、大きな会社を創った企業が

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その雇用を、増やすんだけど

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その雇用条件は めちゃくちゃ劣悪で

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更に雇用してる時間とか 労働時間とか

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配分、分配してる給与が むちゃくちゃ粗悪。

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だから、スーパーグレートブラック企業だね。

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雇用してるから、良いじゃないですか っていう風にはならなかった。

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利潤を最大限、追求したことで

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とてつもない格差と 恨みを生んだ。

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その反動で作られたのが マルクスの『資本論』。

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平等を求めなきゃいけない。

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なぜなら、そんな生まれた格差は

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もの凄い多くの敗者と もの凄い少数の勝者を生む。

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それはいずれ、絶対に革命を生む。

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革命を生むから 資本家は淘汰される。

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そして、労働者達による 平等な世界が訪れる。

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それが、次の時代だっていう ストーリーだったの。

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これを完全に信じた人たちが 作ったのが、ソビエト連邦。

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その、ソビエト連邦に憧れて作ったのが

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中華人民共和国なわけでしょ? その当時のね。

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でもこれは、全部ストーリーでしかない っていうお話なんですよ。

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これが、面白いんですね。

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そして、このイデオロギーまでを全部

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フィクションだってしたことで 完成するわけだ。

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この人の理論は。

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この著者は 全部ストーリーだよって言った上で

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で、ココまで来ましたよと。

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この本の 最後の画期的なところ。

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それが、ココまで進化した人類は

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果たして、幸福になったんですかっていう話。

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すごい

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だって、数百年前までは 10分の1しか居なかった人類。

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7億人しか 居なかったんだって。

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でもそれが、たった数百年で 70億人までサピエンスは増えた。

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地球上のほとんどが サピエンスになった。

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そして、確かに科学革命によってね

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色んな物が変わった。 医療が変わった。

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だって、今の我々が信じられないような 医療だったんだよ。

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それは、ワーテルローの戦い。

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ナポレオンの頃は ちょっと怪我して

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組織が壊死してくると

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撃たれた!あぁ、ココから腐敗してる、なると

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その腐敗を止める 薬がなかった。やり方が分からずに。

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ちょっと、腕を撃たれた兵士の腕を 何本も切り落とすことになる。

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そういう医療だった。

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でも、今はそんなことないよね。

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あと、小児致死率。

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幼い子どもが生まれた。 それが大人になるまでが、凄く難しかった。

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あの、イギリス王室でね。

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王子が生まれるまでに 16人産んだっていう王妃がいるわけ。

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16人だよ。

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で、ようやく16人目で

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世継が、ちゃんと大人になったっていう。

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それまでの 子ども時代で全部死んでる。

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そんな医療から、今は 進歩してるよね。

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寿命も、もの凄い伸びた。

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40歳、50歳で死ななくなった。

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80歳、90歳になった。

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もの凄い 医療も進歩してるし

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戦争だって まだ、終わってないって言うけど

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完全なる侵略戦争って

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イラクが、クウェートに侵攻した ってこと以外

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第二次世界大戦以降 起こってないんですよ。

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でも昔は、隣の村がね。

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いつ攻めて来るか分からない っていう状況だったし

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帝国主義時代は、とてつもない数を 侵略戦争で命を奪ってた。

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でも今、この現代は 侵略戦争なんて今、ないわけ。

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侵略戦争、ないよね 犯罪も色んな犯罪率が低下して

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医療がもの凄い向上して GDPも何倍もになってる。

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で、ココまでサピエンスは伸びたね って 振り返るわけですよ。

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色んなことがあったけど

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サピエンスは完全に地球を制圧したね

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さあ幸せですか?

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って、こういう話なんですよ。

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実は、これは事実をいうだけじゃなくて 最後に、哲学でグルっと

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振り返るっていうところが カッコイイし、凄いところなの。

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ココまで進化した。 ウワァ! スゲェー!

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サピエンス サピエンス って俺たちは思うわけよ。

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スゲェーな、みたいな。 ココまで来たんだ、みたいな。

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で、幸せ?って聞かれた時に えっ!? ってなるわけ。

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この時と、比べて この時のサピエンスより幸せ? て

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言える? っていう話なんですね。

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幸福度って 結局、何なのっていう事を

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考えませんか そろそろ、って言ってんの。

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何でかっていうと 我々が、今

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今、立ってるこの時間も

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フィクションだから なんですよ。

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フィクションが崩れ去った時に 後から振り返って

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なんで、あんなの信じてたんですかね? みたいな。

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普通に俺たちは、思うんだけど 今いる俺たちってじゃあ、何がフィクションか!

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今、いる我々 資本主義が、一つのそれ。

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だけど、資本主義の中においても 更に、我々は

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人間至上主義的自由主義にいる って言うんです。この人は

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サピエンス最高だよ。 ねぇ 幸せでしょ?

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確かに、幸福度上がってんじゃない?

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美味しいもの 一杯食べれるようになったよ。

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だって、それまでの この数百年前まで

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ほとんどが 飢餓があったんだよ。

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今、みんなが心配してるのって 肥満じゃない?

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そうでしょ? っていうことなんですよ。

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一杯食べれるよね。 そして、あの安全もあるよね。

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で、平等があるよね、って そういう風に言ってるわけですよ。

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選挙に行けるよね とかそういう風になるわけ。

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幸せなんでしょ? でもね、それって

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めちゃめちゃ 人間至上主義的だけどね

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ていう視点も持とうって 言われてるわけ、1個。

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それ、何でかって言うと

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我々が、もの凄い 量のものを食ってるんだけど

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動物たちの歴史、これ逆に見たら

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とんでもないことに、なってるわけですよ。

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その今、その 家畜?

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家畜の為に使われてる その システムっていうのが

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とてつもない システムだっていうことを

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皆さん、ご存知ですか? っていう事を言ってるわけですよ。

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それは、もう豚を とんでもない、狭いところに閉じ込めて

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親から引き離し もの凄い量の餌をあげた後で

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そのまま、殺しに行くという。

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もうその

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生物としての 倫理も、何もないという

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工業化された、この農業体制

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牛も、もうほとんど ずぅーっと、ここのまま食って

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そのまま、死ぬという。

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そうやって、もう

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肉になるための 機械として

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人間は、家畜というものを 何種類かの家畜

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これね、全部の種類が 家畜に向いていなかったから

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人類が、歴史上見つけた 牛や豚や鳥というもの

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その、家畜に向いてる 食べるのに、もの凄い向いてるという

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何種類かの動物は とんでもない数いる。

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地球上に、牛って とんでもない数いる。

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それは、食べるためのね。

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だけど、絵本の中に たくさん出てくるような動物

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狼とか、キリンとか チンパンジーとか

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要するに、家畜じゃない動物って 家畜の何十分の

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何百分の、何千分の一しか もういないんだって。

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キリンなんて、 動物園にしかいない。

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だけど、食われるための牛は とんでもない数いる。

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ペットもいる。

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飼われるための 犬と猫は、凄いいる。

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食われるための 牛・鳥・豚は、いる。

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でも、ほとんどの陸上の生物は

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人間が、食うか 飼うかしない限りは

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ほとんどいない。

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そんな地球に今、なってるよねって 言ってるわけなんですよ。

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でも、それってさ

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皆さんが、享受してる

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幸せ のひとつの姿ですよ っていうわけですよ。

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皆さんは、自分の好きな場所に住んで 好きな人と結婚して

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好きなものを食べて、良いって 思ってるよね。

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それを、自由主義って 言うんですよ。

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皆、人権があるって 思ってるよね。

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でもそれは、かつては考えられてなかった それも、フィクション。

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人は平等で、人権があって

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自分の意志の元に、行動して良い っていうのは

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皆さんの都合のいい、現代のフィクションです って言われるわけですよ。

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そしてそれは、いつまでも 続きますかね、って言ってくる。

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そして、未来の話になって来るんですよ。

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幸せですか、皆さん

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こんな風に地球を制圧して

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幸せですか?って言った後に

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未来、どうなるかってなると

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実は、この科学革命の後で

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その産業革命、起こって 爆発的に、生産度が高まって

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で、この帝国主義がね 一番

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敵に勝つための、最大効率で作った 最高兵器が、核兵器でしょ?

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でも、これによって 逆に、戦争はなくなるわけですよ。

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集団自殺になっちゃうから。 で、止まった!

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でも、その後も 開発し続けているモノがあると。

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その中のあらゆるジャンルから

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サピエンスは、もう一度岐路に立たされる っていう未来があるんですよ。

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これがもう、エンディングの方ね。 エンディングの盛り上がり。

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それは、生命工学。

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つまり、遺伝子を入れ替えたりしたり その生物と生物をかけ合わせて

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新たな生物を生んだりっていう そういう学問があるよね。

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もう一つは、サイボーグ工学。

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人間に、例えば機械を付けて

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機能を拡張するっていう そういう、学問があるよね。

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例えば、凄い機械で動く義足とかも そうかもしれない。

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もの凄い目が良くなるとかも そうかもしれない。

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その、サイボーグ工学っていうのは 人間と、機械を合わせて行く作業じゃないですか。

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もう一つは、非有機的生命工学。

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つまり、機械が AIみたいなもんでね

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考えを持って 人間みたいになって行く っていうお話。

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こっちも進んでるよね。

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生物が、生物として 色々変わって行くという学問。

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生物に、機械を混ぜて行く学問。

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そして、機械が生物のように、動けるようになり 思考するようになるという学問。

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その、どのルートの先においても サピエンスは、もう一度

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サピエンスとは一体何か という定義を求められる。

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そして、サピエンスは、もしかしたら

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新しいその、超ホモ・サピエンス。

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全然、違う生命体に 取って代わられるかもしれませんねって

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言ってるんですよ。

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それまでは、これ我々の人類の歴史ってのは あくまでも

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サピエンスの勝利の歴史でした。

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しかし、この先に サピエンスは続くんでしょうか

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っていう、未来を言ってるわけ。

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で、続くにしろ、続かないにしろ

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我々が、もう一度考えなきゃいけないのは

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僕たちは、とんでもない何かに 急き立てられるように

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この地球を制圧し それから、宇宙にまで行こうとし

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あらゆる動物を 自分のコントロール下において

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全ての富を、更に大きく 更に大きくってして、ココまでになった。

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でも、考えなきゃいけない。

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我々は、幸せなのかってこと。

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富が増えれば幸せっていうのが

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段々、そうじゃないかもしれないって みんな気付き出してる。

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資本主義が 作り上げたストーリー。

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例えば、もの凄い時価総額が上がってる企業。

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でも、本当は大した企業じゃなかったって 暴落する企業があるでしょ?

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あれは、一体何の価値だったの? そう思うよね。

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だって、1億銀行に預ける。

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預けられた銀行が 1億、どっかの企業に貸す。

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そして、その企業が こっちの企業に1億支払ったとして

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その企業が、もう一度1億預けたら 銀行には、2億あることになる。

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富は拡大するようなストーリーを 今、持たされている。

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未来に、投資して その金額は、紙幣でどんどん刷れる。

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どんどん増えて行くような ストーリーの中にある。

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でもそれは、幸福と関係ないかもしれない。

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そして、それは 例えば健康状態とも 関係ないかもしれないし

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コミュニティーが、あるかどうかとも 関係ないかもしれない っていう風に

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幸福について、凄い考えてる。 この本ではね。

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例えばさ、あの脳の伝達物質が 快楽を生んだら幸福だ、ってなったらね。

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そしたら、なんか凄い薬飲んで ファーッなったら、もう幸福だ!とかね。

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それで良いんですか?ってのも 違うでしょ?

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幸福って何なの、っていうのを もう一回考えないと、人類は

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無軌道に拡大し続け、いつの間にか サピエンスじゃなくなっているかもしれない。

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そういうお話なんですね。

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どうです? 面白いと思いませんか。

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凄く壮大だし、もの凄く色んな 点が線になるようなお話だし

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それは、サピエンスの特殊能力 認知革命に、全て由来してたというですね。

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秀逸な、これも フィクションかもしれません