『どうしてAIは赤ちゃんの学習能力を超えることができないのか?』東京大学Beyond AI 研究推進機構サイエンスカフェ Part 1「辻晶先生の研究紹介:赤ちゃんは社会環境の中でどうことばを学ぶか」
Summary
TLDR本日のテーマは「AIが赤ちゃんの学習能力を超えられない理由」です。辻先生は、人間赤ちゃんが言語を驚くほど早く学ぶ方法と、AIがそれに匹敵できない理由を探求しています。赤ちゃんは統計的手法や社会環境からの情報を活用し、言葉と世界との結びつきを学びます。研究では、インタラクティブな交流が言語学習に不可欠であることが示され、ビデオでの学習では効果が薄れると報告されています。さらに、リアルワールドでのビッグデータを収集し解析することで、AIが赤ちゃんのように学習する可能性を模索しています。
Takeaways
- 🧐 赤ちゃんは非常に優れた言語学習者で、10歳までに2000万から1億以上の単語を経験しますが、AIはそれ以上のデータを処理できます。
- 👶 赤ちゃんは生まれ前から言語のリズムなどについて学び始めており、1年間には様々な言語の構造を学びます。
- 📊 赤ちゃんは統計的な手がかりを利用して、単語を区別し言語の構造を理解します。
- 🍼 物と言葉の結びつきは単純ではないため、言語学習には社会環境からの情報が重要な役割を果たします。
- 👀 赤ちゃんは社会環境とのやり取りを通じて、言語学習に必要なインタラクションを促進します。
- 📹 ビデオでの学習は真人による直接の教えより効果が低く、インタラクティブな交流が言語学習に不可欠です。
- 👶🏻 研究によると、赤ちゃんは周囲にいる人がインタラクティブであれば学習モチベーションが高まることがわかっています。
- 🤖 AI技術の進歩により、家庭における言語環境をウェアラブルデバイスを用いて記録し、分析することが可能になりました。
- 😷 コロナ禍においては、マスクを着用する大人によるコミュニケーションの変化が言語学習に影響を与えるとされています。
- 🌐 AIは膨大なデータを自動的に分析し、実際の社会環境における言語発達を理解する上で重要な役割を果たすでしょう。
- 📚 研究者のアプローチは、言語発達を理解するためには実世界でのビッグデータの収集と分析が不可欠であると示唆しています。
Q & A
辻先生がどのようなテーマで話しましたか?
-辻先生は「どうしてAIは赤ちゃんの学習能力を超えることができないのか」というテーマで話しました。
赤ちゃんはどのように言語を学習するのですか?
-赤ちゃんは統計的な手がかりや言語の構造、世界の結びつき、社会環境からの情報を利用して言語を学習します。
AIと赤ちゃんの言語学習能力の違いは何ですか?
-AIは大量のデータを扱うことができる一方で、赤ちゃんは限られたデータから効率的に言語を学習することができます。
赤ちゃんはどのように単語と単語の間の区切りを見つけますか?
-赤ちゃんは統計的な手がかりを利用して、単語と単語の間の区切りを見つける能力を発達させます。
辻先生がmentionした研究では、どのような結果が出ましたか?
-辻先生がmentionした研究では、赤ちゃんは実際の人が話すのに対し、ビデオで見せると学習しなかったという結果が出ました。
インタラクティブな環境は赤ちゃんの学習にどのような影響を与えますか?
-インタラクティブな環境では赤ちゃんが新しい単語をより効果的に学習することができ、インタラクションが学習に重要な役割を果たすことが示唆されています。
ウェアラブルデバイスはどのように赤ちゃんの言語発達研究に役立つか?
-ウェアラブルデバイスを利用することで、赤ちゃんの視点からの世界を捉え、言語環境を記録し、実際の言語発達を研究することができます。
マスクの使用は言語発達にどのような影響を与えるとされていますか?
-マスクの使用により言語の量が減少し、代わりに音量を上げたり、繰り返しを増やしたり、非言語コミュニケーションを利用する傾向があると報告されています。
辻先生はどのようにして言語発達の研究を視覚化していますか?
-辻先生は言語発達の研究を漫画という形で視覚化し、より多くの人に理解してもらえるように努めています。
AIが赤ちゃんの学習能力を超えるためにはどのような課題があると辻先生は言及しましたか?
-辻先生は、AIが赤ちゃんの学習能力を超えるためには、社会環境とのやり取りやインタラクションの重要性、実際の環境における言語発達の研究など、多くの課題があると言及しました。
Outlines
👶 赤ちゃんの言語学習能力とAIとの比較
辻先生は、東京大学のユーロインテリジェンス国際研究機構で子供の発達研究を行っている。本日のテーマは「AIが赤ちゃんの学習能力を超えられない理由」である。先生は、赤ちゃんが言語を驚くほど早く習得する能力について説明し、その過程とAIとの比較を行った。赤ちゃんは生まれる前から言語のリズムを学び、1年間には様々な音素と音の並び方を学ぶ。統計的な手がかりや言語構造と現実世界の結びつきを利用して学習を進める。社会環境からの情報と赤ちゃんのやり取りも学習に重要な役割を果たしていると強調された。
📚 赤ちゃんの学習環境とインタラクションの重要性
研究では、赤ちゃんがテレビから学ぶことができないという結果が出た。その理由はインタラクティブ性がないことが示された。赤ちゃんはインタラクティブな環境でのみ新しい言葉を学ぶことができる。また、家庭の言語環境を調べるためにウェアラブルデバイスを利用し、赤ちゃんの視点からデータを収集する。AI技術を用いてこれらのデータを分析し、社会環境と赤ちゃんの発達の関係を研究している。さらに、コロナ禍においてマスクを着用する大人に対する赤ちゃんの反応も調査されており、言語発達に影響を与える要因として社会環境の変化が重要な役割を果たしていることが示された。
🔍 赤ちゃんの言語学習と社会環境の相互作用
辻先生は、研究室のアプローチを紹介し、言語発達に関する研究を進めている。実際の社会環境における赤ちゃんの発達を研究し、言語学習におけるインタラクションの重要性を強調した。また、言語発達に関する漫画も制作しており、研究をより幅広い層に伝えている。このセミナーでは、赤ちゃんが言葉や世界のルールを学ぶプロセスにおけるインタラクティブなインタラクションの必要性と、リアルワールドでのビッグデータの収集と分析の進歩について学んだと示した。
Mindmap
Keywords
💡言語学習
💡AI
💡統計的手法
💡社会環境
💡インタラクション
💡ウェアラブルデバイス
💡マルチメディア
💡コミュニケーション
💡マスク
💡インタラクティブ
Highlights
赤ちゃんは生まれる前から午後のリズムなどについて少し言語について習う。
12ヶ月で赤ちゃんは本当の単語を発話し始める。
赤ちゃんは統計的な手がかりを使って単語であるものと単語でないものを区別することができる。
赤ちゃんは言語の構造を手がかりにする。
社会環境と赤ちゃんのやり取りが言語発達に重要である。
インタラクティブな環境が赤ちゃんの言語習得にとって重要である。
保育者がマスクをしているとき、言語コミュニケーションの質が変わる。
赤ちゃんがテレビを見るよりも実際の人とインタラクションする方が言語習得が進む。
赤ちゃんの言語発達には社会的環境とやり取りが重要である。
AIを使って赤ちゃんの家庭の言語環境を調べている。
赤ちゃんの視点からの世界をウェアラブルデバイスを使って観察する研究が進んでいる。
社会的なインタラクションの重要性を研究するためにインタラクティブなキャラクターを使った実験を行った。
AI技術の進歩により、家庭環境での言語習得の調査が可能になった。
保育者にインタビューし、マスクの影響を調査したところ、言語量が減るが、非言語コミュニケーションが増えることが分かった。
言語発達の研究において、赤ちゃんがどうやって環境に適応するかを調べることが重要である。
Transcripts
皆様こんにちは
beyondAI
研究推進機構サイエンスカフェ
本日は
東京大学
ユーロインテリジェンス国際研究機構で
子供の発達研究をされている
辻小先生です
本日のテーマはどうしてAIは
赤ちゃんの学習能力を超えることができ
ないのかです
早速ですが辻先生
研究内容について発表をよろしくお願いし
ますよろしくお願いします
人間の赤ちゃんが素晴らしい言語学習者
ですこちらの図の左では
赤ちゃんとか子供が10歳までに
経験する単語の数を
示してありますそれは文化によって違って
2000万単語から1億以上の単語って
大きく違うんですがもっと大きく違うのは
人工
知能まああの音声
認識アイコンに住むは今でもその2倍から
10倍ぐらいのデータを失望することが
結構多いですそれでは赤ちゃんは一体どう
やってそんなに素晴らしい早く言語を習う
んでしょうか
まずは赤ちゃんが最初の1年間に何を習っ
ていくかを見てみましょう
赤ちゃんは実は
生まれる前から
午後のリズムなどについて少し言語につい
て習うんですでも12ヶ月であとあの本当
の単語を
発話する時期なんですがそれまでに実は
近くの面で色々各種していくんです
例えば
午後にどういう音素があるとかどういう音
の並びが
可能なのを習いますではそう見ると少し
抽象的かもしれませんのでちょっとあの
紺野さんに
赤3役をお願いいたしますはい
わかりましたか何もわかりませんでした
そうですよねでまぁ今あの言ったことは
ドイツ語私午後ドイツ語なんですがなん
ですが
赤ちゃんが最初に言葉を聞くときには
こんな感じになるともイメージできます
つまり
単語と単語の間はどういうふうに区切ら
れるかもわからないしそれは何に対する
言葉なのかわからないので
本当にこんな状態から慣れていくので本当
にすごいんですよねはいじゃあ赤ちゃんは
何を手がかりにするんでしょうか一つ
赤ちゃんが使えるのは
実は統計的な手がかりですさっき実は私
あの
ボトルの話ししたんですねフラッシュなん
ですがそのフラッシュっていうのは
結構あの音節に分けると
いうのは結構
システマチックなんですなので今の例では
例えば
普段に続く
確率はいつでも100%
以外の音声はそれより低いというのが
わかるんですが
赤ちゃんは実はこういうものを手がかりに
使って
単語であるものと単語でないものを区別
することができますつまり
言語の構造を一つの手がかりにできます
もう一つはこの
ボトルは一切ある場合も結構あるんですよ
ねなぜあのボツに対して話すかっていうと
ボトルがあるからかもしれませんのでこの
バトルがあることも手がかりになります
ここで言うとじゃあ言語構造と世界の
結びつきっていうのもある手がかりになり
ますただそれもそう簡単なものではなくて
その
実際ボールの話をすると他にもいろんな
ものが並んでことが多くて
実際の
赤ちゃん研究でわかったのは
実は例えば
ボトルがせっかく見えてる時には実は
あんまりボトルという単語が出てこなかっ
たりするんですね最初はパン美味しそう
持つのが見える2番目標が見えない3番
目標が見えない
4番目はまた元の話にならない
討伐が見えるなどとやっぱりあのそれも
そんなにこうすごく簡単な1対1の
結びつきではないですなので3つ目に
やっぱりあの社会環境からの情報と
赤ちゃんの自身の社会環境とのやり取りと
いうのはすごく重要ですはいでそこでまあ
でも社会環境っていうのはすごく大きい
ものなのでじゃあどこからどこから
始めようかっていう話にもなるんですが
まあ簡単に言いますといくつかありまして
1つは例えばもうそもそも人が周りにいる
とモチベーションがすごく上がるっていう
可能性がありますもう一つはさっき言った
ようにやっぱりあの世界の中のものと
単語の連結を例えばボットだよとかって
言いながらやりやすくするっていう可能性
もありますあとはこの自身がこのボトルを
持ってこれ何とかって大人に見せることに
よって
学習の
チャンスの回数が増えるっていう可能性も
あってさらにやっぱりその他のものを関連
するものに
対して出すっていうこともあってやっぱり
ボキャブラリーを拡大するなどという可能
性もあります
もっとあるんですがそういうことをどう
いうふうに研究してそれを後でじゃあどう
いうふうにこの
地位をAIに持っていけるかっていうのは
結構大きな課題です今から少しだけ研究を
紹介しますね1つ目に紹介する研究はこの
話につながりますこの話は
結構話題になっていて
多分皆様も
赤ちゃんにはあんまりテレビを見せない方
がいいということを聞いたことがあるかと
思いますはい小さい息子さんがいますよね
はいで実際そうですね
研究で出たのは
赤ちゃんに
本当の人が中国人がアメリカの赤ちゃんに
中国語をしていると
実際教えると
習えるのに
全く同じ内容で同じ人が
ビデオで見せると
習えないっていう結果が出てますそうなん
ですねそうなんですはいそれはなぜなん
でしょうか一つの可能性は
いろいろだとやっぱり
インタラクティビティがないということ
ですなので私たちがこのような研究をし
ましたこのような
他の
インタラクションの
要素を把握ためには本当にこういうキャラ
を作ってただ
インタラクティブであるかそうじゃない
かっていうのを見ましたその
インタラクティブのキャラが赤ちゃんの
視線に合わせてあの視線を動いていったり
したんですが
非トラクティブなキャラはそうしなかった
んですでそこで
新しい単語をそれぞれのキャラが教えた
ところで
インタラクティブだった場合にしか
赤ちゃんが新しい単語を習わなかったん
ですのでインタラクティブがとても重要だ
ということが言えますこのような感じの
実験を使って
どのような
社会的環境の要素が
鍵が発達に重要かっていうのが見れるん
ですがそれはあくまで私たちがこの要素が
聞いてるだろうと思って実況するという
ところまでにしか辿り着きませんそこで
一方じゃ
実際赤ちゃんは環境の中でどういうものを
たりするかっていうことを見るのも重要
ですでそこを
調べるために私たちは今あの家庭の言語
環境を調べていますで最近結構小さい
ウェアラブルデバイスを使えてこのに写っ
てる赤ちゃんがあのウエストが来てそこに
録音機とビデオカメラをつけるんですねで
そこでこんな感じで
赤ちゃんの視点からの
世界が見えますし
海さんが自分の
家の環境でどういうことを経験するかって
いうのが見えますで最近のAIを使って
こういう拡大なデータをある程度自動的に
分析するようになれましたのでそれも
助かりましてこういうふうに実際の
赤ちゃんの環境を今調べているところです
まあそういう結果はやっぱりすごく重要で
お子様が自分でどういう風に世界を変えて
いくかとそれに対して大人も何かの
インプットがあってまた大人も行動を変え
ていくっていう
事実がありますでそういうやっぱりその
社会
環境誰かのやり取りっていうのはどれだけ
重要かっていうことをあの一つの例で今
示したいですで最近はやっぱり私たちが
コロナ
世代であって私の私も今もその一切判断
ですがあのその一切の感情の時には私
やっぱりマスクをしてましたその子はもう
ずっと私のマスクを見てて本当に
朝家を出るときにもマスクっていう風に
指示してくれるんですよねなのでそういう
中でじゃあ言語発達はどうなるかっていう
ことを心配してる方も多いですそこで
私たちは
実は保育者に聞いてきました
保育者なぜかと言いますとやっぱり1日
保育園はマスクなので一番当てになる人
たちかと思いましたでそれはやっぱりあの
言語間でどう違うかっていうのを調べる
ためには日本とフランスの保育士にじゃあ
マスクをつけている間にその前と比べて
どういうふうにあなたの
赤ちゃんに対するコミュニケーションが
変わったかというのを聞いてみましたそこ
でやっぱり一番左に示すように
言語の量が減りましたそれはやっぱり
ちょっと話しにくくなる理由がありました
それに対してでもやっぱりあの違うところ
が増えたんです一つは
言語コミュニケーションの質つまり音量を
上げたりあの
繰り返しを
増やしたりとかしていましたまた
非言語のコミュニケーションつまりあの
手とか
顔の表情を使ったりとかっていうところも
増えましたのでこういうふうにやっぱり人
がすごく柔軟に環境に
アダプとしていって
環境によって色々コミュニケーションの
やり方も変えていくというのがわかりまし
たそういうことがありますのでやっぱり
実際の人間はどういうふうにやっていく
かっていうのを調べないと
赤ちゃんの言語発達の
すごさがわからないと思います
はいで以上は私たちの研究室のアプローチ
を紹介しましたでもっと知りたければ私の
研究たちの研究室では実はこういう
言語発達の
漫画っていうのをやってますのでぜひ見て
みてくださいありがとうございます
ありがとう
ございます最初の方のドイツ語の
デモンストレーションを聞きまして
赤ちゃんが生まれた直後は
世界がこのように聞こえてるんだなって
いうのをすごくよくあのイメージできまし
た
辻先生のお話
研究の発表をお伺いしまして
赤ちゃんが
言葉であったりとかあと世界のルールと
いったものを学んでいくためには
インタラクティブな
インタラクションがあることが大事だと
いうことそして
ウェアダブルデバイスであったりとか人工
知能の技術の進歩によって
研究室の中だけではなくて
実世界
リアルワールドでの
膨大なビッグデータが取れつつあってかつ
それも解析できるようになっているという
ことが
重要なのだというふうに理解いたしました
以降ではですね辻先生の研究についてより
深く
質問していければと思いますのでよろしく
お願いします
Ver Más Videos Relacionados
5.0 / 5 (0 votes)