「国の借金が財政破綻を招く」はなぜ間違いか/日銀と政府の連携が過去最悪/財務省が目指すプライマリーバランスの黒字化とは?(森永康平:真の金融論)【NewSchool】
Summary
TLDRこのビデオでは、日本の債務残高がGDPに対する比率を示すグラフをもとに、緊縮財政と増税について議論しています。森永は国の借金を返す必要がないと主張し、国の財政破綻の可能性を否定しています。特にギリシャやアルゼンチンなどの例を用いて、日本の財政状況が異なることを指摘。さらに、プライマリーバランス黒字化の目標に疑問を投げかけ、緊縮財政が将来的にバブルを引き起こす可能性があると警告しています。
Takeaways
- 💰 財務省は日本の債務残高がGDPの約2倍であることを強調しており、これが国の借金が大きいと主張する根拠になっている。
- 📉 日本は172カ国中、最も国の借金が多いとされ、これを理由に減税ではなく増税が必要だとする意見がある。
- 💡 森永は『国の借金』という概念そのものを疑問視しており、企業や個人とは異なるマクロ経済の視点を持つべきだと主張している。
- 🏦 日本は国債を発行し続け、借り換えによって債務を維持しており、企業のように返済の義務があるわけではないという点が重要視されている。
- 🇬🇷 ギリシャやアルゼンチンが破綻した例は、日本と比較するのは適切でなく、彼らの国債は外貨建てであったことが主な理由とされている。
- 📊 G7各国の借金の増加を見ると、イギリスやアメリカは日本よりも借金が多く、倍以上に増えている。
- 💸 日本の円安の原因として、国の借金が影響しているとの見解に対して、アメリカの借金が増えているにもかかわらずドル高になっている点から疑問が呈されている。
- 🔄 プライマリーバランスを黒字化するという目標が設定されつつあり、これが少子化対策や経済成長に逆行する可能性があると懸念されている。
- 💵 日銀が金融緩和政策を変更し、金利上昇が財務省の増税圧力と組み合わさり、国民負担が増える危険性が指摘されている。
- 📈 緊縮財政が実行されると、政府部門の赤字が減少し、民間部門が赤字になることでバブルが発生するリスクがあると森永は主張している。
Q & A
日本の国の借金がGDPに対してどのくらい積み上がっているのか?
-日本の債務残高はGDPの約2倍で、GDPが約550兆円、国の借金が約1100兆円あります。
日本が他国と比較して債務残高が高い理由は何か?
-日本は国の借金が他国よりも非常に高く、ギリシャを超えて172カ国中最下位に位置しています。財政破綻を避けるため、増税が必要だという主張が多いです。
森永が考える「国の借金」という概念の問題点は何か?
-森永は、国の借金という概念自体が誤解を招いていると指摘します。国が自国の通貨を発行できる限り、借金を返さなければならないという考えは適切でないとしています。
国家の借金と企業や個人の借金の違いは何か?
-個人や企業の借金は返済が必要で、返せないと倒産します。しかし、国家の場合は通貨を発行する力があり、必ずしも借金を返済する必要はないという点で異なります。
ギリシャやアルゼンチンが財政破綻した理由は何か?
-ギリシャやアルゼンチンは自国通貨ではなく、外貨建ての国債を発行していたため、ドルなどの外貨を集められず、財政破綻に至りました。
日本の債務残高が増加していることと円安の関係はあるのか?
-森永は、日本の債務残高が増加していることと円安は直接的な関係はないと指摘します。円安はドル高が主な要因であり、他国も債務を増やしているが通貨が安くなるとは限らないとしています。
プライマリーバランスを黒字化するという政策の目的は何か?
-プライマリーバランスを黒字化する政策は、社会保障や公共事業を税収で賄い、国の借金を減らすことを目的としています。
緊縮財政の目的とその結果生じるリスクは何か?
-緊縮財政の目的は、政府の支出を抑え、国の借金を減らすことですが、結果として民間部門が赤字になり、バブルの発生や経済の悪化を招くリスクがあるとされています。
森永が懸念する、政府と日銀の現状の政策の問題点は何か?
-日銀が金融緩和をやめたことで金利が上昇し、その結果、利払いが増え、さらに税金を上げる必要が出てくるという悪循環が生まれることを森永は懸念しています。
森永が指摘する「国の借金を返した先に待っている未来」とは何か?
-森永は、国の借金を返済していくと、民間部門が借金を増やしバブルが起きる可能性があると警告しています。
Outlines
💸 国の借金と緊縮財政の誤解
この段落では、日本の債務残高がGDPに対してどれくらい積まれているかという話が中心です。財務省が出すデータでは、日本の借金がGDPの約2倍に達し、ギリシャを超えていると説明されています。政府はこれを理由に増税が必要と主張しますが、森永氏は『国の借金』という概念そのものを疑問視します。通常の家計や企業の借金とは異なり、国家は自身でお金を創造できるため、必ずしも借金を返す必要がないと論じます。また、他国と比較した際、ギリシャはユーロ圏内で自国通貨を持たないため破綻したことを挙げ、国家の財政問題をマクロ視点で捉える必要性を強調しています。
💰 外貨建て国債のリスクと日本の現状
この段落では、国家が外貨建ての国債を発行することのリスクについて説明されています。ロシアやアルゼンチンの財政破綻は、外貨建ての国債を発行したため、自国通貨ではなく外貨で借金を返済する必要があったことが原因だと指摘しています。そのため、自国通貨を持つ日本のような国が財政破綻する可能性は低いと述べられています。森永氏は、日本と他国の状況を比較して財政破綻論に反論し、政府の借金が外貨ではなく自国通貨であることが重要な違いであると説明しています。
📈 プライマリーバランス黒字化とその問題点
ここでは、プライマリーバランスの黒字化が財務省の目標であり、それを達成するための施策が問題視されています。政府は、税収だけで利払いも含めた国の支出を賄うという政策を推進しようとしていますが、それが結果的に少子化対策や経済の悪化を招く可能性を指摘しています。特に、若者の経済力低下が少子化の原因であるのに、さらに税金を増やして経済力を削る政策は矛盾していると批判しています。また、日銀と財務省の政策が組み合わさり、金利の上昇に伴う税負担の増加という悪循環が発生しつつある現状についても警告を発しています。
Mindmap
Keywords
💡債務残高
💡GDP
💡財政破綻
💡緊縮財政
💡プライマリーバランス
💡金融緩和
💡通貨
💡円安
💡借金
💡バブル
Highlights
日本の国債がGDPの2倍近くあることから、緊縮財政派は増税して借金を返済すべきだと主張している。
森永は、国家の借金を返すという考え方そのものに疑問を呈している。
国家の借金は、家計や企業の借金とは違い、返済を必要としない。
Transcripts
財務省が出してるグラフこれよく彼ら使い
ますこれは何かって言うと債務残高つまり
彼らの言うとこの国の借金がGDPに対し
てどれぐらい積まれてるかっていう比率に
なっていますえ日本の場合はめちゃくちゃ
ざっくり言いますけどGDPが大体550
兆ぐらいだとして国の借金って言われてる
のが1100兆ぐらいあるからま倍ぐらい
あるでしょって話だから日本の場合は
これ最下のま25%ぐらいになっている逆
にアメリカとかでさえ
126まつまりGDPよりも23割
いわゆるその国の借金って呼ばれてるもの
がちょっと出てるぐらいですよと倍なのは
財政破綻とか言われるギリシャとか日本
ぐらいでしかもそのギリシを超えてしまっ
て172カ国中ビリだって言ってるわけ
ですつまり彼らが言いたいのはこんなに
日本は国の借金が積み上がっているんだ
から私のような人間が言う減税しろとかっ
て言うけどそんな余裕あるわけねえだろう
とむしろやらなきゃいけないことは
バンバン増税してこの借金を返さなきゃ
いけないじゃないかっていうのが彼らの
言いたい話なんですしかし森永この国の
借金という考え方そのものを疑う借金って
聞いちゃうと普通の人間は返さなきゃいけ
ないって思っちゃうんですよこれがもう彼
これれやっぱ何十年も緊縮財政という考え
方を不興したい人たちがずっと考えてきた
技なんでよくできてるんです緊縮財政とは
政府支出を抑制し増税といった手段で財政
赤字の削減をしようとする
ことして森がする極は
や社会資本の整備のために積極的に質を
増やそうとする財政のことそれでは緊縮
財政派が訴える国の借金を返すべきという
一見当たり前に思える政策に意義を唱える
森永の考え方とはこれ何がうまいかって
いうとですね国内経済ってプレイヤーが3
ついるんですね1つは家計です個人でもう
1つは企業で最後のプレイヤーっていうの
が政府日銀ですでこの個人と企業の目線
っっていうのをいわゆる経済の世界で言う
とミクロと言いますこれ企業がお金を有子
受けてて返さないとどうなるか倒産する
わけですよねつまり僕らがナチュラルに身
につけてるミクロの観点で言うと借金と
いうのは返さなきゃいけないですしかし
国家側のマクロの視点に立つと借金の意味
が変わってくるというマクロの観点で言っ
た時にそもそも借金っていう概念ってあん
のかちゅう話ですだって自分でそもそも金
を生み出してるわけだし国家っていうのは
基本的に影響に続く前提で運営されていき
ますよねで実際日本だって国際を発行して
まお金を供給するって一応言手前言って
ますけど60年後に召喚しなきゃいけな
いっていう謎のルールを日本は持ってます
が60年後どうやって召喚してるかって
いうと単純にもう1回そのタイミングで
国際発行して借り換えてるだけですにお金
出し続けてるだけ
ですつまり国家は企業のように借りれたお
金を返さなくても財政破綻することはない
というのが森永の
主張しかしそれに関してはこんな反論が
いやいや君そういうこと言う
けどギリシャは破綻したじゃないかと君の
言ってること間違ってるじゃんってよく
言われますでもいやちゃんと見てみろて話
なんです例えばギリシャが破綻したって
いうけもギリシャの通貨って何なのって話
ですギリシャは今ユロ圏内にいますから
通貨はユーロ
ですつまりギリシャ自国の通貨を持って
ないんですユーロなんで共通通貨だから
そうするとギリシャは自分たちの通貨じゃ
ないからユロって好き勝手にバシバシす
するってできないです
よそうするとギリシャの国際ってユロ建て
の国際ですですよね召喚しなきゃいけない
ってなった時にいや自分たちですれるん
だったらいくらでもすれますけどすれない
から破綻するんですえ例えばロシアとか
アルゼンチンだとかも破綻してんじゃない
かって言ってくくれる人いますけどえ
ちゃんとよく見て
くださいロシアは1998年に債務振子要
は借金の踏み倒しをして金融危機を招いた
アルゼンチンでは2000年代初めに政府
人の低下から海外への預金入出外貨準備高
の低下が起こり通過機器を招いている
例えばロシアにはルーブルがあるし
アルゼンチンにはペソがあるじゃんと自国
通貨があっても潰れてんじゃねえかって
言ってきますがいやもうちょっとちゃんと
勉強しましょう彼らが出してた国債は外貨
建ての国債ですつまりドル建ての国債です
ロシアもアルゼンチンもドルはすれません
なぜなら自国の通貨じゃないからってこと
はドル建ての国債で資金調達しちゃうと
召喚金満期になったらドルで変換しなきゃ
いけないってことは自分たちドルを集めて
からそれで返さなきゃいけないわけですな
ので逆に言うと集めらんなかったらそれは
潰れますわねとつまり国際を外貨建てで
発行したにも関わらず経済や政治の悪化で
その外貨が留出してしまったため財政破綻
を招いたという
ことなのでもう言ってることが
めちゃくちゃなんですよそもそも日本が
財政破断しないみたい話をした時に
ギリシャだとかアルゼンチンとかだっての
出してくる時点でお前何も分かってない
じゃんっていう話になりますでさらにです
ね日本は借金をどんどん増やしていって
やばいやばいて騒いてますけどじゃ実際に
そうなのっていうのちょっと見てみ
ましょうこちらは2001年を軸にG7
各国がどのくらい国の借金を増やしてきた
かを表したグラフえイギリスは
もう直近で2001年から比べて7倍以上
増やしてます
アメリカ6倍ぐらい増やしてますでそっ
から下に行ってえフランスカナダがこの
辺りですねま3倍ぐらいでドイツイタリア
日本はまちょうど23年かかって倍にした
ぐらいですつまり日本は借金が倍になっ
てるじゃないかってさっき言ってたけど
いや別にまそれそうかもしれないそこは嘘
じゃない倍になってますねでって話なん
ですイギリスとかアメリカどうなってんす
かちゅう
話でよく円安が進んでる理由にこれを
あげる人っているんすよまつまり何が言い
たいかって言と日本は国の借金を増やし
すぎてる国の借金を増やしすぎて返せるか
わかんないって世界中の投資家が不安に
思ってるから縁が売られて縁安になって
るって解説をするんです
しかしその理屈が噛み合わない理由を森永
がグラフから読み解く円安って裏側で同時
に何が起きてるかって言とドル高なんです
よねだって円安って何に対して円安なのっ
てドルに対してですよね1ドル100円が
1ドル150円になったっていう話です
から円安が進んでるっちことは言い方を
変えれゃどれ高が進んでるんですいいです
か政府債務残高が倍になったから円安に
なったって言ってるんですよねアメリカ6
倍です
けどだったらどれ安になってないと
おかしいですよねなんでなってないんすか
っていう話つまり政府サム残高が積まれ
たらその国の通貨は安くなるっていうのは
意味がわかんないも日本だけ見て都合よく
解釈してるという風にしか僕には思えませ
んでこの国の借金がなんちゃらかんちゃら
とか言ってる連中がこの6月にやろうとし
てることがあります
それは何かって言うとプライマリー
バランスを黒字化させるっていう目標を
政府の方針に絶対に書こうとしてますで
しかももっとやばいのが新しい
プライマリーバランスの考え方っていうの
を彼らは導入しようとしてます
プライマリーバランスとは社会保障や公共
事業などの行政サービスを国が税収などで
賄えているのかを示す
指標現在日本の財政は赤字であり政策的
経費を国際などの借入れで賄っている
状況これをじかせるというのが財務省の
目標となっているこれ日本の収入側の方
ですね税金で集めてそれで足りない分は
国際発行で埋めてますっていうこの収入の
分でこっちの支出の分見ていきますまず
最低でもプライマリーバランスっていうの
は均衡させなきゃいけないっていう風に彼
らは考えていますで
もっとやばいのは何かって言うといや
ちょっと待てと利払いもしなきゃいけねえ
じゃんとてことはリバブまで
も税収でカバーしないと国の借金って減っ
てかないんじゃないのっていうのが彼らの
発想ですこれがいわゆるプライマリー
バランスを黒字させるという発想ですで
こういうことやり出すと何が起きる
か少子化対策をしなきゃいけないって言う
んだけどじゃあそのためには少子化対策を
するための財源を取らなきゃいけないて
やる
わけでも少子化の理由の1つは若年その
経済力が落ちてるからなん
でしょなんでさらに経済力落とそうとし
てんのって話です理屈で考えてお前バカ
だろっていうの平気でやってるわけですで
も彼らマジでこれを今やろうとしてますで
しかも僕はもう前から言ってますけど日銀
と政府のコンビネーションが最悪なんです
今それどういうことかって言うと上田総裁
になってから金融緩和維持元の金融緩和の
この維持限のの部分を彼はやめましたで
その結果何が起きてるかって言うと金利は
じわじわ上がってってるわけですつい
この間まで長期金利10年もの国債の金利
は0.5ぐらいだったのがこの間つ子1%
超えたわけですよ金利上がってるわけで
これが財務省とミックスすると完全に悪魔
合体みたいになりますそれ何が起きるか
金利上がってますよねこの利払い費の
利払いが増えるわけですよそうすると
もっと税金取らなきゃっていうなんか最悪
な
組み合わせ金利上げなきゃからのじゃあ俺
も頑張って税金上げなきゃっていうなんか
お前ら国民に恨みでもあんのかっていう
ミックスが今起きてますでこういう制作を
この30年間ずっとやってきました
では緊縮財政で国の借金を返した先には何
が待っているのか森永が意外な自論を
展開緊縮派がやろうとしてることって
バブルを起こすことにつがるよっていう
あんま言われてないメカニズムをちょっと
知っておいていただきたいなと思います
これ何かって言うと民間と海外部門と政府
部門それぞれのお金のプラスマイナスを
グラフ確認したものです要は2008年
以降政府はずっと借金を抱え民間都海外が
資産を増やしている状況大体これ見ると
分かると思いますが今民間と海外部門が
黒字の状態なん
ですでそれと同額ぐらいに政府の赤字が
あるの分かりますよねでこれってなんか
難しく聞こえるかもしれないですけど
めちゃくちゃ当たり前なこと言ってます
つまり誰かが金出してるってことはは金を
受け取ってるんです絶対そこはバランス
するってこはもう世の中の心理じゃない
ですかバランスしないわけがないんだから
今民間部門ま海外も含めて黒字ですよね
ってことは誰かが赤字を引き受けて
るってことになりますよね今その赤字部門
は政府が引き受けてるってことなんです
緊縮派っていうのは何をやろうとしてる
かって言とこの政府部門の赤字を消そうと
してるんです政府部門を黒人したいって
ことは言い方を変えましょう民間部門赤字
にしたいってことです民間部門を赤字に
する民間が赤字になってるってどんな時か
分かります借り入れしまくってる時って
ことです借入れしまくってる時って何が
起きるかバブルが起きるんですよ
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