調達業務における上流管理の重要性

坂口孝則チャンネル調達・購買・資材業務の教養講座(未来調達研究所)
1 Mar 202511:33

Summary

TLDRこの会話では、調達部門における「上流管理」の重要性が語られています。上流管理とは、コスト削減だけでなく、製品設計や調達決定など、早い段階での意思決定が全体のプロセスに与える影響を意識することです。従来の開発勾配から一歩進んで、部門間の連携を強化し、品質や納期などの改善を目指す新たなアプローチを提案。コストダウンを超えた総合的な価値向上を追求することが、企業の競争力を高める鍵となることが示されています。

Takeaways

  • 😀 上流管理は、コスト削減だけでなく、調達条件の最適化を目指す新しいアプローチである。
  • 😀 近年、原材料費や労務費の高騰が影響し、上流管理が重要な役割を果たすようになった。
  • 😀 上流管理では、開発段階の初期段階から他部門と連携し、製品の品質やターゲットコストを決定することが求められる。
  • 😀 以前の「開発勾配」とは異なり、上流管理は調達部門の範囲を広げ、部門横断的な協力を促進する。
  • 😀 上流活動の目的は、単にコストダウンではなく、サプライチェーン全体の最適化を図ること。
  • 😀 上流管理の取り組みは、設計や生産部門と連携し、品質向上や納期短縮など、広範な効果を目指す。
  • 😀 コスト削減だけでなく、全社的な改善を追求することが、上流管理アプローチの真の価値である。
  • 😀 サプライヤーとの関係を築くために、購買条件を早期に決定し、供給リスクを最小限に抑えることが重要。
  • 😀 上流管理を進めるためには、部門間の壁を取り払い、密接なコミュニケーションと信頼構築が必要である。
  • 😀 上流活動は、単にコスト交渉にとどまらず、会社全体の発展に寄与する戦略的な取り組みとなるべきである。

Q & A

  • 上流管理(上流活動)のアプローチが重要視される理由は何ですか?

    -上流管理が重要視される理由は、原材料や労務費の値上げに対応するためです。コストダウンを実現するためには、従来の開発勾配だけでは限界があり、調達部門を含めた全体的なアプローチが必要とされています。

  • 上流管理アプローチは従来の開発勾配とどう違いますか?

    -従来の開発勾配は主に製造業での開発活動に焦点を当てていましたが、上流管理は開発だけでなく、調達部門や予算、ターゲットコスト決定など、製品開発の前工程全体を対象にして、広範囲に影響を与えるアプローチです。

  • 上流管理における調達部門の役割はどのように変化していますか?

    -調達部門の役割は、従来の購入業務にとどまらず、設計や開発段階でのコストや品質、納期に関する早期の決定に影響を与えることが求められています。積極的に他部門と連携し、全体的な改善を目指します。

  • 上流管理における「コストダウン」の目的は何ですか?

    -上流管理でのコストダウンは、単に価格を下げることだけでなく、調達条件や製品仕様、購入量など、あらゆる要素を最適化することを指します。全体的なコスト削減のための戦略的アプローチです。

  • 上流管理で重要となる他部門との連携について説明してください。

    -上流管理では、調達部門が設計部門や製造部門と密接に連携し、製品開発の初期段階から関わります。この連携により、コストや納期、品質など、さまざまな要素を最適に調整することが可能になります。

  • 企業が上流管理を導入する際の最初のステップは何ですか?

    -最初のステップは、関連部門との対話を開始することです。調達部門は、設計部門や開発部門と情報を共有し、プロアクティブに関与することで、上流管理を推進するための土台を作ります。

  • 上流活動の実行において、調達部門が直面する課題は何ですか?

    -調達部門は、他部門とのコミュニケーションにおいて調整が難しくなることがあります。特に、上流部門に関しては、口出しの仕方や協力を得る方法に工夫が求められます。感情的な衝突を避け、建設的な対話を進めることが課題です。

  • 上流管理における成功とは、どのように評価されるべきですか?

    -上流管理の成功は、調達部門が他部門と同じレベルで発言権を持ち、企業全体の損益や改善に貢献することにあります。評価は定量的に示すのが難しい場合もありますが、企業内でのステークホルダーからの評価を向上させることが重要です。

  • 調達部門が上流管理を実践する際、価格交渉だけでなく考慮すべき要素は何ですか?

    -調達部門は価格交渉だけでなく、品質、納期、調達条件など、製品開発全体に関連するさまざまな要素を考慮する必要があります。QCD(品質・コスト・納期)全体を最適化することが求められます。

  • 上流活動の進め方について、視聴者に向けてアドバイスはありますか?

    -上流活動を進めるには、まず身近な人々とのコミュニケーションを始め、小さな情報共有からスタートすることが大切です。社内での情報提供や問題解決のために協力を得ることで、上流管理の実践が可能になります。

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