【最新版】地球環境問題 とアントロポセン(人新世)
Summary
TLDR地球は環境問題に直面しており、地球温暖化、生物多様性の危機、熱帯林の減少、海洋プラスチック、水質汚染、大気汚染が挙げられます。産業活動が原因で温室効果ガスが増加し、気温が上昇しています。2015年のパリ協定では、気温上昇を1.5℃未満に抑える目標が設定されましたが、2020年には既に1.1℃上昇しています。生物多様性の低下、プラスチックごみ、熱帯林の消失、水質汚染、大気汚染は人々の生活に大きな影響を及ぼし、地球環境の限界に近づいています。しかし、対策を講じれば、自然への負荷を逆転することがまだ可能であり、アントロポセン時代は人類が環境問題を克服した時代になる可能性があります。
Takeaways
- 🌍 私たちの地球は現在、地球温暖化、生物多様性の危機、熱帯林の減少、海洋プラスチックなどの環境問題に直面しています。
- 🔥 地球温暖化は温室効果ガスの増加により、産業革命以降、急激に進行しており、気候変動を引き起こしています。
- 📉 生物多様性は急速に失われており、40,000種以上の生物が絶滅危機に瀕しています。
- 🐝 生物多様性の低下は、自然の恵みが少なくなることにつながり、私たちの生活にも影響を及ぼします。
- 🐢 海洋プラスチックは900種以上の生き物に影響を与えており、ウミガメや海鳥の多くでプラスチックの誤飲が確認されています。
- 🌳 熱帯林の減少は温暖化を加速させており、伐採や農地転用、森林火災が主な原因です。
- 🚰 世界人口の4分の1が安全な飲料水にアクセスできず、水質汚染が深刻な問題になっています。
- 💨 大気汚染は毎年約700万人の死因となっており、特にアジアやアフリカでPM2.5の濃度が高いです。
- ⚠️ 環境問題の一部は地球の限界に近づいており、特に生物多様性や物質循環においては危険な域に達しています。
- 🔄 アントロポセン(人新世)は、新しい時代であり、環境問題に直ちに対策を取れば、自然への負荷を逆転できる可能性があります。
Q & A
地球環境問題とは何ですか?
-地球環境問題とは、地球温暖化、生物多様性の危機、熱帯林の減少、海洋プラスチック、水質汚染、大気汚染など、自然に対する人間の活動によって引き起こされる有害な影響のことです。
地球温暖化とはどのようにして発生していますか?
-地球温暖化は、大気中の温室効果ガスが増加し、地球が放射するエネルギーを吸収して大気を暖めることで、地球の表面温度が上昇する現象です。特に産業革命以降の人間活動による温室効果ガスの増加が原因です。
パリ協定の目的は何ですか?
-パリ協定の目的は、産業革命以降の地球の気温上昇を1.5℃未満に抑えることです。世界各国が協力して温暖化の進行を止めるための対策を講じることを目指しています。
生物多様性とは何ですか?
-生物多様性とは、遺伝子、種、生態系の多様性を指し、異なる生物がそれぞれ異なる環境で互いに関連し合いながら生息している状態のことです。
なぜ生物多様性が重要なのですか?
-生物多様性が維持されることで、酸素の供給や作物の実りなど、自然が提供する恩恵を受け続けることができます。生物多様性の低下は、私たちの生活に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
プラスチックごみが海洋生態系に与える影響は何ですか?
-プラスチックごみは、海洋生物に絡まったり誤飲されたりし、深刻な被害をもたらしています。海の哺乳類や鳥類、ウミガメ、魚類の多くがプラスチックを体内に取り込んでいることが確認されています。
熱帯林の減少の原因は何ですか?
-熱帯林の減少の原因は、過度の伐採、農地への転用、森林火災などです。これにより、多くの生物が生息地を失い、さらに地球温暖化の進行も促進されています。
水質汚染はどのような問題を引き起こしていますか?
-水質汚染は、安全な飲料水の確保が困難になり、衛生問題が深刻化しています。特に汚れた水や不衛生な環境による下痢で、毎日700人以上の5歳未満の子どもが命を落としています。
大気汚染の影響は何ですか?
-大気汚染は、世界の死亡リスクの3大要因の1つとなっており、毎年約700万人が大気汚染により死亡しています。特にPM2.5の濃度が高い地域で深刻な健康被害が報告されています。
アントロポセン(人新世)とは何ですか?
-アントロポセン(人新世)とは、1950年頃から始まった、急速に変化する社会と自然環境によって新しい時代に突入したことを指します。この時代は、人類が環境問題を克服し、自然への負荷を逆転させることができる可能性もあります。
Outlines
🌍 地球温暖化と生物多様性の問題
地球は環境問題に直面しており、特に地球温暖化と生物多様性の危機が指摘されています。地球温暖化は産業活動が原因で温室効果ガスの排出が増え、地球の気温が上昇する現象です。これにより、異常気象や豪雨が増え、気候変動と呼ばれるようになりました。2015年のパリ協定では、2100年までに気温上昇を1.5℃未満に抑える目標が設定されていますが、2020年までにすでに1.1℃上昇しており、化石燃料の使用が続く場合、2100年には4.4℃の上昇が予測されています。一方、生物多様性は遺伝子、種、生態系の多様性から成り立ち、現在絶滅の危機に瀕ぐ種が40,000を超えています。生物の捕獲、生息地の消失、地球温暖化、外来種、汚染などが原因となっており、自然からの恵みが減少し、人々の生活にも影響を及ぼしています。
🌊 海洋プラスチックごみと熱帯林の減少
海洋プラスチックごみは深刻な問題となっています。プラスチックは使い捨て文化の結果、海に流入し、海洋生物に大きな影響を与えています。海に棲む哺乳類や海鳥、ウミガメ、魚など多くの生物でプラスチックごみの問題が確認されています。1950年代に比べてプラスチックの生産量は大幅に増加し、2040年には海に流れ込む量も増加する見込みです。一方、熱帯林の減少は生物の生息地を失わせる要因となり、温暖化の進行を促進しています。人類の活動により森林が大幅に減少し、2020年には熱帯の原生林が420万ヘクタール失われました。水の使用量や水質汚染も問題視されており、安全な飲料水の確保が難しくなっている地域も多く存在しています。化石燃料の使用は温暖化だけでなく、大気汚染も引き起こし、年間700万人以上の死亡に寄与しています。環境問題は地球の限界に近づいており、特に物質循環や遺伝子の多様性において危険な域に達しています。
Mindmap
Keywords
💡地球温暖化
💡パリ協定
💡生物多様性
💡海洋プラスチック
💡熱帯林の減少
💡水質汚染
💡大気汚染
💡アントロポセン
💡環境問題
💡自然への負荷
Highlights
地球温暖化は産業革命以降、大量の温室効果ガス排出が原因で急速に進行している。
地球の平均気温は既に1.1度上昇しており、パリ協定の目標である1.5度未満までわずか0.4度しか残されていない。
2100年には化石燃料の依存を続けると、平均4.4度もの気温上昇が予測されている。
生物多様性は遺伝子、種、生態系の3つの多様性から成り、急速に失われている。
現在、40,000種以上の生物が絶滅、または絶滅の危機に瀕しており、これは自然に起こる速度をはるかに超える。
プラスチックごみが海洋生態系に深刻な影響を与え、海洋生物の多くが誤飲や体への絡まりに苦しんでいる。
2050年までに、海洋におけるプラスチックごみの量が魚を超えると予測されている。
熱帯林の減少により、多くの生物が生息地を失い、地球温暖化が進行している。
過去には60~70億haの森林があったが、現在は40億haまで減少している。
水質汚染により、安全な飲料水を確保できない人が世界で4人に1人に達し、毎日700人以上の5歳未満の子どもが汚染された水によって命を落としている。
大気汚染は世界の死亡リスクの3大要因の一つで、毎年約700万人が死亡している。
人類はアントロポセン(人新世)と呼ばれる新しい時代に入り、社会と自然が急速に変化している。
もし直ちに積極的な対策を講じれば、自然への負荷を逆転することがまだ可能であると示されている。
熱帯林の伐採は先進国や新興国で消費されており、消費国による対策が熱帯林保護に不可欠である。
石炭などの化石燃料の使用は温暖化だけでなく、大気汚染物質の排出も引き起こし、特にアジアやアフリカで深刻である。
Transcripts
私たちの地球は今、さまざまな環境問題に直面しています。
地球温暖化
生物多様性の危機
熱帯林の減少
海洋プラスチック
水質汚染
大気汚染など
人の活動によって
世界各地の自然に有害な影響がでることを
地球環境問題と言います。
まず、地球温暖化の問題から見ていきましょう。
地球の表面温度は約14度。
これは、大気中の温室効果ガスが、地球が放射するエネルギーを吸収して
大気を暖めているからです。
しかし、ひとの産業活動が活発になったことで、
大量の温室効果ガスが排出され、
より多くの熱が吸収されるようになりました。
その結果、
地球の気温は、産業革命が始まった1850年ごろから、
急激に上昇してきました。
気候は自然の状態でも変動しますが、
自然な変動を大きく超えた温度上昇が起こっているのです。
これが地球温暖化です。
異常気象の増加や豪雨の増加など、
さまざまな気候の変化も世界各地で観測されています。
このため、地球温暖化は気候変動とも呼ばれます。
2015年に、世界各国は、地球温暖化の進行を止めるため、
2100年までに、産業革命以降の気温上昇を
1.5℃未満に抑える努力をする、という目標をたてました。
これがパリ協定です。
2020年までに地球の気温は1.1度上昇しました。
目標の到達まであとわずか0.4度しか残されていないのです。
もし化石燃料に依存し、温暖化対策をせずに社会発展を続けると、
2100年には平均4.4℃もの気温上昇が起こることが予測されています。
1.5℃以下に抑えるためには、直ちに世界全体で
積極的な対策を講じる必要があると、
最近の研究結果で示されています。
地球温暖化は、地球上の生き物にも、大きな影響を及ぼします。
地球の生物はお互い支え合って生きています。
植物が酸素を放出することで、ひとや動物は生きることができます。
蜂が花粉運ぶことで、作物は実を結びます。
多様な生物がお互いに関連し、
様々な環境で生息している状態のことを、
生物多様性といいます。
生物多様性には、遺伝子の多様性、
種の多様性、
生態系の多様性の3種類があります。
種の多様性は、とても早い速度で失われています。
既に40,000種以上の生物が絶滅しているか、絶滅の危機に瀕しています。
種が絶滅する速度は、
自然に起こる絶滅の速度を遙かに上回っています。
数百万年の間で最も早いことから、
地球の歴史、
4.5億年の中で、6度目の大絶滅期と言われています。
こうした絶滅は、
乱獲・密漁などの生物の捕獲、
森林伐採や土地開発による生息地の改変と消失、
地球温暖化、外来生物、
水・土壌・大気の汚染などによって起こっています。
シルク、綿などの衣類、木材など建材や燃料、
動植物による医薬品
スポーツや文化活動の場など
私たちの生活は自然から様々な恵を得ています。
生物多様性が低下すると、
このような自然の恵みも少なくなり、
私たちの生活にも大きな影響があります。
海の生態系では、プラスチックごみが深刻な問題になっています。
おもちゃのパッケージから車の ダッシュボードまで、
いたるところで使われているプラスチックは、ゴミとなり、
最終的に海に蓄積され、海の生き物に大きな影響を与えます。
これまでに、900種以上の生き物で、
プラスチックが体に絡まったり、
体内にあったりした状態で見つかっています。
海に棲む哺乳類の56%、
海鳥の44%、
ウミガメの100%、
魚の70%の種から、誤飲されたプラスチックが見つかっています。
世界のプラスチックの生産は1950年代には200万トンでしたが、
2017年には4億4千万トンになり、
今後も増え続けることが予測されています。
海に流れ込む量も、現在の毎年1100万トンから、
2040年に毎年2900万トンになると予測されています。
このままでは、2050年までに、
海には魚よりプラスチックゴミの量が多くなるとも言われています。
熱帯林の減少により、多くの生物が生息地を失い、
温暖化の進行に拍車がかけられています。
人類が農耕を始める前、
地上には60~70億haの森林がありましたが、
現在では、40億ヘクタール程度まで減少しました。
過度の伐採、農地への転用、森林火災などが主な原因です。
2020年には420万ヘクタールもの熱帯の原生林が失われました。
伐採された木材の多くは、
日本を含む先進国や新興国で消費されており、
熱帯林を守るためには、これらの消費国による対策が欠かせません。
人口の増加に伴い、水の使用量も年々増加しています。
そして、産業排水や生活排水による水質汚染も年々増加しています。
世界では、4人に1人が安全な飲料水の確保が難しく、
人口の約半数が衛生面での問題を抱えています。
毎日700人以上の5歳未満の子どもが、
汚れた水や不衛生な環境による下痢で命を落としています。
石炭などの化石燃料の使用は、温暖化の原因となるだけでなく、
多くの大気汚染物質を排出します。
大気汚染は、世界の死亡リスクの3大要因の一つとなっていて、
大気汚染が原因で死亡する人は、毎年約700万人に上ります。
大気汚染物質の一つであるPM2.5の濃度は、
産業発展が目覚ましい、アジア、アフリカ、中東において、
特に高くなっています。
一部の環境問題は、地球の限界に近づいています。
特に、リンや窒素などの物質循環や
遺伝子における生物の多様性においては、危険な域に達しています。
自然は、もともと、少しの変化に対し、修復する力を持っています。
しかし、限界を超えると、もとには戻らず、
想定できない変化につながる可能性があります。
限界点に近い環境問題には、特に注意して対策をとる必要があります。
さまざまな自然環境の状況を示す指標を並べてみると、
このように同じような曲線を描くことが分かってきました。
人口、GDP、電力供給、
水使用量、輸送・通信、海外渡航など、
社会の状態を示す指標も同様に、
1950年頃から急激に変化しています。
社会と自然がこれまでと異なる次元で変化していることから、
新しい時代、アントロポセン、
または「人新世」、に入った、とも言われています。
猛スピードで変わり続ける社会と自然に、もはやなすすべはないのでしょうか?
最近の研究結果からは、直ちに社会全体で環境問題と向き合い、
十分な対策を講じれば、
自然への負荷を逆転することがまだ可能であることが示されています。
アントロポセンは、人類が環境問題を克服した時代にも、なりうるのです。
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