会計学録論第二回:ストックとフローによる状態記述
Summary
TLDRこのビデオスクリプトでは、会計のストックとフローの概念に基づく状態とその変化を記述する方法について解説しています。複式簿記における貸借対照表や損益計算書は、ストックを表す累積された状態の変化を示し、会計期間における増減を表すフローとして捉えることができます。ウォータータンクモデルを通じて、物理的な量の変化を単純なストックフローシステムとして理解し、経済取引におけるダブルエントリーの原則を説明しています。
Takeaways
- 📊 会計システムのストックとフロー概念に基づく状態変化の記述方法を説明。
- 💼 バランスシートはストックを、損益計算書はフローを表す。
- 🔄 会計期間をデルタTとし、ストックフローシステムとみなす。
- 💡 単式簿記では離散イベントによる状態変化を記述。
- 🚰 ウォータータンクモデルでストックフローシステムの理解を助ける。
- 📈 ストックとフローの変化をリットル単位で具体的に説明。
- 📝 複式簿記では交換取引の両面(現金と財)の同時変化を記述。
- 💱 経済取引は複式簿記でペアの項目として記述される。
- 🔀 内部取引や損失も複式簿記で記述される。
- 📚 今後の講義では単式から複式への変化と実物計測の単位を取り入れた複式記述について説明。
Q & A
ストックとフローの概念とは何ですか?
-ストックは蓄積量を指し、フローはその変化量を指します。ストックとフローのダイナミクスによりシステムの状態とその変化を記述します。
複式簿記におけるバランスシートと損益計算書の役割は何ですか?
-バランスシートは変化の累積された状態、すなわちストックを表し、損益計算書は会計期間での状態の変化の増減を表します。
ストックフローシステムとは何ですか?
-ストックフローシステムとは、システムの状態とその変化をストック(蓄積量)とフロー(変化量)で表す方法です。
ウォータータンクモデルの基本的な考え方を説明してください。
-ウォータータンクモデルでは、ある時点の水量(ストック)と流入する水(フロー)及び流出する水(フロー)により次の時点の水量を計算します。
単式簿記と複式簿記の違いは何ですか?
-単式簿記は単一のシステム記述で、ストックとフローの変化を単純に記録します。複式簿記は貸借対象表や損益計算書を用い、2つの勘定科目の変化を同時に記録します。
複式簿記における「ダブルエントリー」とは何ですか?
-ダブルエントリーとは、取引イベントを2つの勘定科目の変化として同時に記録する方法です。例えば、現金が減少し、リンゴが増加するという具合です。
物理的な量の変化を測定するための単位の重要性を説明してください。
-物理的な量の変化を正確に記述するためには、リットルやキログラムなどの固有の単位が重要です。これにより、実物計測が可能になります。
経済取引における複式簿記のメリットは何ですか?
-経済取引において複式簿記を用いると、2つの勘定科目の変化を同時に記録でき、取引の全体像を明確に把握することができます。
ウォータータンクモデルを複式簿記で記述する場合の違いは何ですか?
-ウォータータンクモデルを複式簿記で記述する場合、物理的な変化を取引として認識し、両側に変化を記述します。これは、経済取引の記述と類似しています。
次回の講義で取り上げる予定の内容は何ですか?
-次回の講義では、単式の物理的な状態の変化から複式の状態の変化への移行について、水のウォータータンクモデルを例に詳しく説明する予定です。また、実物計測の単位を複式記述に組み込む方法についても議論します。
Outlines
📚 ストックとフロー概念の基本
第2回の講義では、ストックとフローの概念に基づくシステムの状態とその変化の記述について説明します。ストック(蓄積量)とフロー(変化量)によってシステムの状態とその変化を表現します。複式簿記では、貸借対照表がストックを、損益計算書がフローを表すものとされています。複式簿記のストック・フローシステムは、会計期間をデルタTとする1時間のシステムと見なせます。まず単式のストック・フローシステムを理解し、その後複式での記述方法についても説明します。
🌊 ウォータータンクモデルの導入
ウォータータンクモデルを用いて、ストック・フローシステムの基本を説明します。タンクの水量(ストック)は、流入する水量(デルタSI)と流出する水量(デルタSD)の差し引きによって変化します。例えば、ある時点での水量が10Lで、流入が1L、流出が-7Lの場合、次の時点での水量は13Lになります。これは、会計システムのキャッシュフローと類似していますが、複式簿記ではより複雑な取引の記述が求められます。
💰 経済取引と複式簿記の基本
複式簿記では、経済取引が2つの項目(勘定科目)で記述されることが重要です。例えば、500円のリンゴを購入する取引では、リンゴのストックが増え、現金のストックが減るという2つの変化が同時に起こります。このような取引のダブルエントリー(複式記述)は、1主体の側から見た場合と2主体の側から見た場合で異なる視点を持ちます。
🔄 複式簿記の物理的量の記述
ウォータータンクモデルを複式簿記の視点で記述すると、物理的な変化(ストックとフロー)は借方と貸方に分けて記述されます。取引の同時変化は片側にしか記述されず、マイナスの数で水の流出を表します。経済取引の場合、取引は2主体間で行われるため、複式の状態記述は取引がどちらの側で記述されるかが重要です。次回の講義では、物理的な状態変化から複式簿記の状態変化への移行についてさらに詳しく説明します。
Mindmap
Keywords
💡ストック
💡フロー
💡複式簿記
💡状態記述
💡ウォータータンクモデル
💡デルタT
💡ダブルエントリー
💡勘定科目
💡物理的な量
💡経済取引
Highlights
会計額特論台数的実物簿記とその応用第2回はストックとフロー概念に基づく状態とその変化の記述について説明します。
ストックすなわち蓄積量とフロー変化量によってシステムの状態とその変化を表す。
ストックフローのダイナミクスは状態記述として極めて一般的な方法です。
複式簿記では貸借対象表が今までの変化の累積された状態を表すと考えられます。
損益計算書は会計期間での状態の変化の増減を表しています。
複式簿記で記述された会計システムは、会計期間をデルタTとしたストックフローシステムとみなせます。
ウォータータンクモデルで水のタンクの水量の変化を例にしてストックフローシステムを説明します。
ストックとフローでシステムの状態とその変化を表す方法は広く用いられています。
Tの時点でのタンクの水量は、入ってくる水の量と出ていく水の量で決まります。
T+1でのタンクの水量は、Tの水量プラス一定期間の増減量で決まります。
物理的な量の記述では、測定単位はそれぞれの量固有の単位を持ちいます。
現代の複式簿記は標準的に金銭評価を用いています。
ウォータータンクモデルを使って水の状態変化の数値例を説明します。
複式簿記による状態とその変化の記述では、経済交換取引が対象になります。
取引イベントは2つの勘定科目の変化を同時に記述します。
Transcripts
会計額特論台数的実物簿記とその応用第2
回はストックとフロー概念に基づく状態と
その変化の記述について説明いたし
ますストックすなわち蓄積量とフロー変化
量によってシステムの状態とその変化を
表すシステム記述というのはストック
フローのダイナミクスと呼ばれて状態記述
ととしては極めて一般的な方法
ですこれに対して複式簿記では貸借対象表
バランスシートが今までの変化の累積され
た状態すなわち
ストックを表すという風に考えられます
そして損益引計算書は会計期間での状態の
変化の増減を表しているという風に考え
ますつまり複式簿記で記述された会計
システムは
会計期間をデルタTとした23時間の
ストックフローシステムとみなすことが
できるわけですしかしながら複式簿記は
通常の高額あるいは物理学で用いられて
いるストックフローのシステム記述と
異なって単式のシステム記述ではありませ
んとりあえず我々はまずまず単式の
ストックフローシステムについてえ理解し
たいと思いますここで対象とするのは離散
イベントつまり離散時間でま状態変化が
生じるいろんなイベントがあるそういう中
でまストックフロー型の状態記述というの
はどういう風に行われるかという話です
ストックとフローでシステムの状態をと
その変化を表すというのは年科学システム
化学高額等で広く用られてますま期間T
からT+1の間その間がデルタTですけど
その間にま何らかの形でその量が増える
イベント量が減るイベント等が起きて結果
的にここでのTでの量がT+1の量に変化
するという形の変化がまストックフロー
システムでの記述となります
でしばしばこのストックフローシステムの
説明にもいられるウォータータンクモデル
つまり水のタンクの水量の変化というもの
を事例にとって考えたいと思います今回は
まずそれを単式の普通のストックフロー
システムとして理解しますそしてま後の回
でこれを複式で書くというのはどういう
ことかについても説明したいと思います
さて水のタンク考えますこの水量という
ものをまS水Tという風に書いてこれを
ストック変数という風に呼ぶとこのある
時間のこの水量というものはその次のま
時間一定のデルタTという時間が過ぎて
その次の時間までの間にですねえこの
タンクに流入する水ですねこれをデタSI
イクリー増え増えるということでデタ
SIIの水そしてデルタSDの水が出て
こうという風に考えますとこの入る方の水
で増える出てく方の水で減るまその結果と
して次の時間T+1でのこのタンクの水量
が決まるというそういう風にまあの計算
するわけ
ですでこれはデSのT
一定期間の増減というのがこの水の増える
方と減る方のはになりますそしてT+1の
水の量というのはTの水の量プラスこの
増減のを
表すデルタS水Tというものを足したもの
になり
ます一般に対象となるシステムの単式の
状態記述というのは様々な財や物理の対象
を物理的な対象をそれぞれの時点Tの対象
の量ストックこれをSま対象名Tという風
に書きます先ほどはS水Tと書きましたが
それと一定期間デルタTでのま対象の変動
量フローデタS対照明Tで記述する方法
ですまフローデタSTは増加量Sと減少量
sdtの和で示されますすなわちデTのS
のま対照明TというのはデSiのT+デS
DのTになりますこれによってT+1での
ま対象量ストックはSま対処名T+1はS
対正明T+デSまTという風になるわけ
ですで物理的な量の記述では測定単位は
それぞれの量固有のま単位例えば水であれ
ばリットルになるとかですねあるいは長さ
の単位とか重さの単位とかそれぞれの単位
を持ちいますこれをま実物計測という風に
呼びますま現在のま複式簿記は標準的には
金銭評価ですからま実物計測でのストック
フローは扱っておりませんこれは後ほどま
我々はそれを拡張することを考えるわけ
ですかさてウォータータンクモデルでま
この水の状態変化についてその数値例を
ちょっと考えてみたいと思いますえST
ここでは10Lつまり最初に水が10L
入ってたとまこれでSかこ水閉じかこって
いうのをまあの省略して簡単に書きますが
ST10LであるとでデタSIまこれ1と
書いてありますがデタSIいうのはここに
流入するやつですねイクリー先ほどはデs
iと書きましたがこれが重Lそして出てく
方が-7LでなるとそうするとまデタSは
差し引きというか両方合わせて3lま7l
出ていって10L入ってくるのでL結果と
して入ったことになります従ってまST+
1ってのは10L+ま先ほどのデタSを
足すわけですので13Lになるとですねま
これを少しま形式を整えてベクトル形式で
表現するとまこの赤い四角の中のように
なりますでここは水リットルと書いてある
のはベクトルのえ源規定ですねという風に
考えられますで物理的な量の変化を示す
ために水の量はリッターでま測定してるの
でここでは単に水っていうだけではなくて
その単位も含めてま規定として扱っており
ますで水がま増える場合これが入ってくる
流入するま量ですから10mLで出てく方
は-7LですねでTの時点でのタンクの量
は10mLそうするとまこのフローの
差し引きがえこの場合は10mL-7mL
で3MLになるとだからST+1は10の
L+3MLで13mLになるという極めて
簡単なま理解ですただこれは同じような
考え方が簿記の中でもま現金や様々なえ
資産の変動で用られてるっていうのは
分かると思いますが
ただ複式簿記で書く変化というのは水の
ようにただ単に物理量の変化を書くだけで
はありませ
ん複式簿による状態とその変化の記述では
ですね経済交換取引というものが対象に
なりますだから購入する取引ではま例えば
現金が出ていってリゴが入るという
イベントが同時に生じるわけですこれは
交換の相手にとっては現金が入るとリゴが
出ていくっていうねえそれが同時に生じる
イベントになってて2つの主体感の関係が
まず取引では問題になりますでシステムの
状態記述はまず単一主体の側からこういう
交換のイベントを2つの変化の同時正義ま
これをダブルエントリーこの場合は現金が
出てくリゴが入るってやつですねとして
記述することからスタートし
ますまこれはまちょっとこれをま2つの
死体の側から見ますとリゴを買うリゴを
売るとでここではま利益のことは考えない
ということにしますとリゴを買うわけです
からここにリゴが入ってきますま500円
分のリゴが入ってくるとで簿記の場合は
金銭評価ですからリゴkgとはいう単位で
はなくてこの場合Nという単位で考えて
ますそうするとこの取引が行われたことに
よるストックの変化というのはまここに
50000円のリゴが増えてくそして
50000円の現金が出てくという形に
なりますそしてもう1つの死体にとっては
今度はえここでは500円分のリンゴが出
てってで50000円の現金が入ってくと
まこの2つの死体でま同時に出来事が
起きるわけなんですがそれを1つの死体の
側から書くとその主体の複式簿記的な状態
変化の記述になりますそしてその時に必ず
このリゴが入って現金が出てくという風に
ま2つの出来事が同時に起きるこれダブル
エントリという形でまフローイベントが
生じるとつまり取引は2体感で行われて
複式の状態記述はまどちらの側で記述する
かがはっきりしなきゃならないんですが
この場合はま死体Bの側から見て見ると
現金が減ってリゴが増えるというフローの
イベントが生じているとこのダブル
エントリーとして
つまりリゴが増えると現金が減るというの
がワンセットになってま変化が起きると
いうのが複式簿記が対象とするようなま
状態変化の大きな特色になるわけ
ですで経済交換では現金が出てくとリゴが
入るがイベントとして同時に生じとこれは
ま先ほど言ったように交換の相手にとって
は現金が入るとリゴが出ていくが同時に
生じるイベントになってるわけなんです
けれどもこれを単一し体の側からま交換の
イベントを書いてで2つの変化の同時正規
をダブルエントリーとして記述するという
のが福祉簿記の基本的な考え方になります
で経済的な取引というイベントというのは
常にペアで2つの
項目会計の世界ではこれは勘定科目という
風に呼ばれますけれどもその状態の変化
不労の発生を記述する形になるわけですま
いわゆる仕訳というのはまそれを記述する
やり方になりますただし2主体感で行わ
れるだけが取引イベントの記述ではあり
ません在野サービスの生産や損失の発生や
振り替えのように1主体の内部での取引と
いう形でやはり2つの勘定科目の変化が
同時に正規するという形で生じる状態変化
というものもたくさんありますですから
物理的なま変化に比べてはかに複雑な実は
変化を扱ってるんですねまこれをリンゴの
ストックをまSASAppleでTとして
まフローデタSAの
単式表現を使ってこれを先ほどのま
ベクトルのような形で表現するとですね仮
にSAのTまリゴがこれが100円分ここ
にストックとしてあったとでえ現金は
2000円分ですねここにストックとして
あったとまこれは仮のデータですけど考え
ますとこの2つの材について先ほどは水の
出入りだけだったんですけどもここでは
まず少なくともこの取引においては2つの
勘定科目ですねリゴと現金があるわけでで
会計の場合はこの勘定科目がものすごく
たくさん存在して非常に複雑なまあの財務
状態を表現することができるってのが
大きな特色なんですがまずここではリゴの
ストックSATが1000リゴ円であると
そしてSAのiま増えてくやつが500ご
円であるとで減ってく分はここではないと
で従ってえSAのですねデルタSAという
のは500円であってSAのT+1は
1000L5円+500輪5円で1500
輪5円に
なるでこれに対して現金の方はS
キャッシュがま2000現金円であってで
デタSAI現金が入ってくる方はなしで出
てく方が-500現金円であるとで従って
デSAはま-500現金NとなりSAのあ
SAじゃないですねこれSCですねこれ
キャッシュです間違えてますねSCのT+
1は2000現金円となりまあ2000
現金円-500現金円となり15500
現金円となるとこれが単式の記述でま
マイナスの数が入ってるわけですそして
このそれぞれのま勘定科目項目がバラバラ
にそのフローが計算される形になります
これが短式の表現でま短式の表現ですと
従ってま系統的なですねその財の変化と
いうものがま書けないというので複式の
簿記というものが発明されたわけなんです
で水の物理的な量の変化を表すウォーター
タンクモデルこれを複式簿記の表現意識で
仮に表現するとまこんな感じになりますで
これ物理的な変化としての水の量水の状態
ストックやの変化は増える時は表の借り方
減る時は貸方に記述されますで取引による
同時変化の記述がされないので単式表の
片側の記述にしかなっておりませんさらに
マイナスの数で水の流出を表す方代わりに
貸方の記実で減少を表してるということに
なりますま今あのリゴと現金の取引を単式
で表したんですがこっちでは無くその水の
えウォータータンクモデルを複式で表そう
としてもまつまりマイナスの数なしで
表そうとしたとしても両側に出てくると
いう形の記述になってませんでさらにま水
の場合は金額評価ではなくてリットルと
いう物理的な変化で状態記述をしてますで
この取引は2主体感で行われるんですが
複式のま状態記述ではどちらの側で記述
するかはっきりさせているって形になって
ますが水の場合はこれは取引としてこれを
認識してるのではなくて単なる物理的な
変化として記してますもしこの水を
ウォータービジネスとして買うとか売ると
いう話になった時に初めてこの水の
ウォータータンクモデルが複式簿記の意味
での取引の記述という風になりますえ次回
以降の講義の中ではこれをま水の
ウォータータンクモデルも例にしながらこ
ここで示したような短式の物理的な状態の
変化からま複式のえ状態の変化へどういう
風にそこで何が明らかになるのかというの
を示していきたいと思いますまた同時に
ですねそのウォータータンクモデルでは
リッターという形で物理的な単位が持ち
られてますで実際の今の財務会計では現金
金額評価が用られてますこのギャップを
埋めて逆に複式記述の中にま実物計測の
単位を持ち込むということについてもお
話ししたいと思いますそれでは今日はここ
までです
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