日本でうつ病患者が増えている本当の理由。

高須幹弥(高須クリニック)
11 Jan 202415:42

Summary

TLDRこの動画は、日本でうつ病患者が増え続けている背景にある複数の要因について解説しています。要因の一つとして、1980年代にアメリカの精神医学会がうつ病の定義を変更したことが挙げられます。さらに、薬剤会社のキャンペーンによって軽い落ち込みでも気軽に受診し薬を処方されるようになったことも影響しています。加えて、薬物依存によるうつ病の増加や、SNSなどによる格差の可視化で生じる劣等感なども指摘されています。動画では、専門家の立場からこれらの要因を詳細に解説しながら、適切な診断と治療の重要性を強調しています。

Takeaways

  • 😷 うつ病の定義が変更され、以前は「病気」とされなかった状態も含まれるようになったため、患者数が増加した。
  • 🏥 診療内科という名称が使われるようになり、精神科への受診がしやすくなったことで患者数が増えた。
  • 💊 製薬会社による「うつは心の風」キャンペーンによって、抗うつ薬の処方が増え、薬剤性のうつ病患者も増加した。
  • 📱 SNSの普及により、他者との比較が可能になり、劣等感からうつ病になる人が増えた。
  • ☀️ 外出機会が減り、日光浴びる機会が少なくなったことが原因の一つ。
  • 🏋️ 運動不足が原因の一つである。
  • 🧠 脳内のセロトニンなどの神経伝達物質の不足がうつ病の原因とされている。
  • 💉 一部の医師による安易な抗うつ薬処方も、うつ病患者の増加に影響した可能性がある。
  • ⚕️ しかし、大半の精神科医は適切な治療を心がけており、WHO調査では無治療が最も回復率が高かった。
  • 🔍 うつ病の増加には、診断基準の変更、社会環境の変化、医療アクセスの改善など、様々な要因が複合的に関係している。

Q & A

  • うつ病患者が増え続けている主な理由は何ですか?

    -主な理由は、1980年代にアメリカの精神医学会がうつ病の診断基準を変更したことです。それ以前は、特別な理由がなくても気分が落ち込む状態をうつ病と診断していませんでしたが、新しい基準で人間関係の問題や失業、いじめなどを契機にうつになる場合もうつ病と診断されるようになりました。

  • 生活環境の変化がうつ病増加に影響していますか?

    -はい、生活環境の変化もうつ病増加の一因と考えられています。外に出る機会が減り、日光浴びる時間が少なくなったこと、運動不足になったことなどが、うつ病のリスクを高める要因だと指摘されています。

  • SNSの普及がうつ病増加に関係していますか?

    -SNSの普及により、他人の華やかな生活が可視化され、自分と比較して劣等感を抱きやすくなったことがうつ病増加の一因だと考えられています。昔は自分より恵まれた生活をしている人を目にする機会が少なかったため、そういった格差が見えづらかったのですが、SNSの登場でそれが変わりました。

  • 診療内科という名称が一般の精神科受診を後押ししましたか?

    -はい、1996年頃から「診療内科」という名称が増えたことで、一般の人が気軽に受診するようになり、うつ病患者が増加したと考えられています。以前は「精神科」という名称があり、受診するハードルが高かったのですが、「診療内科」という名称になったことでそのハードルが下がりました。

  • 「うつは心の風」キャンペーンの影響は何でしたか?

    -2000年頃から製薬会社が「うつは心の風」キャンペーンを行い、うつ病への認識を広めました。その結果、気分の落ち込みを気軽に診療内科で相談し、抗うつ薬を処方される人が増えました。そのため、うつ病患者数が大幅に増加しました。

  • 薬物療法がうつ病増加に影響しましたか?

    -はい、新しい抗うつ薬であるSSRIやSNRIの普及により、うつ状態にある人に広く薬が処方されるようになりました。一方で、薬物依存によりかえってうつ状態が悪化するケースも増え、うつ病患者数の増加につながったと考えられています。

  • 医師の対応によってもうつ病が増えた可能性はありますか?

    -ごく一部の医師が、依存性の高い薬を安易に処方したり、十分な問診をせずに薬を出したりした場合、薬物依存によりうつ病が悪化し、患者数が増えた可能性があります。しかし、大多数の医師は適切な対応を心がけているとのことです。

  • WHOの調査結果から、うつ病の最良の治療法は何でしたか?

    -WHOの調査では、薬物療法を行わずに経過観察したグループの回復率が最も高かったそうです。つまり、薬を投与しない場合の方が、うつ病の回復率が高い可能性があることが示唆されています。

  • うつ病増加の最大の要因は何でしたか?

    -うつ病増加の最大の要因は、1980年代のアメリカの精神医学会によるうつ病の診断基準の変更だと考えられています。その変更により、これまで病気とは見なされなかった状態も「うつ病」と診断されるようになり、患者数が大幅に増加しました。

  • 現代社会でうつ病を予防するために何ができますか?

    -うつ病予防のためには、外に出て日光を浴び、適度な運動をし、バランスの取れた食事をとることが重要です。また、SNSを上手に活用しつつも、過度に他人と自分を比較しないよう心がける必要があります。あわせて、ストレス対策なども大切になってきます。

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