kawano2
Summary
TLDR本研究では、英語のみのCLIL授業と日本語を戦略的に取り入れたCLIL授業を比較し、トランスランゲージングの効果を検証しました。調査結果によると、トランスランゲージングはリスニングとリーディングの理解を促進し、思考の深まりや整理に役立つことがわかりました。しかし、英語の産出量には大きな影響は見られず、学習者の英語レベル向上が求められました。また、学習に対する情緒的な側面では、母語の使用が安心感を与えることが確認されました。
Takeaways
- 📚 この研究は、クリル(Content and Language Integrated Learning)授業におけるトランスランゲージングの効果を検証しています。
- 🏫 研究は、伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校で実施され、英語のみの授業と日本語を活用した授業を比較しています。
- 🌐 トランスランゲージングは、学習者が持つ言語リソースをタスク遂行のために使い分け、知識の習得と内容の理解を促進する教育法です。
- 🔍 研究結果によると、トランスランゲージングはリスニングとリーディングの内容理解、英文解釈を促進する効果があります。
- 📈 スピーキングとライティングにおける思考の深まりと整理にも効果的でしたが、英語の産出量への影響は限定的でした。
- 👥 学生は英語学習への前向きな姿勢を持ち、日本語の活用が安心感を与えていることが示唆されています。
- 🔑 英語力の低い生徒にとって、トランスランゲージングは情緒面に特に有効である可能性があります。
- 🤔 学習者の英語スキルが英語の産出量に大きな影響を与えるため、トランスランゲージングだけではアウトプット量の増加には限界があることが示されています。
- 👩🏫 教員は、教育効果を意識して、どの状況や場面で母語仕様が許されるかを判断し、言語のバランスを調整する必要があります。
- 🔄 過度な日本語の使用は、英語学習の機会を奪うだけでなく、学習者の学習姿勢にも影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
- 🚀 今後の展望として、英語レベルの向上に向けたより一層の取り組みが、効果的な英語教育に必要であることが示唆されています。
Q & A
河野和之さんはどのような研究を行っていますか?
-河野和之さんは「クリルにおけるトランスランゲージングの効果」という研究を行っています。これは英語で行われる内容言語統合型学習の中で、戦略的に日本語を活用した教育法であるトランスランゲージングの効果を検証するものです。
クリルとはどのような教育法ですか?
-クリルはContent and Language Integrated Learningの略で、科目内容やテーマの学習と目標言語でのコミュニケーション能力の育成を同時に行う教育法です。
トランスランゲージングとは何を意味していますか?
-トランスランゲージングは、学習者が持つ言語リソースをタスク遂行のために使い分け、効果的に知識の習得と内容の理解を促すための戦略的な言語使用のことを指します。
河野さんの研究ではどのような効果が検証されましたか?
-河野さんの研究では、トランスランゲージングがリスニングとリーディングにおける内容理解と英文解釈を促進させる効果があることが検証されました。また、ライティングとスピーキングにおける思考の深まりと整理を促すことも確認できました。
研究ではどのような方法でトランスランゲージングの効果を検証しましたか?
-研究では、令和2年9月から10月までの2ヶ月間、英語のみのクリル授業とトランスランゲージングを取り入れたクリル授業を実施し、アンケートや発話分析、ライティングの算出量の比較などを通じて効果を検証しました。
トランスランゲージングの活用目的は何ですか?
-トランスランゲージングの活用目的は、トピックに関する内容を深め思考の整理をさせる、日本語では言えるが英語では言い表せない単語や表現をお互いに確認させる、多面的に物事を捉え様々な角度から考える、適切な表現で明確に改善点を指摘することができるようにする、意見交換の効率化と活性化のためです。
研究の結果、英語力の低い生徒にトランスランゲージングはどのような影響を与えましたか?
-英語力の低い生徒にとって、トランスランゲージングは情緒的な側面で安心感を与え、英語での授業に対する不安感を軽減する効果がありました。
スピーキングとライティングにおける英語の算出量にトランスランゲージングはどのような影響を与えましたか?
-トランスランゲージングを活用しても、スピーキングとライティングにおける英語の算出量に大きな変化は見られず、英語レベルの向上が必要なことが示唆されました。
河野さんの研究の結論は何ですか?
-河野さんの研究の結論として、トランスランゲージングはリスニングとリーディングにおける内容理解と英文解釈を促進する効果があり、学習に対する情緒的な側面にも影響を与えることがわかりました。しかし、英語算出量に著しい影響は見られず、英語力の向上が求められました。
今後の展望として、河野さんはどのようなことを提案していますか?
-河野さんは、トランスランゲージングを活用した授業では日本語を戦略的に使用することが重要であり、過度な使用を避けるべきだと提案しています。また、教員は教育効果を意識して、どの状況や場面で母語仕様が許されるかを判断し、授業を準備展開していく必要があると指摘しています。
Outlines
📚 研究の概要とトランスランゲージングの効果
この段落では、河野和之さんが東京農業大学第二高等学校で行った研究の概要を紹介しています。研究のテーマは「内容言語統合学習実践におけるトランスランゲージングの効果」で、主に英語でのCLIL(コンテンツ&ラングージインテグレイテッドラーニング)授業で日本語を戦略的に取り入れた教育法の効果を検証しました。研究期間は令和2年9月から10月で、英語のみのCLIL授業とトランスランゲージングを取り入れたCLIL授業を実施し、効果を比較分析しました。結果として、トランスランゲージングはリスニングとリーディングの内容理解や英文解釈を促進し、ライティングとスピーキングでの思考深まりと整理を促進する効果があったことが確認されました。
🔍 先行研究とトランスランゲージングの活用目的
この段落では、トランスランゲージングの定義とその活用目的、場面について説明しています。トランスランゲージングは、学習者が持つ言語リソースをタスク遂行のために使い分け、知識の習得と内容の理解を促す教育法です。先行研究表明に、CLIL授業で母語を活用することで、学習者の思考を促し、複雑な概念や語彙の理解を深めることができます。また、最終的なアウトプットは目標言語で行い、学習者が創造的かつ柔軟に言語を使用することを奨励しています。しかし、トランスランゲージングの使用は否定的な感情を促す可能性もあると指摘しています。
📝 研究目的と方法
この段落では、研究の目的と実施方法について詳細に説明しています。研究の目的は、4つの主要な効果を検証することにあります。それは、リスニングとリーディングにおける内容理解と英文解釈への効果、スピーキングとライティングにおける思考の深まりと整理への有効性、学習に対する生徒の情緒的な側面への影響、そしてスピーキングとライティングにおける英語の算出量への効果です。研究は、中等教育学校の30名の生徒を対象に、9月と10月に行われたアンケートや発話分析、ライティングの算出量の比較分析を通じて実施されました。
📈 結果と考察
この段落では、研究の結果と考察について述べています。トランスランゲージングはリスニングとリーディングの内容理解と英文解釈を促進する効果があり、スピーキングとライティングの準備段階で思考の深まりや整理に役立つことが示されました。また、学習に対する情緒的な側面では、母語仕様により安心感が得られることが確認されました。しかし、英語の算出量に著しい影響は見られず、英語レベルの向上が求められています。考察では、教師が言語のバランスを調整し、適切なタイミングでトランスランゲージングを活用することが重要であると強調しています。
🔚 結論と今後の展望
最後の段落では、研究の結論と今後の展望について語られています。トランスランゲージングは、リスニングとリーディングの理解を促進する効果があり、ライティングにおける思考の深まりにも有効であることがわかりました。また、学習に対する情緒的な側面にもポジティブな影響がありますが、英語算出量への影響は限定的であることが示唆されています。今後の展望として、教師は教育効果を意識して、適切な割合やタイミングでトランスランゲージングを活用することが求められると結び付けています。
Mindmap
Keywords
💡クリル
💡トランスランゲージング
💡コンテンツ&ラングージインテグレイテッドラーニング
💡四ツ葉学園
💡リスニング
💡リーディング
💡スピーキング
💡ライティング
💡情緒的な側面
💡英語力
💡教育効果
Highlights
研究の目的は、トランスランゲージングの効果を検証することにあります。
英語のみのクリル授業とトランスランゲージングを取り入れたクリル授業を実施し、効果を比較。
トランスランゲージングはリスニングとリーディングの理解を促進する効果があることがわかりました。
ライティングとスピーキングにおける思考の深まりと整理を促進する効果が確認されました。
学習に対する情緒的な側面への影響が確認され、安心感を得られることが明らかになりました。
スピーキングとライティングにおける英語の産出量への影響は限定的であることが示唆されています。
クリル授業では4つのCを有機的に結びつけながら授業を展開しています。
トランスランゲージングは学習者の言語リソースをタスク遂行に活用することを目的としています。
先行研究に基づく実証研究の必要性が指摘されています。
研究対象は中等教育学校の生徒30名で、言語レベルは多様でした。
日本語を活用しないクリル授業と活用するクリル授業を同じクラスで実施。
アンケートや発話分析、ライティングの算出量を比較分析しました。
トランスランゲージングを活用する目的と場面が具体的に示されています。
リスニングとリーディングにおける日本語の使用が理解を深める効果があると結果が示しました。
英語力の低い生徒にとって、母語の使用が情緒面に特に有効であることがわかりました。
英語力と安心度に負の相関関係が見られ、英語力が低い生徒の方が不安を感じやすいことが示唆されています。
英語算出量に大きな変化は見られず、英語レベル向上への働きかけが必要であることが示唆されています。
教師は言語のバランスを調整し、適切なタイミングで日本語を活用することが求められています。
研究の結論として、トランスランゲージングが内容理解や思考深まりに役立つことがわかりました。
今後の展望として、適切な言語使用の割合やタイミングの重要性が強調されています。
Transcripts
元
伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校
現東京農業大学
第二高等学校の
河野和之と申します
今回の研究では
クリル
内容言語統合学習実践における
トランスランゲージングの効果と題しまし
て
主に
英語で行われる
内容言語統合型学習
コンテンツ&ラングージ
インテグレイテッドラーニングの授業の中
で
戦略的に日本語を活動の中に取り入れた
教育法である
トランスランゲージングの効果を検証し
ました
この動画では
以下の流れでお話をさせていただきます
まずは
研究の概要についてお話しします
四つ葉学園におきまして
令和2年9月から10月の2ヶ月間
英語のみのクリル授業と
トランスランゲージを取り入れたクリル
事業を実施し
トランスランゲージングの効果を検証し
ました
検証の結果
トランスランゲージングが
リスニングとリーディングにおける内容
理解と
英文解釈を促進させ
ライティングとスピーキング活動における
思考を深めまた
考えの整理を促しました
さらに
学習に対する
情緒的な側面への
公営強があることが確認されました
しかしその一方で
トランスランゲージングを活用した後に
行った
スピーキングとライティング活動における
英語の3資料にはあまり影響が見られず
その有効性は見られませんでした
では
献金についての具体的な話をさせて
いただきます
まずはじめに研究の背景からです
クリルの授業では4つのCを有機的に
結びつけながら授業を展開しています
具体的には1
コンテンツ
科目内容やテーマの学習に小国鍼思考力の
訓練3コミュニケーション
目標言語でのコミュニケーション能力の
育成4カルチャーコミュニティ
文化の多様性の理解
共同学習の4つとなります
事業ではできるだけ教師生徒ともに目標
言語である英語を使用しますが
内容や英文構造を理解する際や
深い思考を伴う発問に答える前の
部屋での話し合いの際には
母語仕様を制限せずに
母語と目標言語
戦略的に活用しながら
学習効果を向上させるトランス
ランゲージングが
近年の教育研究の分野で
注目されています
次に
先行分権調査です
そもそもトランスランゲージングとは何か
ということですが
トランスランゲージングは
ウィリアムズによって作られた造語で
目標言語習得のための母語使用のことを
漠然と指すのではなく
学習者が持つ言語リソースを
タスク遂行のために使い分けさせ
効果的に知識の習得と
内容の理解を促すために活用されるもの
です
つまり
事業内の言語学習において
母語と目標言語を
戦略的に活用しながら学習効果を向上さ
せる試みを指します
トランスlanguagingの活用目的
と活用場面ですが
TRANSlanguagingは
事業内での活動で
学習者の思考を促し
複雑な概念や内容さらに
語彙や文法の理解を深め
目標言語算出の量と質を上げることが
できるため
計画的に
指導の中に取り入れられるべきだと言われ
ています
また
ライティングや討論
発表などの最終的なアウトプットは
目標言語で行いますが
調べる読むなどのリサーチ活動や
発表前のブレインスタミングや
意見交換などの試行を伴う活動においては
午後の助けを借りるなど
学習者が
創造的かつ柔軟に
言語を使用することを
奨励しています
しかしその一方で
トランスランゲージングの使用は
否定的な感情を促す可能性もあります
例えば
教師が生徒に母語使用を許すことに罪の
意識を覚えたり
学習者自身も
英語の時間は
目標言語でコミュニケーションを図りたい
ためここはできるだけ使用したくないと
いう意見もあります
このように
トランスランゲージングについては様々な
意見があり
実証研究に基づいた上での議論をする必要
があると言えます
それらを踏まえた上で
本研究では
クリル事業におけるトランス
ランゲージングを取り入れた授業を通して
以下のことを検証することを
研究の目的としました
第一に
リスニングとリーディングにおける内容
理解と
英文解釈への効果
第2スピーキングとライティングにおける
思考の深まりと
整理への有効性
第3に4議の取得のための活動や
学習に対する生徒の情緒的な側面への影響
第4に
スピーキングと
ライティングにおける英語の算出量への
効果です
今回の被験者は中等教育学校の語学名30
名で
言語レベルはセファールの
A2レベルから
b2レベルです
英語力の差は大きいですが
全体的に英語学習へ前向きな姿勢が見
られる制度が多く
英語で授業を受けること
及び英語を発することに対して強い違和感
や嫌悪感はありませんが
苦手意識を持つ生徒は見受けられました
それでは
研究の方法と手順です
令和2年9月から10月まで
コミュニケーション英語2の授業で
賛成堂のクラウン2を使い日本語を活用し
ない英語のみの
クリル事業
以下マイナスJ事業と日本語を活用する
クリル事業
以下+J事業を
表のように同じクラスで実施しました
マイナスジェインの事業では
教員と生徒は基本的には英語のみで実施し
プラスGの事業においては
基本的に英語で授業を行いましたが
教師側が意図的かつ
戦略的に日本語を使う場面を設定しました
詳しい事業の流れにつきましては私の実践
研究をご覧ください
研究の方法と手順です
本研究の対象となる
9月と10月の前後で
トランスランゲージングに関する
アンケートを実施しました
10月のアンケートの際には
実施前に行ったアンケートに
自由記述の質問を加えて実施しました
また
発話分析
スピーキングの算出量を測るために
ICレコーダーで生徒たちの発話を録音し
プラスJとマイナスJの事業中に行った
ある発話活動のwpmを計測して比較分析
しました
ライティングをさせる前の
ブレインストーミングや
事前の話し合いに
トランスランゲージを活用した後に
ライティングをさせる場合と
英語のみでその活動を行った場合の
英語の算出量を測るためにある一定の時間
内で英語で意見を書かせ
度数の平均値を算出し
結果を比較しました
次に
トランスランゲージングを取り入れる目的
手順についてです
translanguagingを活用
する主な場面ですがある
トピックについて
英語で話す
書く活動の前のブレインストーミングや
話し合いの時に活用しました
また
抽象的な概念や
理解しにくく
イメージ化が難しい単語や言い回しを理解
する際に活用しました
さらにパートナーのライティングに対する
フィードバックを与える際に日本語で行わ
せました
トランスランゲージングを活用する目的は
いくつかありますが
1つ目に
トピックに関する内容を深め思考の整理を
させるため
2つ目に日本語では言えるが
英語では言い表せない単語
表現をお互いに確認させるため
3つ目に
多面的に
物事を捉え
様々な角度から考えより深く考えさせる
ため
4つ目に
適切な表現で
明確に改善点の指摘ができるようにする
ため
5つ目に
意見交換の効率化と活性化のためです
では
結果についてです
リスニング活動で日本語を使用し
ペアで内容を確認を行うことで
理解をより深めることができるという項目
において
事前から次号への数値の上昇が見られ
統計的に有意差が認められました
リーディング活動でも
内容理解と
内容を確認
難しい概念の理解
合意の確認
及び英文構造理解に与える母語仕様の影響
を示す項目で
事前から
地声への数値の上昇が見られこれらも統計
的に有意な差が見られました
次に
スピーキング
ライティングにおける思考の深まりと整理
の変化ですが
スピーキングライティングともに
準備段階の意見交換や
ブレインストーミングで日本語を使うこと
によってより内容が充実することに賛同し
た生徒の割合や
英語で議論をする前に日本語での意見を
交換することでより考えが深まるという
生徒の割合に上昇が見られ
統計上の有意差が見られました
次に4技能に関わる活動と
学習に対する情緒的な側面への影響です
全体的に見て
リスニングスピーキング活動で
授業を実施前後の数値には大きな変化は見
られませんでした
しかし
僕の仕様による安心度を示す値は
事業前後ともに
比較的高い数値が見られました
この高い数値の原因となった学習者と
自由記述で
母語仕様により安心できるという意見を
書いた学習者の多くが
共通して比較的英語力が低かったことから
英語力の差が
トランスランゲージングの活用が
冗長面に何らかの影響を与えている可能性
を考え
英語力と
情緒的な影響に関わる質問項目との
相関関係を検証しました
その結果
英語力と
安心度に相関関係が見られより英語力の
低い生徒の方が
英語のみの授業に対して
不安感を覚えやすく
同時に
母語仕様により安心を得られるという結果
が見られました
次に
スピーキングとライティングにおける英語
の3種類の変化についてですが
アウトプット
前のブレインストーミングや
話し合いの際の防護仕様の有無に関わらず
その後に行ったスピーキングライティング
活動での
英語の産出量に大きな違いは見られません
でした
次に
考察に移ります
リスニングと
リーディング活動における
母語仕様の効果に関して
内容理解が深まる
内容確認ができるという結果から
トランスランゲージングが
内容理解や
英文解釈をする上で有効であることを示唆
しています
これまでの先行研究が示すように
英語だけでは理解が曖昧になりがちな抽象
的な概念や
複雑な事柄に関して
母語を使うことで内容確認が容易となり
理解が深まったものと考えられます
また
英文構造を理解する上でも
英文の主語と述語の関係その他文法事項の
確認など
母語を使用することで
必要な概念をきちんと理解することが促せ
たように思われます
質問詞の自由記述の欄にも
母号仕様により
内容理解が深まった
内容理解に役立つといったトランス
ランゲージングの有効性を指摘する
コメントが見られました
次に
スピーキングライティングにおける思考の
深まりと整理に関してです
検証結果から
英語でのライティングや
ディスカッションの前に
ロゴで話し合い考えを整理したり思考の
深まりを経験することがその後の英語での
議論を深めることに役立つように思われ
ます
特にライティングなど
認知不可がかかるタスクの際の母語運用が
有益であり思考の整理や
論理構成を考えるには
強い言語
母語の方が効果的かつ
効率的に行えるものと考えられます
自由記述欄でも
母語仕様によって
考えを深められた
考えを整理できたなど
有効性を指摘する記述も多数見られました
また
技能取得のための活動学習に対する情緒へ
の影響ですが
結果が示した通り
事業前後の数値の変化はあまり見られませ
んでしたが
前後ともに比較的高い数値を示していまし
た
このことから
トランスランゲージングを実施する前の
段階から
母語の必要性有用性を認識していたとも
解釈できます
例えば1-2の項目を見たとき
英語だけでは不安になるが
理解を促すために日本語で話すことで安心
するという数値が
事業前後関係なく高く出ています
これはどんな授業をするかに関係なく日本
語を活用することで
安心が得られると思っていたのではないか
と思います
さらに
英語力と
安心度に
負の相関関係が確認されたことで
英語力の低い生徒たちにとって
僕の使用は情緒面に特に有効であったと
考えられます
実際のコメントでも
英語力の高くない生徒からは日本語を使用
することで安心するというコメントが
多数見られました
しかし
生徒が常に母語による安心日本語による
授業を求めているかといえば必ずしもそう
ではなく
事業内ではできるだけ英語で理解したい
話したいという積極的な姿勢も同時に見
られ
英語仕様により
モチベーションが上がるといった記述も
多数ありました
日本語の説明なしで
内容を理解することや
英語で発表を強いることは
過度に生徒の緊張度を高めて
不安感を煽ってしまう恐れがあります
しかしその一方で
生徒は適度な緊張感を求めており
英語で行われる授業の緊張感の中で
英語学習に意欲的に取り組もうとする態度
も示しております
したがって目の前の生徒の様子を見ながら
常に言語のバランスを
調整していく教師の臨機応変な事業運営の
姿勢が問われているのだろうと感じます
また
スピーキングとライティングにおける英語
算出量への効果については
トランスランゲージングを活用しようとし
ないとアウトプット量にはあまり変化が見
られませんでした
考えられる理由として
準備段階でたとえ日本語で内容に対して
議論を深め
考えを整理できたとしてもアウトプット
量は
学習者の英語スキルに大きく影響を受ける
ため
英語の3資料にはそれほどの違いが
生じなかったことが考えられます
最後に
結論と今後の展望についてお話しします
本研究の結果
トランスランゲージングがリスニングと
リーディングにおける内容理解と
英文解釈を促進させる役割があることが
わかりました
またライティングにおける思考の深まりや
性に関して一定の有効性も確認でき
学習に対する情緒的な側面への影響に関し
ても
母語仕様により安心感が得られるという
結果が見られました
一方で
スピーキングとライティングにおける英語
の算出量には
著しい結果は見られず
産出量の違いを生むためには
英語レベルの
向上に対するより一層の働きかけが必要で
あることが示唆されました
トランスランゲージングを活用した事業で
は日本語戦略的に使用することが重要で
あり日本語の
漠然としたまた
安易な使用
過度な使用を奨励しているわけではない
ことは強調しておきたいと思います
過度な保護仕様は
生徒の貴重な英語学習の機会を奪って
しまうだけではなく
クラスにメリハリをなくし
せっかく英語を使っても
後で教員が日本語で説明してくれるだろう
と言った安易な学習姿勢を生んでしまう
可能性があります
一方で
英語オンリーのクラスで思考や理解が十分
に深まらないことも起きる可能性があり
ます
したがってどの状況や場面で
母語仕様が許されあるいは奨励されるべき
かを
教員がその教育効果を意識して考え
学校
学年
生徒の実態に合わせて
防止用の割合やタイミング等を調節し
ながら授業を準備展開していくことが大事
なことであると考えます
これで私の研究の紹介を終わりにいたし
ます
ご視聴ありがとうございました
5.0 / 5 (0 votes)