【REIT編 後編】インフレに強いのは本当？意外と知らないREIT投資の落とし穴 ＜北根 久之＞｜投資の基本をプロから学ぶ BASE 2023.10

Summary

このビデオは、リートの基本的な仕組みと特徴について解説しています。金利変動がリートに与える影響について、利回りとリート価格の逆相関関係があること、支払利息の増加、キャップレートの上昇による影響などを説明しています。また、リートの流動性リスクが株式と比較して高いこと、市場規模が小さいほど流動性リスクが大きくなることも指摘しています。リーマン・ショック時や最近のコロナショック時のリートの下落幅の大きさなど、実例を交えて解説している貴重な内容です。

Takeaways

• 😀 リートはインフレに強いが、金利上昇に弱い
• 😮 金利上昇はリートの利回りを下げ、価格を下落させる
• 📈 日本と米国の国債利回りとリート価格は概ね逆相関している
• 😖 リートは支払利息の増加で収益を圧迫される
• 👍 金利低下はリートの収益と資産価値を押し上げる
• 😰 リートの市場規模が小さいため、流動性リスクが大きい
• 📉 混乱時にリートは株式以上に下落することが多い
• 💡 2022年の米国市場は、インフレと金利上昇でリートが大幅下落した貴重な事例
• 😓 リートの流動性リスクを軽視すると大損失を被る可能性あり
• 🎓 リート投資には金利変動への対応力が欠かせない

Q & A

リートの価格と金利の関係について教えてください。

金利が上がるとキャップレートが上昇し、不動産価格が下落するため、リートの価格も下落する傾向にある。逆に金利が下がるとキャップレートが下落し、不動産価格が上昇するので、リートの価格も上昇しやすい。

なぜリートは流動性リスクが高いのでしょうか?

リート市場の規模が小さく、1日の取引量も少ないため、少しの資金の流入や流出で価格が大きく変動してしまうリスクがある。株式市場などと比べて規模が小さい。

リートの構造的リスクとは何ですか?

リートはローンや債権の返済に縛られるため、借金を返済するまで資金を引き出せない構造的なリスクがある。株式のように自由に売却できるわけではない。

金利上昇がリートの価格に与える影響を教えてください。

支払い利息が増加することと、キャップレートが上昇して不動産価格が下落することの2つの影響がある。両方ともリートの価格下落圧力となる。

リートのレバレッジ効果とは何でしょうか?

リートは借入金を活用することが多く、全体で2倍の資産を保有できる。したがって、不動産価格の変動が2倍の影響をリートの価格に与えることをレバレッジ効果という。

日本のリート市場と株式市場を比較した場合の違いは何でしょうか?

日本の株式市場の時価総額は約585兆円であるのに対し、日本のリート市場は約15兆円と非常に小規模である。1日の売買高においても、株は2兆5,000億円なのに対し、リートは400億円程度と大きな開きがある。

リーマン・ショック時のリートの下落率はいくらでしたか?

リーマン・ショック時に日本のリートの価格は最大で71%下落した。日本の株式市場の最大下落率は60%程度だったことと比較すると、リートの価格変動の大きさがうかがえる。

米国リートの2022年の下落率はいくつでしたか?原因を教えてください。

2022年の米国リート指数の下落率は約27%でした。背景にはインフレ率が約8%と高水準で推移し、米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げを行ったことがある。

リートの投資リスクにはどのような種類があるでしょうか?

リートの投資リスクには、金利変動による価格変動リスク、構造的リスク、流動性リスクなどがある。株式と比べてこの3つのリスクがより大きい。

国債利回りとリート価格は Inverse の関係にある。この理由を教えて下さい。

国債利回りの上昇は、リートのキャップレートを押し上げ不動産価格の下落圧力となるため、リート価格を押し下げる。逆に国債利回りが低下すれば、リートのキャップレートが下がり、不動産価格の上昇要因となる。