すぐにわかる学術書の読み方　～大量の本にどう向き合うか〜

国立大学共同利用・共同研究拠点協議会

14 Sept 202316:45

Summary

TLDR京都大学人文科学研究所の岡澤によると、人文系研究は哲学、文学、歴史学など幅広い領域に及び、研究者は室内での読書だけでなく、フィールドワークや調査旅行を通じてデータ収集を行うことが多い。研究成果は書籍や学術雑誌に発表され、情報過多の現代においても、研究者は効率的な読み方や情報処理技術を駆使しながら、新しいアイデアや発見を追求し続けている。岡澤は研究資料の読み方に関する6つのテクニックを紹介し、それらを活用することで、研究者は知的な柔軟性を保ちながら未知の世界へのアクセスを可能にしていることを強調している。

Takeaways

😃 人文系の研究者はフィールドワークなど外出することが多い
📚 人文系研究者にとって一次資料と二次資料の両方を読むことが重要
📝 学術雑誌への論文掲載が主流だが、学術書も重要な位置づけ
😮 情報過多の問題は16世紀から議論されていた
📖 研究者は状況に応じた読書のテクニックを使い分けている
🔍 書評や指標を読むのは効率的な情報収集法のひとつ
📌 序章と結論、特定の章だけを集中して読むのも有効
📎 作品や脚注を使って関連部分だけを抜き出し読む
✏️ 本文に直接書き込みをするのも考えを深める上で役立つ
💡 他の本との関連づけが新しい考えを生むことがある

Q & A

京都大学人文科学研究所とはどのような研究組織ですか？
-京都大学人文科学研究所は、哲学、文学、人類学、歴史学、社会学など人文系と呼ばれる研究領域全てを対象とする研究組織です。
人文系の研究者が行うフィールドワークにはどのような活動が含まれますか？
-フィールドワークには現地での観察やインタビュー、古文書や昔の手紙、かつて使われていた道具の調査旅行などが含まれます。
人文科学研究所で作成されるアーカイブの重要性は何ですか？
-移送し集められる大量のものは、分析しやすいようなデータのまとまりへと整理され、目録やデータベースが作成されることで、研究において重要な資料として保管されるためです。
人文系の研究者にとって読む作業の重要性はどのように表されますか？
-人文系の研究者にとって、収集された書籍や手紙などを丁寧に読み、それを分析することは、研究において非常に重要な作業です。
人文系研究の情報過多に対する歴史的な対応は何でしたか？
-16世紀のヨーロッパでは、辞典のような情報検索装置の作成やコモンプレイスブック（抜き書き帳）の作り方など、人文的な情報処理技術についての議論が行われていました。
人文系研究者が読むモードを使い分ける意義は何ですか？
-研究者は複数の読むモードを使い分けることで、効率的に情報を処理し、さまざまな種類の文献から必要な知識を得るためです。
人文系研究者が情報過多の時代に学術書をどのように読むか、具体的なテクニックにはどのようなものがありますか？
-具体的なテクニックには、リーディングリストの利用、書評や指標の読み、本の序章と結論だけを読む、特定の章だけを集中して読む、索引を使う、注釈を活用するなどがあります。
学術書を読む際に、書き込みをすることの利点は何ですか？
-読んでいる途中で重要な情報を見つけたり、本で書かれたことに関連して面白いアイディアを思いついた時に、後から調べやすくするためです。
人文系研究者が新しいアイデアを深めるために他の著者の本を読む意義は何ですか？
-複数の著者の本を読むことで、同じ問題に関心がある複数の視点から知見を得ることができ、自分自身のアイデアをより深めることができるためです。
人文系の研究者たちが直面する情報過多の問題への対処法として、どのような姿勢が重要だと言えますか？
-読める全ての本を読むことは不可能であるため、選択的に読み、未知のものとの出会いを楽しむ知的柔軟さを保ち続ける姿勢が重要です。