高画質 高分子科学 第13回 master 13
Summary
TLDR福井大学の庄司英一教授が海洋プラスチック問題から導電性高分子の応用まで、幅広い分野に渡る講義を行っています。レジ袋の有料化や高分子の歴史、物質の電気伝導性について触れ、さらに導電性高分子の原理と応用技術を解説。電池やディスプレイ、エレクトロクロミズム材質など、多様な応用例を紹介し、高分子の未来可能性を探求しています。
Takeaways
- 🌊 スクリプトでは福井大学近くの川でプラスチックごみの問題が議論されています。
- 🛍️ レジ袋の有料化が、環境省や財務省などが検討している政策として触れられています。
- 🔬 1920年代に高分子化学が認められ、その後様々な高分子素材が開発されたと学ぶことができます。
- 💼 マイバッグの使用を促すことで環境に優しい選択肢が示唆されています。
- 📏 レジ袋の厚さが50ミクロン以上であれば再利用の可能性があり、有料化の対象外になる旨が説明されています。
- 🌱 生分解性プラスチックやバイオマスプラスチックが一定の割合以上含まれている場合は有料化の対象外とされています。
- 💰 高分子の持手や厚さ、生分解性などの特性により、コストがかかるため、有料化が複雑化していることが示されています。
- 🔋 高分子の導電性や絶縁性について学び、それらの性質が電子デバイスにどのように応用されるかが解説されています。
- 🔌 導電性高分子は金属のように自由電子ではなく、π電子やシグマ電子を通じて電気を導くことが説明されています。
- 🌈 導電性高分子はドーピングや充電・放電プロセスを経て、高性能な材料として応用され、例えばエレクトロルビンエッセンスやエレクトロクロミズムデバイスに利用されていると触れられています。
- 🔋 個体二次電池として機能する固体高分子電解質の開発が、液体なしでイオンの移動を実現し、新しいタイプの電池技術を示唆しています。
Q & A
福井大学学術研究院工学系部門の庄司英一先生が教える授業のテーマは何ですか?
-庄司英一先生が教える授業のテーマは、海洋プラスチックのゴミ問題とその解決策、高分子の種類とその電気的性質に関するものです。
レジ袋の有料化についてどのような政策が提案されていますか?
-財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省などが各省庁を挙げ、レジ袋を有料化しようという話が提案されています。
プラスチックゴミが海に流れるとどのような問題が生じますか?
-プラスチックゴミが海に流れると、海洋生物が誤って食べたり、マイクロプラスチックに分解されて海洋環境に長期にわたって害を及ぼす可能性があります。
高分子の電気的性質を表す指標は何ですか?
-高分子の電気的性質は、電導度(σ)や比抵抗(ρ)などの指標で表されます。
導電性高分子と絶縁性高分子の違いは何ですか?
-導電性高分子は、電気をよく通す性質を持っており、自由に動ける電子やπ電子が存在しています。一方、絶縁性高分子は、電気を通さない性質を持っており、誘電率が非常に低く、電流が流れにくいです。
高分子の誘電率が高いとどのような利点がありますか?
-高分子の誘電率が高いと、コンデンサーの容量を限られた大きさで増やすことができます。
導電性高分子の電気伝導性はどのように実現されますか?
-導電性高分子の電気伝導性は、π電子やシグマ電子の移動によって実現されます。これらの電子は、分子構造上自由に動けるようにすることで、電気を導く性質を発現します。
共役型高分子と導電性高分子の違いは何ですか?
-共役型高分子は二重結合が入っている構造ですが、自由に電子が動けないため導電性はないです。一方、導電性高分子は電子が自由に動けるように仕向けられており、電気を導く性質を有しています。
プラスチックの有料化が提案された背景にはどのような問題意識がありますか?
-プラスチックの有料化が提案された背景には、環境汚染の抑制、リサイクル推進、資源の有効利用などの問題意識があります。
導電性高分子の応用例として何が挙げられますか?
-導電性高分子の応用例として、電池、エレクトロルビンエッセンス(EL)、エレクトロクロミズムによる色変化isplayなどが挙げられます。
ポリエチレンオキサイドはどのような性質を持っていますか?
-ポリエチレンオキサイドは、酸素原子を含み、プラスイオンと錯体を形成することができます。また、イオンの移動を促進する性質を持っているため、液体を使わない電池の素材として利用されています。
庄司英一先生が授業で強調した導電性高分子の重要な性質とは何ですか?
-庄司英一先生は、導電性高分子の重要な性質として、自由に動ける電子やπ電子の存在と、それらが電気伝導性を実現する原理を強調しました。
Outlines
🌊 海洋プラスチック問題とレジ袋の有料化
福井大学の庄司英一教授が、授業の冒頭で底がみ川におけるレジ袋の流れについて触れ、それが象徴する海洋プラスチック問題を提起します。レジ袋の有料化が議論され、環境省や各省庁の取り組みが紹介され、マイバッグの普及を促すメッセージが伝えられます。また、1920年代に高分子化学が確立されて以来、人工的な高分子材料が開発された経緯も説明されます。
🔬 物質の導電性と電導度の基礎
物質の導電性について、絶縁体、伝導体、半導体の違いが説明されています。電界を加えると生じる電流と電圧の関係、電導度σ、電導度の単位S/m、および比抵抗ρが紹介されています。オームの法則に基づく抵抗値Rの重要性と、それに基づく物質の導電性評価方法が解説されています。
🔋 電池と高分子の組成
高分子材料が電池の構成にどのように使われるかが説明されています。ポリマー電池の例を通じて、高分子膜の使用が容量の増加にどのように寄与しているかが解説されています。また、誘電率の異なる高分子がコンデンサーの性能に与える影響についても触れられています。
👕 誘電性高分子の応用
誘電性高分子の種類とその誘電率の範囲、分子構造の影響が議論されています。コンデンサーの選択肢としての高分子の利点、加工性、耐熱性、機械強度などの物理的な特性が説明されています。PVDFの特殊な誘電性についても触れられ、その分子構造が導電性に与える影響が解説されています。
🚫 高分子材料の絶縁性と導電性
高分子材料の絶縁性と導電性、およびその応用が紹介されています。電子材料として使用される場合、絶縁性、電気抵抗、耐熱性、力学強度、環境への耐久性が求められます。導電性高分子の原理と、金属との違いが説明されています。
🔬 導電性高分子の構造と原理
導電性高分子の構造、特にπ電子とシグマ電子の役割が解説されています。ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロールなど、具体的な導電性高分子の例が紹介され、その構造が導電性にどのように寄与しているかが説明されています。
🔄 導電性高分子のドーピング
導電性高分子のドーピング技術が解説されています。電子受容体や供与体の存在が導電性を制御するメカニズムとして説明され、共役型高分子から導電性高分子への遷移が詳細に説明されています。
🔋 導電性高分子の電池応用
導電性高分子を電池の構成材料として使用する場合のメカニズムが説明されています。充電と放電のプロセス、および導電性高分子がその中に扮演する役割が詳細に解説されています。
💡 導電性高分子の多様な応用
導電性高分子の応用がさらに広げられています。エレクトロルビンエッセンスによる発光体、エレクトロクロミズムによる色変化、および固体状態でのイオン移動が説明されています。これらの技術がディスプレイや電池などにどのように使われるかが紹介されています。
🔌 個体二次電池の開発
個体二次電池の開発が議論されており、その中に使用される導電性高分子の構造と機能が解説されています。SO3H基團によるイオンの移動と安定した導電性を持つ構造が紹介されています。
📚 今日の授業のまとめ
授業の内容が要約されており、海洋プラスチック問題から導電性高分子の多様な応用技術まで、今日取り上げたポイントが振り返されています。
Mindmap
Keywords
💡プラスチックごみ
💡マイクロプラスチック
💡レジ袋の有料化
💡高分子化学
💡導電性高分子
💡共役型高分子
💡ドーピング
💡P型ドープとN型ドープ
💡エレクトロクロミズム
💡固体電池
Highlights
福井大学の庄司英一教授が底がみ川におけるレジ袋のプラスチックごみ問題について講義を開始。
プラスチックごみが海洋生物に食べられ、有害性についての懸念が示された。
レジ袋の有料化が環境省や財務省などの各省庁で議論されている。
高分子化学の発展とその社会的影響について1920年代からの歴史が語られた。
有料化の意義とその対象外となる条件(厚さや生分解性プラスチックなど)が説明された。
生分解性プラスチックのコスト問題とその価格が上がることへの懸念。
プラスチック使用の避け方と環境への影響を最小限に抑える方法が議論された。
導電性高分子の種類と電気が流れる原理について学ぶことが重要であることが強調された。
物質の電流流れる性質について絶縁体、伝導体、半導体の3つに分類される。
電導度と比抵抗の概念が説明され、単位とその意味が解説された。
導電性高分子の原理におけるπ電子とシグマ電子の役割が解説された。
共役型高分子と導電性高分子の違いが説明され、構造が導電性に与える影響が強調された。
導電性高分子のドーピング技術とその電気導通性への影響が解説された。
P型ドープとN型ドープの概念が紹介され、導電性高分子の電気的性質が解説された。
導電性高分子を用いた電池の原理とその充電・放電プロセスが説明された。
エレクトロルビンエッセンスと導電性高分子の発光体アプリケーションが紹介された。
エレクトロクロミズムとそのディスプレイへの応用が解説され、色変化の原理が示された。
ポリエチレンオキサイドのイオン移動促進効果とその在る個体二次電池への応用が紹介された。
授業の締めくくりとして、今日の内容の重要性と実践的な意義が強調された。
Transcripts
皆さんこんにちは
福井大学学術研究院工学系部門の庄司英一 です
授業を始めます
底がみ川といいます。福井大学の隣に
流れている川です。 レジ袋が浮いてたんです。
これどう思いますか。 海洋プラスチックのゴミ問題。
黄色とか青とかね緑色がありますこれ全部 プラスチックが
圧倒的に多いです。
岩石とものともいろいろマイクロ プラスチックになっていく小さくなって
いくんです。マイクロプラスチックと言い ますが、魚が食べてします。
魚からプラスチックが出てくるとか、有害なの
かどうかわかんない。そういう問題を なんとか解決しようとか。
このレジ袋の有料化の話になりました。
ページ見ると 財務省
厚生労働省 農林水産省
経済産業省環境省、各省庁を挙げてこういう レジ袋を有料化しようという話です。
マイバッグを持ってきてくださいとかあります。
何気なく、1920年代に高分子化学が
世の中に認められて サイエンスとして、実際に巨大分子が
存在する。それ以降それを踏まえて いろいろその高分子を作ってきたんです。
色んなナイロンとかね。
有料にする意味を考えてもらうという
ことなんです。 持ち手があると有料、持ち手がないと
有料にしないとかあります。
厚さが50ミクロン以上は その対象にならないって書いてあります。
厚ければ再利用を見越した状況だ
から対象にならないのかなとか。 時間の問題で1週間1ヶ月半年でもみじんも無く
分解してなくなってしまえば いいですよね。生分解性
プラスチックを配合してればまあ対象に ならないとか、バイオマス
プラスチック天然の セルロースとかそういう基本的に生分解性
分解しますから まあそういうものが配合していれば25%
以上だったら対象にならないとかっていう のはあるんです。
こういうものを作るのにはすごいコストが かかるんです。
対象にならないと言ってもその 1枚、30円とか50円もしちゃったら問題です。
3円とか5円とかでねなってたものが そのくらいコストかけないと
できない、お金かかるんです。 そしたらもうなんか有料かどころの話じゃ
なくて、難しい話になってきますよね
プラスチックを使わないとできない。
むやみにこういう風に 川の方に海の方に行かない土の方にこう
埋め込まれないような 環境破壊につながらないようなことをね
いけばいいんでしょうけどなかなか難しい。
今日の授業でまずどういう種類の導電性高 分子があるのかっていうことと、どういう
原理で電気が流れるのか、電流が 流れるのかなっていう理解です。
物質には
全く電流が流れない
絶縁体って呼ばれるもの、それから
伝導体って書いてますけど電気をよく通す もの、それから中間の半導体というものがあります。
物質に電流が流れる性質についてです。
電気を導くって感じです。
1cmの距離に電界を加える、そうすると
電圧が発生します。
プラスとマイナスがあってでここに流れる 電流です。物質に電界を加えると
その物質の内部で電流が流れる。1cm あたりのその流れる電流値をσと表します。
電流値が大きければ電、たくさん
電流が流れるということはたくさん電気を 通すってことです。
導電性が良いか悪いかってなった時に数字 が数値が大きいほイメージが
つかみやすいですね。
電導度を単位長さ当たりのSジーメンスで表記します。
もう一つの考え方としてはオームの法則で
V=IRってありますよね
Rで抵抗で割ってるイメージです。
Rが大きくなれば、
電流って減少します。
絶縁体になればなるほどこのRがでかく なります。
比抵抗での表記もあります。
比抵抗はρで表記します。
絶縁体になればなるほど抵抗が大きくなります。
抵抗値が大きいほど電流が流れないって
なります。イメージ的に数値が大きい
ほど電気を流れるって方が分かりやすい。
そこで、比抵抗を使うよりも電流で評価する方が イメージ的にわかりやすい。
こちらが圧倒的に使われています。
パーセンチメートルという 指標で電導度として表されています。
圧倒的に一番絶縁体になっているこっち です。ポリチレン
水晶、ダイヤモンドはこの辺です。
ガラス板はこの辺。 ポリエチレンの方が
圧倒的に絶縁体
電気をよく通す金属系です。
銀とか銅と金は抵抗値が非常に低い
ここで言うと10の2乗以上は
良導体です。こっちの10の-9乗以下は
絶縁体という風に定義しています。
半導体 どういうことなんでしょうね中途半端に
抵抗値を持ってる だけではないんですよね
抵抗単純に抵抗が高いだけではなくて なんて言うんですかね
こっち側の全体の性質とその電気を通す 性質の
両方の性質を持つというところなので 単純に抵抗が高いだけではない。
応用するとトランジスタとかダイオードと か、今日お話はしませんけどこの
独特の半導体の持つ性質でそういう デバイスも作られてねいくということに
なります
図の14-2なんですがもう携帯電話 ノートパソコンとかこういうそのポリマー
バッテリー 薄型で非常に大容量の電池がこういう
端末なんかにも使われているということ ですよね。中にはポリマーこれバッテ
リーです。高分子の
膜が中に入っています。
そうすると高分子を使うと非常に 容量を増やすことができます。
実際にこれで使われています。
表の14-1をご覧ください 高分子の性質なんですが
絶縁性高分子はもう最初ちょっと述べた ようにほぼすべてです。
導電性高分子の話はこの後半で 出てきます。まず最初に
汎用の高分子です。考えてほしいん ですね、もうほとんど全部これ
圧倒的に 絶縁性です、高分子は。
誘電率って書いてあるでしょ1桁とか2桁
ぐらいの数字になってますね。じゃあこれ 何かっていうことなんですね
高分子のほとんどは絶縁体です。 絶縁体の特徴を生かしてコンデンサーが
よく使われます。高分子の、ポリマー コンデンサーです。
ポリエチレンでできたコンデンサ
とかポリプロピレンを使ったコンデンサー とか色々あるんです。形も
少し違います。図の14-3の左の図をご覧
ください。2枚の電極を隔ててそこにまあ 直流電圧を印加した時にこのプラス極の方
にはこれ+帯電してマイナスの方にはマイナスって
なってます。高分子のフィルムを
挟んで置くと何が起こるかということです。
この何もない状態に比べてこのいわゆる中 にまあ高分子のフィルム
誘電体で書いてありますけど要はここで 電圧を加えると、そのその物質の
誘電体の中のフィルム状の
ものを差し込むで電圧をかけると
界面で、逆電荷を生じます。
誘電体を挟んであげると
見かけ上、こちらがマイナスになります。
結果的に電荷がこの分だけ増えます。
この誘電体によって挟むだけです。
挟むだけで電圧を加えるだけで 電荷Qが増すということです。
何倍になるのかっていう話です。
誘電率ε
もともとQだったのが
P増える。
誘電率が2ということは単純に1倍の 1+1って感じです。
誘電体が入ることによって 全体としてここが2倍になるということです。
ポリエチレンはだいたい2ぐらい
ポリスチレンも2ぐらい。 ポリアクリルロニトリルとか
アクリル繊維、 洋服のアクリル根毛とかってありますよね。
ポリ塩化ビニル、
塩ビ管、レコードなど以前話しました。
だいたい3ぐらいです。
PVDF前回の授業出てた来ましたが10です。 圧倒的に大きいですね。その理由は
分子構造にあります。2から だいたい10ぐらいの
の間、2倍から10倍に 誘電率が変化する。
限られた大きさで容量を増やすことができます。
高分子を誘電体として使う以外に
石英を使うとか 雲母を使うとか、そういう硬い物質
を使うというのもありますが、 硬いって今申し上げたのはそういう物質
っていうのは加工性が悪くなります。 高分子ってそのフィルム状に加工して
それをカットしてしかるべき大きさにして こういうコンテンツを作れば
ぐるぐるっと巻いて 封印してあげれば簡単にできる。
作りやすいっていうのがあって構造を 変えて
バリエーションがあります。 誘電率が変わるとコンデンサーの容量が
いろいろ変わることのみならず それぞれのその高分子はそれぞれの立体
構造があり、それぞれの物性を持っ てます。
耐熱性とか機械強度とかねそういうものを
踏まえた上でどの高分子を選んで 誘電体にするかという話になります。
表をもう一回見ると
高分子によって、ポリエチレン ポリスチレン、ナイロン、
結構ばらついてます。分子構造に 影響するのでそれを1桁ずつ
変わるわけです。
誘電体でも数値として
だけでは見えてこないコンデンサーのパフォーマンスは
実際あります。周波数特性とか いろいろあります。
コンデンサーが例えばオーディオなんかで こういうコンデンサが使われる時にどの
コンデンサーが音がいいとかです。
オーディオをマニアの人たちはコンデンサーを選びます。
壊れにくいコンデンサーとか 耐熱性が高いコンデンサーなんかも
議論に出てきます。
その共有電線っていう性質があると
ポリフッ化ビニデンでPVDFです。
電圧を加えると向きが揃います。双極性が揃 います。まさにこの話が
関わってきます。 双極子に関わる話、分子構造が関係します。
誘電体なんだけども、その電荷の発現が
異常に大きい。
向きがみんなこっちに向いて
同じ向きで書いてます。強誘電性という性質が出てきます。
多くの汎用ポリマーの誘電
率や、電動度、さっきのこの表ですけど
考え方として電球のソケットに使おうかな とか、絶縁体として。
熱に強いかな、電線に使おう かな、じゃあ被覆材として使おうとか。
ポリエチレンの 起伏剤がいいのかってどれがいいのかなっ
てありますよねつまり
プリント基盤に使おうかなとかいろいろ あるじゃないですか電子材料としてね
結構、電子材料絡みの話にはなるんだけど5つ
項目がまず書いてあります。まず何が必要 かかって電場がかかった時に
絶縁性を有すること
それから 電気抵抗を有すること
耐熱性を有すること
4番目として 力学強度を有すること
5番目として 湿度、温度、光のような環境変化を受けない
書き出しましたが、 こういう性質を持っているもの、
高分子以外にありますかっていう話ですが、 なかなかないです。
その海洋プラスチック問題ではないです けど、高分子に変わる
ものがやっぱりないんです。
絶縁体としての誘電体としての利用とし て
考えてます。 先ほどちょっと申し上げた高分子には電気
を流す高分子があるということ、そこに 話をねいきましょう。
導電性高分子って言うんですよね
電気伝導性って書いてある教科書
伝えるという字を書いてます。導くっていう 字を書いてある
導電性、電気を導くって書いてある
電子またイオンの移動によって高分子の中 にねそういうものを入れ込んでたものを
作った時にそれが移動するそれで
導電性が発現します。 電気を通すということは皆さん何を
イメージしますか。 金属かな金属って
電気が流れますよね、まあ電気が流れると いうか
電子が動くっていうか、電流が流れると いうか。
それはどうしてかってなった時に金属で 言うと自由電子が動くんですよね。
金属の場合ね聞いたことありますよね自由 電子
電気伝導性があるということは自由に
動ける電子があってその電子が行ったり来 たり動くんだと。その構造の中でねじゃあ
導電性高分子の原理は自由電子なのかって いうと
金属結晶ではないので 自由電子ではない。
導電性高分子でここで言ってる高分子って いうのは有機系の高分子っていうか炭素
原子と水素原子とか窒素原子とかそういう ね
汎用のポリエチレンとかポリプロピレンと か
ペットとかナイロンとかそういう類の
骨格なんだけども、そこに
自由電子に代わる何らかの電子が加わって てその電子が動くことによって
導電性を発現すると考えるんですね。 原理として。でその電子は何かっていう話な
んですけど、π電子なんですよ。
あと電子には化学結合に関わる電子には シグマ電子ってのがあります。
2種類関わっています。
導電性高分子の場合は、
パイ電子とシグマ電子によって
導電性が発現されるって話なんです。
パイ電子とシグマ電子が関わってるんです。
教科書で言うと228ページね
ここにポリアセチレン左上PAって書いて あります。
二重結合が入ってて ポリエチレンに似てますよねCH2CH2
CH2結合がCHになって水素原子が1個
ずつなくなってる。 もう一つはポリアニリン、ベンゼン
環があってここになんかNHという 結合で交互共重合体になっている。
ポリピロールは五員環でNHという構造が入って
五角形を形成している。
Sが入って硫黄原子が入ってる で全く何もないベンゼン環だけが連結し
たものはこれポリパラフェニレンっていう それから
こっちのポリアセチレンのこの構造は 導電性高分子、結果的にです。
ベンゼン環だけの連結した構造これも 導電性の電気を通す性質がある構造です。
導電性高分子であるとそれをこっちをこっちを つなげるとこういう構造になりますね
これも導電性高分子です。この構造
とこの構造とを組み合わせると
導電性の構造を連結させれば新たな 導電性高分子ができます。
これを敷き詰めてこういうふうに
すると グラファイトのような構造になります。
ポリアセンって書いてある これも導電性なんです。
まあこれとこれを組み合わせて、
導電性が発現しています。
これを見ていくとね なんか気づくことありませんか?
共役型高分子ってあるんだけど
導電性高分子とは書いてないんだよねまず はここの共役型高分子と書いてあります。
何が共役してるのかっていうと二重結合が 入ってる1少なくとも1本のCC結合では
ないということなんです。
CC結合を考える場合と Cの二重結合
、Cの三重結合
ここに何らかのものがくっついてる。
基本的に一重結合の最初に 書くこの
1本の線これはねここに関わってる電子は シグマ電子なんです。二重結合の2本目
のこの線これシグマ電子が2個あるんじゃ なくて
もう一個結合が加わった二重結合目の もう1本の線っていうのは
π電子なんです。三重結合は パイ電子がもう1個増える。
電子の構造からするとこれシグマ 電子こちらシグマ電子+パイ電子が加わっ
金属いうところの電気 伝導性が出る源は自由電子、自由に動ける電子です。
シグマ電子というのは実はその結合の中で
しか存在し得ない。その結合を形成している まあ
根幹をなすものです。
結合を形成しているパイ電子っていう のはもちろんその2本目の3番目のところ
にこうね電子として入るんだけど実はこの 電子というのは
非常に面白くて
動き回れるんです。ただ動き回るんだけど 普通じゃ動き回らない。
今一番簡単な左上の
ポリアセチレンについて説明しますね
教科書図の14の7です。
ポリアセンの構造です。
詳しく書きます。
上と下の構造は見分けつかないですね。
上も下も同じです。
これ何が違うかっていうと一重結合の位置 が交互に1個ずつずれてます。
こう書いたとします。
要は二重結合のパイ電子って いうのがここに加わっているイメージです。
結合角度があるから、実際は直線ではないですね。
そこでこの図を見るといいのかな。
上下にローブが書いてある。この
軸となるこの結合のところのこれがシグマ 電子、このローブの部分
がパイ電子なんです。
シグマ電子とパイ電子がまあこう住み分け られて書いてあります。
ローブ同士が重なります。
トランス型、シス型 2通りがあります。
ジグザグとこんな感じです。
一応方向に抜けるというか トランスはです。
実際は混在しています。
エネルギー的にはトランスの方が安定です。
さっき図を書いた時にこれ実は区別ができない
例えばAの構造だった構造をBの構造に 置き換える1個ずらして考えれば頭の中で
できるけど現実はAの構造はBの構造に なるかっていうとこれ
結合が1個ずつずれないといけないです。 結構難しいんです。
この電子が
自由に動けるかという話です。これ動けない でしょ。この例えばここの電子が
こっちに動こうと思っても、ここに電子がいる
んだから、この電子動けない。
動けないと、
導電性が発現できません。 金属のように自由に動き回る電子があって
その電子がキャリアとなって
金属のような全体の導電性が発現するわけです。
導電性高分子になるためにはこの電子を が自由に動けるようにしてあげると
導電性が、自由に動けるパイ電子に
よって 導電性が発現するという話に
なるんです。 じゃあそれをどうするのかっていう話です。
さっきの導電性高分子だと同じ種類がある かなっていうちょっとお話をしましたよね
共役型高分子と書いて導電性とは直接的に書いてない
それは単純にこの構造を書いたんでは二重 結合はもちろん重要なんだけど、
自由に電子が動けないから
この状態での共役型の 構造にはなってる電子を共役を
自由に動ける
仕掛けを作るんです。 自由に動ける仕掛けを作るのどうする
かって言うと
この図の14-8が原理を説明
しています。
eマイナスは電子です。
左右に動け無い。
隣がいるから。例えばここの席を
この電子を取り除いた1個ね そうするとどうなる?
そしたら
ここの電子は
こっちにずれるよね
あの間引いてあげる、 電子を奪ってあげる
適度に奪ってあげると 隣の電子がそこの席を
移れることができる電子が動ける
間引きばいいんだってなるよねで電子を 間引くてどういうこと
電子ってえっと電子を奪うっていうことは 酸化還元反応あの酸化させるということな
んですよ 還元っていうのは電子を逆に与えるって
なりますね。
電子受容体ってなんか 難しく書いてるけど電子を受容する
奪うそういうものをここに 混ぜてあげる。
すると電子が間引かれるので電子が なくなるよね、電子ってマイナスその電荷
起きてるよねだからプラス電荷になるほら この状態っていうのは
隣同士が動けるよねだから
あのもう結合点々で書いていいなって自由 に動けるんだから。だからこれ点々って
これ電子が自由に動ける状態です。
これで初めて 導電性高分子としてポリアセチレンがそう
なってる状態になります。この状態はあくまでも電子受容体が
ない状態なので 導電性高分子の骨格は持ってそうだけど
実際に導電性は発言していないだから共役 系高分子と書いた。
電子が詰まった状態です。
詰まったっていうかまぁ最初の状態ねと この状態にね
電子を無理やり入れちゃうと どうなる?
ちょっとおかしいけどさでも気持ち的には 電子が埋まってるところにその経の中に
無理くりこの炭素のところに入れ込ん じゃうようなもの。
全体がこうなんかこう電子がこんな中途 半端な状態って安定じゃないけどねそう
すると安定になりたいからこの電子を あっち行けよとかってこうねはじき出す。
電子が動いてるよね 弾かれた電子が注入された電子が
動き回れるよね。これも 導電性を発現することになるんです。
だから電子を注入するっていうのは電子を 相手に与えるこれは還元反応なんですね
還元って電子を相手に与える 錆びた鉄が
還元するとサビが取れる。 錆びるということは
酸化されるって事です。 酸素と結びつくっていう意味での酸化と
電子を奪われるっていう 意味での酸化っての2つの酸化があります。
ここで言うのは電子を奪われる、 電子を与えられるということで酸化と還元
という現象が
基本にあります。 酸化とは何か
還元とは何か。電子を 与えるということは
還元剤としてを接触させるっていう事です。 ここの電子
供与体です。
導電性を発言する、どう混ぜてそう
いうことにすることをドーピングって言います。
酸化剤によるドーピングです。
供与体の方はナトリウム金属とかリチウム 金属これ全部もう非常に強い
還元剤です。これを 混ぜてドーピングさせても
導電性を発言できます。
もちろんそれは化学物質を 混ぜなくても電極上で
電子を間引いてあげる。 練習を加えてあげる。
電極上でまあこういうドーピングさせることも
できると コンデンサーのような状態で溶液につけて
それで電子移動を引き起こす
理解をね深めてください
表の14-2をご覧ください。ここにドーパントとして
酸化剤、還元剤とは書いてないけど
この辺は酸化剤、ここは還元剤です。 導電性高分子によっては
共役系の高分子構造によっては 酸化して
導電性を発現するものと両方 還元剤でも
電子注入で発言する場合と、奪われて発現 する場合の2種類あります。
P型ドープN型ドープっていう言葉が実は あるんだけど、
P型、N型ってあるんだけど 教科書がちょっとそこまで書いてないです。
酸化剤を加えて、電子を間引いて
導電性を発現するのをP型ドープ、 N型ドープっていうの電子を加えて発現
させます。
導電性が発現する構造によってP型
は起こるけどN型は起こらないとかって いうのもあります。電子を注入したら構造が
壊れちゃってねダメになっちゃったとかもあります。また、 こういうものを使うと電池になったりね
図の14-11が
書いてあります。何かって言うと今の
導電性高分子の元となる、さっきの
共役型高分子を
電極の表面に固定しておきます。
溶液につけて電解液の中につけてあげて
電池を接続すると何が起こる?電気エネルギーがかかる
り、電解が起こる。
+がこっちに入るからそれを補うために マイナスが電子がこっちに移動する。電流は
こう流れ、電子はこう流れる、電流としては この流れです。
+極がこっちにこう電子がこちらにこう 移動するということは電子移動を
引き起こすために、電位勾配で、電圧を
印加する。
そうすると電子がこれこっちから流れ出す のでマイナスを
補わないといけない。こちらの電極にマイナスイオンがこちらに
どんどん入ってくると こちら側は行った電子がどこに行くかって
いうと電池の中、通ってこちらに抜けて出て くる
こちらの極は 電子がどんどんいっぱい
入ってくる。それを打ち消すために
プラス電荷が必要になる。だからこう プラスイオンがどんどんこちらの電極に
集まってくる。これ充電です。
電池を外して
抵抗体をここに、例えばLEDをつけたりとか
接続すると何が起こるか。ここに溜め込んだ ここのものが今度はその逆にこちら側が
電池になるから、プラス極になりますね。
で電子移動が起こります。 これ放電って言います。その電子が
こちらに流れるので
今これ電子がだからつまり充電の時に電子 がどんどんこちらに溜め込まれた
わけたくさん電子を持ってるわけこっちね それが
負荷をつなぐことで電子がこちらに流出 するわけです。
流出がスムーズにこう 電子がこちらから出ていてこちらにまた
入ることで電流で流れます。
どんどんこっちに電子が行き、
でこっちに来た時に電子がどうぞどうぞ 流れてくださいというためには、こちらは
どんどん電子が入ってくるから、 その分ここにあったこのマイナスイオンが
出ていく。溜め込んでたのが出ていくそうすると
マイナスの空きが出るからどんどん電子が 入っていく。
こっちの曲は逆が起こる電子がどんどん どんどん出ていって電気が使われ
る。何が起こるかっていうと
その分その打ち消しあってたプラス電荷が いらなくなる。これが出ていく。
電池になるということなんです。
辻褄は合ってる状況です。 それでまあ今もこれ難しく考えるとこんな
風になってねとりあえずアニリンはこうだ とか、その充電、放電はどうだとかってまあ
書いてあります。
図の14-13ですが、
導電性高分子の元となる構造のところに
ぶら下がってるSO3H
イオンで解離する構造です。SO3が こちらにくっついてる
構造がこうあります。
電子を間引いてあげると、この構造から電子が奪われるので
プラス電荷を帯びります。電子って マイナス電化を持ってそれがなくなるわけ
だから、それをこれ自分でマイナス電荷を持っ てるんで要はこんな感じになります。
若干プラスになったのがこの構造です。
非常に高性能な導電性高分子です
電荷、プラス電子が電荷が 常にバランス取れるような構造です。
寿命が長いというかね安定な導電性高分子になります。
マイナス電化とプラス電荷をこれ分ける ことができたらそのそのフィルムの内で
出会った時に光る仕掛けになります。
エレクトロルビンエッセンス、ELといいます。 発光体が作れるって話なんです。
ここにも導電性向分子が関わってます。
透明電極です。
導電性高分子が
発光体になるということです。
ディスプレイにもなります。
導電性高分子のバリエーション です。
ドーピングする必要があります。
導電性が発言する時に色が変わるんです。 エレクトロクロミズムと言います。
それをディスプレイに 応用しようというものです。
ポリエチレンCH2CH2にもう1個酸素原子を1個
かましてカッコのnという構造は、ポリエチレンオキサイドと言います。
ペオってよく言います。パル電子持ってない
んです。 酸素原子ってデルタマイナスで電子を自分
の方に引きつけるっていう性質が強いので こういう構造が取れるんです。
プラスイオンの周りを取り囲んじゃう 弱く相互作用してです。
ポリエチレンオキサイドっていうのはこの プラスイオンと非常に相性が良くて
こういう風に 錯体を形成することができるんです。
ミクロブラウン運動で高分子鎖が動きます。
この状態でリチウムイオンが見かけ上運搬
されます。
イオンの移動が固体の膜の中で
起こるのです。
巻いてこういう素子を作るとイオンが動くわけ
です。電解液中でなくても個体のフィルム内で
イオンが動くということなので 液体を使わないで水溶液にしないで、
液漏れとかの心配の無い電池が出来ます。
個体二次電池って書いてあります。これは 液漏れしない電池です。
液体がない電気だけどイオンが動けます。
今日の授業はいかがでしたでしょうか
それでは授業を終わります
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