ライオデュラ～日本の過ちが生んだ悲劇～【致死率100％】

ミストちゃんねる

3 Dec 202111:25

Summary

TLDRこのビデオは、1970年代から1990年代にかけて、ドイツの医療製品メーカーBブラウンが製造した人間の死体から作られた硬膜移植製品（ライオディーラー）の使用に起因する薬害の悲劇について語っています。プリオン病（クロイツフェルト・ヤコブ病）が感染し、数十年にわたり日本を含む世界中で犠牲者が出ました。企業の利益追求と国家の対応の遅れが引き起こしたこの惨劇は、医療業界の厳しい規制強化のきっかけとなり、同様の過ちを繰り返さないための教訓を伝えています。

Takeaways

😀 1968年、ドイツの医療製品メーカーB.ブラウンが人間の死体から採取した硬膜を使用した製品を開発。
😀 この製品は、手術中に硬膜を補填するために使われ、世界中で人気となったが、致命的な問題を孕んでいた。
😀 製品は、ドナーの病歴や死因が一切確認されておらず、プリオン病を引き起こす可能性がある状態で販売されていた。
😀 B.ブラウンは人間の死体から硬膜を収集し、病院から無断で購入するなど、倫理的に問題のある手段で集めていた。
😀 1987年、アメリカで初めて硬膜移植を受けた患者がクロイツフェルト・ヤコブ病を発症し、F.D.A.が使用禁止を勧告。
😀 日本では、アメリカで問題が発生しても、BSS社は製品を回収せず、引き続き販売していた。
😀 1996年、狂牛病の人間感染が報告され、プリオン病のリスクが改めて認識されるが、日本政府の対応は遅れた。
😀 日本で30万から40万枚の硬膜が使用され、1996年に使用が禁止されるまで多くの患者が影響を受け続けた。
😀 プリオン病は治療法がなく、発症すれば致死率100％であり、対応が遅れることで多くの命が失われた。
😀 薬害ヤコブ病と呼ばれるこの事例では、最終的に訴訟を通じて賠償金が支払われたが、被害者の多くは既に死亡していた。
😀 現在では、人工硬膜が使用されるようになり、プリオン病の危険性はなくなったが、この悲劇は二度と繰り返してはならない教訓となっている。

Q & A

なぜ1970年代に医療用硬膜が人間の死体から取り出されたのですか？
-1970年代に医療用硬膜は、人体から取り出された死体の硬膜を加工して製造されていました。これは、硬膜を使った医療が非常に需要が高く、また当時はその供給が不足していたため、利益を追求する企業が人間の死体を使用する手段に出たからです。
Bブラウン社の不正な管理方法はどのようなものでしたか？
-Bブラウン社は、硬膜の提供者であるドナーの健康状態や死因を調べず、記録も一切取っていませんでした。また、時には病院の解剖士から硬膜を不正に買い取るなど、違法な方法で供給を増やしていました。
プリオン病とは何ですか？
-プリオン病は、異常なタンパク質（プリオン）が原因となる病気で、これが脳に感染すると神経細胞が破壊され、致命的な神経疾患を引き起こします。人間ではクロイツフェルト・ヤコブ病（CJD）として知られています。
Bブラウン社が行ったガンマ線滅菌法はプリオンに効果がなかったのはなぜですか？
-ガンマ線滅菌法は細菌やウイルスを無効にする効果がありますが、プリオンはそれに耐性があり、DNAを破壊されることがないため、この方法ではプリオン病を防ぐことができませんでした。
日本政府の対応が遅れた理由は何でしたか？
-日本政府はアメリカでの被害報告を受けても、雷雨白（硬膜製品）の使用中止や回収を行いませんでした。これは、十分な調査や対策を講じず、企業の利益を優先したためと考えられています。
1996年に発表された狂牛病が雷雨白とどのように関係しているのですか？
-狂牛病のプリオンが人間に感染することが確認されたことで、プリオン病のリスクが再評価され、硬膜を使用していた患者にもリスクがあることが明らかになりました。これにより、日本政府は1996年に雷雨白の使用を禁止しました。
薬害ヤコブ病とは何ですか？
-薬害ヤコブ病は、医療行為によりプリオンが患者に感染し、クロイツフェルト・ヤコブ病を引き起こした病気です。人間の死体から取り出した硬膜や成長ホルモンなどが原因で、これにより多くの犠牲者が出ました。
薬害ヤコブ病による訴訟の結果はどうなったのですか？
-1997年に被害者や遺族が訴訟を起こし、5年後の2002年に和解が成立しました。和解金として、原告に対して約6000万円が支払われましたが、その時点では多くの患者がすでに死亡しており、金銭的な補償では取り戻せない命の損失がありました。
雷雨白の使用による犠牲者の数はどれくらいですか？
-2021年現在、日本だけで雷雨白による犠牲者は156人に達しており、世界全体では約230人が犠牲となっています。特に日本では犠牲者数が高く、世界全体の60%以上を占めています。
成長ホルモン製剤の問題とは何でしたか？
-成長ホルモン製剤は、1950年代から1980年代にかけて、主に子供たちの成長障害治療のために使われましたが、これも人間の死体から抽出されたホルモンが使われており、結果としてプリオン病に汚染されたホルモンが原因で多くの子供たちがヤコブ病を発症しました。