教育学概説2024⑬　教育史のなかの子ども1：コメニウスと教授論、教授対象としての子ども

Summary

このスクリプトでは、17世紀のヨーロッパにおける危機と科学革命の背景に立って、教育学者コメニウスの教育論が紹介されています。コメニウスは、全ての人々が教育を受けるべきだと主張し、学校教育の理念を提唱しました。彼は、教育によって人間の内在する学識、美徳、形神を展開し、人間を完全に形成する必要があると考えていました。また、彼の教育構想には、4段階の時期に分けた教育システムや「世界ず」という教科書の使用も含まれ、全ての子供たちに平和な社会を築くための教育を提供することを目指していました。

Takeaways

• 📚 コメニウスは教育学者、進学者、哲学者、文学者として多面的な立場から教育について考えていた。
• 🕰️ コメニウスが生きていた17世紀のヨーロッパは、気候の変化や疫病、30年戦争など危機に満ちていた時代である。
• 🌟 17世紀は科学革命の時代でもあり、観察と実験に基づく科学が進歩し、近代への移行が進行した。
• 🏫 コメニウスは近代学校教育の理念を唱え、全ての人々を対象に学校教育を普及させたかった。
• 👦👧 彼は全ての子供たちが教育を受けるべきだと考え、男女を問わず学校教育を受けられるようにした。
• 💡 教育は人間の学識、美徳、形神を追求するためのものであり、人間の本務であるとコメニウスは考えていた。
• 🌱 教育は自然に人間の中に内在するが、訓練によってその可能性を展開させる必要がある。
• 🏛️ コメニウスの教育構想には、4段階の教育時期設定があり、それぞれの時期に応じた教育内容が提案されている。
• 📖 彼は「世界図」という教科書を考案し、全ての知識を体系的に整理し、子供たちに教育する手段とした。
• 🌐 「世界図」は時代や地域によって変化し、新たな知識が追加され、古い知識が削除されることで長い間使われ続けた。
• 🛣️ コメニウスの教育論は、平和な社会や世界の建設に向けた一歩であり、教育によって人間をより良い存在に形成するという思想があった。

Q & A

コメニウスは何世紀の人物ですか？

コメニウスは17世紀のヨーロッパに生きた人物です。

17世紀のヨーロッパはなぜ危機の時代と呼ばれていますか？

気候が寒冷化し、農作物が取れなくなり、ペストが流行して人口が減少したため、また30年戦争が勃発し、広くヨーロッパで戦争になりました。

コメニウスの教育論の特徴は何ですか？

コメニウスの教育論は、全ての人々を対象に学校教育を提供し、男女両性全ての年少者を無視することなく教育することを唱えました。

コメニウスはなぜ教育を必要とすると考えたのですか？

コメニウスは、教育を通じて世界を救済し、平和な社会や世界を建設できると考えていました。また、全ての人に学識、美徳、形神を形成させることが人間の本務であると考えていました。

コメニウスが提唱した学校教育の4段階とは何ですか？

コメニウスは、母親学校（6歳まで）、初級学校（7歳から12歳）、ラテン語学校またはギムナジウム（13歳から18歳）、そして大学または外国旅行（19歳から24歳）の4段階の教育を提唱しました。

コメニウスの「世界ず」とは何ですか？

「世界ず」とはコメニウスが考え出した教科書で、世界の事物と人間の活動に必要な全ての基礎を絵と説明文で示したものです。

「世界ず」の内容はどのように分類されていますか？

「世界ず」は150の項目に分類されており、1の神から始まり、150番目が最後の審判までの順に並べられています。

コメニウスの教育論における「全ての人々」とはどのような意味ですか？

「全ての人々」とは、キリスト教の国々の全ての共同体にわたって、町にも村にも学校を立てることで、全ての子供が教育を受ける機会を持つことを意味しています。

コメニウスは教育によって人間のどの部分を形成しようとしましたか？

コメニウスは教育によって、人間の学識、美徳、形神の3つの部分を形成しようとしました。

コメニウスの教育論が示す人間観とはどのようなものですか？

コメニウスの人間観では、人間は教育を必要とする存在であり、訓練によって学識、美徳、形神を展開させ、人間を人間に形成することが重要だと考えられています。