【日本アスリートのリアルなキャリア問題を紐解く】競技以外で稼ぐことは悪なのか／アメリカは最初に投資を学ぶ／水戸ホーリーホックの画期的なキャリア対策／日本特有のキャリアの考え方／GAMECHANGERS

Summary

このスクリプトは、アスリートのキャリア支援について話し合う対談です。2002年に設立され今はなくなったJリーグキャリアサポートセンターから始まり、最近ではアスリートへの様々な支援制度が整備されつつある経緯が説明されます。また、選手自身の関心や理解度の低さも課題だと指摘し、アンテナを高く張ることや、選手の価値を高めることの大切さを訴えています。

Takeaways

• 😊 アスリートのセカンドキャリア支援の取り組みが最近増えている
• 👍 チームごとのキャリア支援活動がある(水戸ホーリーホックの例)
• 😮 アスリート自身の関心がまだ低いことが課題
• 📈 2012年頃から現役中からの支援が大切だとされるようになった
• 🤔 選手の反応は個人差が大きい
• 🔍 自分を知ることがアスリートにとって大切
• 💰 NBAでは金銭教育を新人時から徹底的に行う
• 👥 日本では代理人がその機能を兼ねている
• 📖 橋本選手の新刊本がキャリア形成に関する示唆に富む
• 😀 才能がなくても助けられながら成長できる

Q & A

アスリートのキャリア支援はいつごろから始まったのでしょうか?

1974年にオリンピックのアマチュア規定が解除され、プロ選手のオリンピック出場が認められるようになりました。日本でも93年にJリーグがプロ化され、2002年にJリーグキャリアサポートセンターが設立されるなど、1990年代から本格的な支援が始まりました。

現役中からキャリアを考える意義とは何でしょうか?

引退後のセカンドキャリアだけでなく、現役中から副業的な活動を行う「デュアルキャリア」が大切だとされています。競技に集中しながらも別のスキルを身につけることができ、引退後の人生設計にもつながります。

アスリートへのキャリア支援では、どのような取り組みが行われているのでしょうか?

JOCではキャリアアドバイザーによる相談支援や企業とのマッチングイベント、スポーツ庁ではアスリートキャリアコーディネーターの育成など、公的機関による取り組みが行われています。個別には水戸ホーリーホックのメイクバリュープロジェクトのような試みもあります。

選手がキャリアに興味を持つうえでの課題は何でしょうか?

批判を恐れて口外できないことや、キャリアに関する情報やアドバイスを得る機会が少ないことなどが課題です。また、多忙な日程の中でキャリアを考える時間的余裕がないという事情も大きなハードルだと思われます。

アスリートの収入状況はどのような特徴があるのでしょうか?

収入のピークが選手寿命とほぼ同じ30代前半というのが大きな特徴です。そのため、現役中にしっかりと資産形成を行うことが引退後の生活設計に大きな影響を与えます。

アスリートにとって投資はどのような意味を持つのでしょうか?

不安定な収入構造を補完し、引退後の生活資金を確保するという大きな意味を持ちます。適切な資産運用を行うことができれば、引退後もStableな収入源を確保できる可能性が出てきます。

選手のキャリア支援を行ううえで効果的なのはどのようなアプローチでしょうか?

チームやリーグとして組織的に取り組むことが効果的だと考えられます。水戸ホーリーホックの事例のように、選手への参加を義務化し長期的なプログラムを用意することで、キャリア意識の醸成が期待できます。

アスリートにとって必要なビジネススキルとはどのようなものがあるでしょうか?

自分自身と自分のキャリアについて深く理解し、それを言語化して発信できる力が必要不可欠だと思われます。投資や資産運用の知識も重要ですが、その前提としての自分理解が大切だと考えます。

日本のアスリートキャリア支援は海外に比べてどのような違いがあるでしょうか?

海外ではエージェントを中心とした支援体制が整備されています。日本では公的な支援機関が中心になっているのが特徴です。個人のエージェントによる支援はまだ発展途上だと言えそうです。

アスリートのキャリア支援をさらに発展させるにはどうすればいいでしょうか?

キャリアコーディネーターなどの専門家とアスリートとのマッチングを促進し、個別のキャリアプランの策定を支援することが肝要だと思います。競技と両立しうる具体的な道筋を示すことができれば、キャリア意識の向上につながるはずです。