日本経済史第24講part2
Summary
TLDRこの動画では、日本の高度経済成長期の金融政策と産業政策について解説しています。金融政策では、日本銀行の金利調整を通じて経済の調整を行う方法や、オーバーローンの状況に基づく金融調整が説明されています。また、産業政策では、政府が特定の産業を育成し保護するために実施したさまざまな施策が紹介されています。特に、政府の強力な産業支援や規制、金融機関との連携が成長にどのように寄与したかが論じられ、産業政策の評価についても触れています。
Takeaways
- 😀 高度経済成長期における金融政策は、日銀が金利調節を通じて資金量を調整し、経済を調整する手段として機能していた。
- 😀 オーバーローンとは、銀行の貸し出し額が預金額を上回る状態で、これを補うために日銀から資金が供給されていた。
- 😀 日本銀行は金利調整だけでなく、窓口指導を通じて銀行に対し、融資量を調整する方法も取っていた。
- 😀 現代の日本経済では、オーバーローンとは逆の状態が続いており、預金過剰で融資先が不足している。
- 😀 現在の金融政策は、短期金融市場で金利を調整する方法に変わっている。
- 😀 高度経済成長期において、金融規制(ご総船団方式)が行われ、競争を制限して銀行業務を安定させた。
- 😀 ご総船団方式では、銀行の競争を制限し、経営の安定を優先したため、特定業務を分けるなどの規制が施された。
- 😀 産業政策は、日本独自の経済政策で、特定の産業を政府が支援し育成するものであった。
- 😀 産業省(現在の経済産業省)は、特定の産業を保護・育成するために、資金や外貨の割り当てを行った。
- 😀 産業政策の一環として、衰退産業(例:繊維、造船、石炭)に対しても政府が保護を行い、影響を最小化するよう努めた。
Q & A
高度経済成長期における金融政策の主な手段は何ですか?
-高度経済成長期の金融政策の主な手段は、日本銀行が行う金利の調整を通じて、銀行の貸出額をコントロールすることです。これにより、企業の経済活動を調節しました。特に、日本銀行が市中銀行に貸す際の金利である公定歩合を上げたり下げたりすることで、金融の調整を行っていました。
オーバーローンとはどのような状態ですか?
-オーバーローンとは、銀行が預金よりも多くの貸出しを行っている状態を指します。通常、銀行は預金を元に貸出しを行いますが、預金が限られていても、銀行は日本銀行から借り入れを行うことによって、預金を超える貸出しを可能にしていました。
公定歩合が金融調整において重要な役割を果たす理由は何ですか?
-公定歩合は、日本銀行が市中銀行に貸出しを行う際の金利です。この金利を調整することによって、市中銀行が日本銀行から借りる資金量が変動し、それに伴って銀行の貸出し額も調整され、最終的に企業の設備投資や経済活動が影響を受けます。
現代の日本銀行の金融政策は高度経済成長期とどのように異なっていますか?
-現代の日本銀行の金融政策は、当時のオーバーローン状態とは逆に、預金が余っている状況にあります。現在の政策は、短期金融市場における金利を調節することによって行われ、オーバーローン時代のような公定歩合の調整は行われていません。
高度経済成長期における金融政策の一部であった「窓口指導」とは何ですか?
-窓口指導は、日本銀行が銀行に対して直接的に融資を制限する方法です。銀行が資金を借りに来た際に、日銀がその融資額を調整することで、金融市場の過度な資金供給を抑えるための手段として利用されました。
五総船団方式とは何を指しますか?
-五総船団方式は、戦時中の物資輸送における複数の船を1つのグループとしてまとめ、護衛をつけて運行する方法に由来します。金融業界においては、競争力の低い銀行や金融機関も経営が成り立つように規制を行い、競争を制限する政策を指します。
五総船団方式の目的は何ですか?
-五総船団方式の目的は、競争に負けて破綻する金融機関が出ないように、金融業界内での競争を制限し、全ての金融機関が安定して経営できるようにすることでした。
1980年代における日本の金融自由化の背景は何ですか?
-1980年代に入ると、日本経済の国際化が進み、日本の金融業界が閉鎖的であると見なされ、海外からの金融自由化を求める声が高まりました。このため、五総船団方式に代表される厳しい金融規制は次第に緩和されました。
産業政策とは何ですか?
-産業政策とは、政府が特定の産業を保護したり育成したりすることを目的とした政策です。特定の産業に対して資金や外貨の割り当て、外国企業の市場参入規制などが行われました。
ホンダの自動車参入における通産省の対応はどのようなものでしたか?
-通産省はホンダが自動車産業に参入することを阻止しようとしました。既存の自動車メーカーが多いため、新規参入を認めない方針を取ったのですが、ホンダの創業者本田総一郎はこれに反発し、自力で自動車産業に参入しました。結果的にホンダは世界的な自動車メーカーに成長しました。
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