ISO/IEC 17025:2017 Decision Rules and their Application to Meeting the Requirements

Summary

このウェビナーでは、Perry Johnson Laboratory Accreditationのマイケル・クレイマーが、ISO 17025:2017の要件を満たすための決定規則とその応用について説明します。彼は、測定不確かさを考慮に入れる方法と、顧客との合意の重要性に焦点を当て、さまざまな決定規則の例とそれらがどのように適用されるかを紹介します。また、リスク管理の新たな要求事項と、ラボが柔軟で顧客のニーズを満たすための手順についても触れています。質問応答セッションを通じて、決定規則の概念に関する参加者からの疑問に答え、次回のウェビナーについても紹介しています。

Takeaways

• 🔑 ISO 17025:2017では、測定の不確かさを考慮して適合性の判定を行う際の「決定規則」を定義し、顧客と合意する必要がある。
• 🤝 決定規則は、契約レビュー段階で顧客と合意し、文書化する必要がある。
• 🎯 決定規則には、単純な合否判定だけでなく、条件付き合格や不合格などの複数の判定レベルを設定できる。
• ⚖️ 決定規則には、偽陽性(不合格品を合格と判定)や偽陰性(合格品を不合格と判定)のリスクレベルを考慮する必要がある。
• 📚 一部の試験方法や規格では、決定規則がすでに規定されている場合があり、その場合は別途の決定規則は不要。
• 🔍 測定の不確かさを無視する「単純受入れ」の決定規則を適用する場合、その旨を文書化し、偽陽性や偽陰性のリスクを最大50%と見なす必要がある。
• 📝 報告書には、適用した決定規則と関連するリスクレベルを文書化する必要がある。
• 🔄 内部顧客に対しては、結果の報告を簡素化できるが、必要に応じて不確かさの影響を追跡できるよう記録を残す。
• 🧩 顧客が適合性の判定を必要としない場合は、決定規則の文書化は不要。
• ✨ 決定規則の適用は柔軟性が求められ、顧客の要求事項を満たすために各検査機関がケースバイケースで対応する必要がある。

Q & A

決定規則とは何ですか?

決定規則とは、測定の不確かさを考慮して、規格への適合または不適合の判定をする際の基準を定めるルールのことです。ISO 17025:2017規格で新たに導入されました。

なぜ決定規則が重要なのですか?

測定値だけでは規格への適合性を適切に判断できない場合があるため、測定の不確かさを考慮する必要があります。決定規則はこの不確かさを考慮した上で適合性を判定するルールを定めるものです。

決定規則はどのように適用されますか?

契約レビューの段階で顧客と決定規則について合意し、そのルールに従って結果を報告する必要があります。単純な合格/不合格判定だけでなく、条件付き合格/不合格などの複数の判定区分を設けることもできます。

決定規則は誰が定めるのですか?

試験所または校正機関が決定規則を定め、顧客と合意する必要があります。試験方法や規格によっては、決定規則が既に定められている場合もあります。

測定の不確かさを考慮しない場合はどうなりますか?

測定の不確かさを考慮しない単純な合格/不合格判定では、不適合品を合格と誤って判定する(受入れる)リスクや、適合品を不合格と誤って判定する(拒否する)リスクが高くなる可能性があります。最大で50%のリスクがあると言われています。

決定規則は校正証明書にどのように表記されますか?

決定規則の詳細は校正証明書に記載する必要があります。判定基準となる許容範囲、不確かさの扱い方、合格/不合格の判定区分、各判定区分のリスクなどを明記します。

決定規則は内部顧客にも適用されますか?

内部顧客の場合、決定規則の適用は必須ではありませんが、後から測定の不確かさを評価できるようにしておく必要があります。外部顧客には決定規則を適用し、契約時に合意を得る必要があります。

特定の試験方法に決定規則が組み込まれている場合はどうすればよいですか?

試験方法に決定規則が組み込まれている場合は、その規定に従えばよく、別途決定規則を定める必要はありません。ただし、顧客との合意は必要です。

決定規則を適用しない場合、どのようなリスクがありますか?

決定規則を適用しないと、不適合品を誤って合格と判定したり、適合品を誤って不合格と判定したりするリスクが高くなります。このようなリスクを顧客に伝え、合意を得る必要があります。

決定規則の選択や適用に関するガイダンスはありますか?

ILACのガイダンス文書G8には、決定規則の選択や適用に関するガイダンスが記載されています。さまざまな事例や計算例が示されているので、参考になります。