どうしようもないこの世界をどう生きるか『カミュ|シーシュポスの神話』

哲学チャンネル
16 Apr 202414:24

Summary

TLDRこのビデオは、アルベール・カミュが提示する哲学的なアプローチを通じて、不条理な世界と向き合う方法について解説しています。カミュは、人生が不条理であり、我々がその中へと投げ込まれることを強調し、現代の人々が神の存在を失い、生きる意味を見つける苦しみに直面していると述べています。彼は、実存主義や宗教的な信仰が不条理に対する適切な対処法ではないと主張し、シーシュポスの神話を通じて、不条理を需要し、それに納得して生きることが幸福であると示唆しています。シーシュポスは、無限のロークを与えられても、その不条理な状況を必要としていたと解釈されており、カミュは、我々の人生も同様に繰り返しの連続であり、そのような状況を納得して生きることが真の理性の行使であると結論づけています。

Takeaways

  • 📖 アルベール・カミュはフランスの小説家、劇作家、哲学者で、アルジェリア出身です。
  • 🏆 1957年にノーベル文学賞を受賞し、その代表作には「ペスト」「異邦人」「カリギュラ」があります。
  • 🌞 カミュの作品は、アルジェリアの太陽と海のイメージが多く用いられています。
  • 🏛 シーシュポスの神話では、不条理との向き合い方が中心テーマであり、カミュは人生を基本的に不条理であると捉えました。
  • 🤝 カミュはサルトルとの論争で知られ、実存主義者と対立しました。特にサルトルとは実存主義の解釈を巡って激しい議論がありました。
  • 🚫 カミュは、目的が手段を正当化する考え方を拒否し、どんな状況でも暴力を否定する立場をとりました。
  • 🔁 シーシュポスの神話の中で、カミュは無意味な繰り返しを受け入れ、それを前提に生きることを提案しています。
  • 🚶‍♂️ カミュは、不条理に対する積極的な向き合い方として「反抗」を強調しました。これは不条理な状況を全面的に受け入れることから生じる。
  • 💡 彼の哲学は、実存主義やマルクス主義といった時代の主流とは異なる独自の視点を提示します。
  • 🎭 カミュの思想と生涯は、不条理と反抗というテーマを通して、現代にも多くの示唆を与えるものです。

Q & A

  • アルベール・カミュが提示する人生観とは何ですか?

    -アルベール・カミュは人生を不条理なものだと捉え、人生という舞台に投げ込まれたときに明確な目的やクリアゴールがないことを指摘しています。彼は、人々が生きる意味を見つけるための苦しい戦いを始めることになる現代社会において、不条理に対して直面し、それに向き合う必要があると述べています。

  • カミュが戦った思想的潮流とは何ですか?

    -カミュは、不条理や反抗というテーマについて、当時の時代を反映していたイデオロギーと戦い続けました。特にマルクス主義と実存主義との戦いが激しく、特に実存主義者の代表であるジャン=ポール・サルトルとの論争が知られています。

  • シーシュポスの神話におけるシーシュポスはどのような人物ですか?

    -シーシュポスはギリシャ神話に登場し、テッサリアを治める王の息子として生まれます。彼は神々の怒りを買ってタルタロスに連行され、その後無限のロークを与えられる罰を受けます。しかし、カミュはシーシュポスがその罰を需要していたと見なしており、不条理に対する向き合い方を象徴していると述べています。

  • カミュが提唱する不条理に対する向き合い方はどのようなものですか?

    -カミュは、不条理を需要し、それに直面して納得して生きることが、不条理に対する向き合い方であると述べています。人生が無限に繰り返されるロークのようなものであり、それに納得して生き続けることが、本当の理性の行使であると主張しています。

  • カミュの思想はどのようにして現代社会に適用されるでしょうか?

    -カミュの思想は、現代社会においても意味が失われているわけではありません。不条理な状況に対して直面し、それを受け入れて生きることが、現代の人々にも重要なメッセージです。また、理性を重んじ、無理やり意味を見出そうとするのではなく、自分が生きる意味を見つけることが大切だと言います。

  • カミュの思想に宗教的な要素はありますか?

    -カミュの思想には、宗教的な要素は直接的には見受けられませんが、シーシュポスの神話を通じて、人生に対する一定の宗教的な視点が垣間見えます。しかし、彼は理性を重んじ、自殺や希望を意図的に付与する行為は理性的な行いではないと述べています。

  • カミュの思想はどのようにして個人の人生に影響を与えますか?

    -カミュの思想は、個人が人生の不条理に対してどのように向き合うべきかについて示唆を与えます。人生に無理やり意味を見出そうとするのではなく、不条理を受け入れ、自分なりの生き方を模索することが、個人の人生にポジティブな影響を与える可能性があります。

  • カミュが賞賛する「反抗」とは何ですか?

    -カミュが述べる「反抗」とは、不条理に対する直接的な反抗ではなく、不条理を需要し、それに直面して納得して生きることを意味します。これは、人生が繰り返しのあるロークのようなものであり、それに納得して生きることが、本当の理性の行使であるという考えに関連しています。

  • カミュの思想はどのようにして社会的な問題にも適用されるでしょうか?

    -カミュの思想は、社会的な問題に対しても適用可能です。社会的な不条理に対して直面し、それに向き合うことが求められます。また、社会的な問題に対しても、無理やり解決策を見出そうとするのではなく、現実を受け入れながら対処することが重要だと言えます。

  • カミュの思想はどのようにして現代の哲学的議論に貢献していますか?

    -カミュの思想は、人生の意味や目的、そして不条理に対する向き合い方について深く掘り下げた哲学的議論を提供しています。現代の哲学的議論においても、人生に対する彼の視点は、人々の思考を刺激し、新しい洞察を与えることに貢献しています。

  • カミュの作品で登場するキャラクターの行動は、どのようにして不条理に対する向き合い方を象徴していますか?

    -カミュの作品の登場人物は、不条理な状況に直面し、それに対処する姿勢を通じて、不条理に対する向き合い方を象徴しています。彼らは、状況を受け入れ、自分なりの方法で対処することで、不条理な世界と共存を試みています。

Outlines

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📚 アルベール・カミュの人生と思想

アルベール・カミュは、フランスの小説家・劇作家・哲学者で、代表作として「ペスト」や「異邦人」がある。彼はアルジェリアで生まれ育ち、1957年にノーベル文学賞を受賞。生涯を結核と戦い、平和主義を唱えながらも、出版社からの禁止などを受け続けた。カミュは、人生が不条理であり、人々がそれに向き合う方法を探求。彼は実存主義とマルクス主義との戦いを経験し、特にジャン=ポール・サルトルとの論争が知られる。カミュは、人生に意味を与える試みを批判し、不条理を受け入れる姿勢を提唱した。

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🚫 自殺と希望、不条理への向き合い方

カミュは自殺や希望についても論じ、人生に意味がないと感じる人々の姿勢を批判。彼は自殺を思考的放棄とみなし、希望を無理やり与える試みも非合理的と断じる。カミュは、実存主義や宗教的な信仰が不条理に対する適切な向き合い方ではないと主張し、人々が不条理な人生を需要し、それに耐え抜くことこそが真の理性の行使であると述べる。

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🏋️ シュシポスの神話と不条理への「反抗」

カミュはシュシポスの神話を通じて、不条理な人生に対する向き合い方を示す。シュシポスは無限のロークを与えられても、その不条理を需要し、幸福を感じながら生きることができたとカミュは見る。カミュ自身も、不条理に耐え抜く姿勢を貫き、実存主義やマルクス主義に反発し、独自の哲学的姿勢を築いた。彼の思想は、人生が繰り返しのロークのようなものであり、それでもその状態を受け入れて生きることが大切だと強調している。

Mindmap

Keywords

💡アルベール・カミュ

アルベール・カミュはフランスの小説家、劇作家、哲学者で、代表作として「ペスト」や「異邦人」が挙げられます。彼の生涯は不条理であり、文学的な才能を持ちながらも貧困と病気と戦っていました。哲学的な側面では、不条理さと反抗のテーマに深く関わっています。

💡不条理

不条理とは、人生や世界が予測不可能で、意図や目的を持たない状態を指します。カミュは、人生が不条理であると捉え、人々がその不条理さとどう向き合うかについて述べています。

💡実存主義

実存主義は、個人の自由意志と存在の重要性を強調する哲学的な流れです。カミュは、実存主義者と対立し、人生に無理やり意味を与そうとする行為を批判しています。

💡反抗

カミュが用いる「反抗」という概念は、不条理な現実を受け入れて生きることです。シーシュポスの神話の中のシーシュポスのように、繰り返しのある苦しみにも耐えながらも、それを受け入れる姿勢をとることです。

💡シーシュポスの神話

ギリシャ神話の中のシーシュポスは、死の神タナトスを騙し、人間が死ぬことがなくなったために神々の怒りを買って罰を受けます。カミュはシーシュポスを通じて、不条理さと向き合う方法を探求しています。

💡自殺

カミュは自殺を不条理に対する向き合い方として合理的ではないと述べています。彼は、生きている人間が自殺を選ぶ際には、貫かれた論理があると信じていますが、そのような論理は存在しないと主張しています。

💡希望

カミュは、本来的に意味がない人生に希望を意図的に付与する試みを批判しています。彼によれば、希望は理性的な行いではなく、宗教的な信仰と同様に、不条理に対する間違った対応方法です。

💡マルクス主義

マルクス主義は、経済的な階級闘争と資本主義の批判を中心とする思想です。カミュは、マルクス主義と実存主義の戦いを通じて、目的によって手段を正当化する行為を拒否しています。

💡無限のローク

シーシュポスの神話の中で、シーシュポスが繰り返し行うタスクを「無限のローク」と呼びます。カミュはこれを例に、人生が無限のロークのような性質を持つと述べ、その繰り返しを納得して生きることが大切だと主張しています。

💡理性

カミュは理性を重視し、人生に無理やり意味を与えようとする行為を理性の放棄と見なしています。彼の見解では、不条理な状態を受け入れることこそが理性の行使であり、幸福への道です。

💡人生の意味

カミュは人生が本質的に意味を持たないと述べ、人生の意味を追求する哲学的な議論や宗教的な信仰を批判しています。彼は、人生を振り返った時のみ意味が見出せるとし、生き続けることで意味を発現させる必要があると主張しています。

Highlights

アルベール・カミュは、不条理な世界とその世界に対する向き合い方について語る

カミュは、人生を不条理であり、人生という舞台に投げ込まれると捉えている

近代以降、科学の発展により神の存在が遠ざかり、人々は自己の意味を見つける必要が生じた

カミュは、実存主義とマルクス主義との戦いを通じて、自己の思想を展開した

カミュは、人生に意味を無理やり見出そうとする行為を理性の放棄と位置付けている

シーシュポスの神話は、不条理に対する向き合い方を提示し、不条理を需要することの大切さを示す

シーシュポスは、無限のロークを与えられても、その不条理を需要し、幸福を感じていたと解釈されている

カミュは、人生が無限に繰り返されたとしても、その事実を納得して生きることが幸福であると述べている

カミュの思想は、自己の人生を振り返った時のみ、人生の意味を見出すと主張している

カミュは、不条理な状態を受け入れて生き続けることが、本当の理性の行使であると述べている

カミュの哲学は、不条理に対する「反抗」の姿勢を提唱し、理性的な生き方を促している

カミュの作品『異邦人』『カリギュラ』『ペスト』は、不条理な世界と向き合う姿勢を描いている

カミュの思想は、自己の人生を生き続けることで、人生の意味を見出す可能性があるとする

カミュは、人生に意味を無理やり見出そうとする行為は、理性を捨てることであり、それは間違っていると述べている

シーシュポスの神話は、不条理な人生を肯定し、それに向き合う姿勢を示す象徴となっている

カミュは、不条理に対して向き合う姿勢として、自殺や希望を付与する行為を批判している

カミュの哲学は、不条理な世界に対して理性的な姿勢を貫き、自己の生き方を肯定することで意味を見出すとする

Transcripts

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こんにちは哲学チャンネルです今回は

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アルベール神のシーシュポスの神話をした

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時期に不条理な世界とその世界に対する

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向き合い方について解説させていただき

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たいと思います最近ペストで話題になった

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神ですが実は哲学者としても非常に重要な

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仕事をした人物でもあります彼が提示する

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人生君とも言える哲学をなるべく変異な形

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で解説しますので是非最後までご視聴

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くださいそれでは本編に参ります

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[音楽]

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アルベール神はフランスの小説家劇作家

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哲学者ですフランス出身と言ってもルーツ

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はフランス領だったアルジェリアにあり彼

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の作品にはアルジェリアにおける太陽と海

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のイメージが多く用いられています代表作

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はペスト異邦人カリギュラなど1957年

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には当時史上2番目の若さでノーベル文学

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賞を受賞しています神の生涯はまさに不

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条理を感じさせるものでした生まれた家は

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裕福とは言えず父親は移民系の農業従事者

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で母親には聴覚障害があり家の中で文字の

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読みかけができる人間はいませんでしただ

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から彼の幼少期は文学よりも自然とたれる

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毎日だったとはいえ彼には才能がありまし

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た家の家計状況的に高校進学などはとても

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できなかったのですが小学校の共有であっ

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たルイジェルマンが神の才能を見抜き

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奨学金を受けて高校に進むことを家族に

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説得してくれたのです高校ではサッカーを

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始め学業も優秀で順調な生活を送ります

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しかし17歳の時に結核を発症し完結して

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しまいます26歳第2次世界大戦が始まる

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と彼は徴兵を志願しますが結核を理由に

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これを拒否されてしまいますこのように彼

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は結核と生涯付き合っていくことになり

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ました徴兵を拒否された神はその後徹底し

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た平和主義を主張します検閲により何度も

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出版社への出入りを禁止されますがそれで

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も彼は主張を曲げることをしませんでした

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ちなみに今回紹介するCシポの神話が観行

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されたのは世界大戦開始の2年後である

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1942年ですこの年彼は結核の悪化に

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よって療養生活を余儀なくされていました

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彼の人生は1960年に交通事故によって

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急に閉じられます去年47歳最後まで不

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条理な性質を持つ人生だったと言える

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でしょう神は不条理や反抗というテーマの

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も当時の時代を接見していたイデオロギー

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と戦い続けましたその中でもマルクス主義

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と実存主義との戦いは非常に私立なもの

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でした特に実存主義者の代表格である

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サルトルとの論争は激しく神サルトル論争

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として現在でも研究の対象になっています

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彼は一体何と戦っていたのでしょうか紹介

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が人段落したところでシポスの神話で語ら

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れる思想について検討していきましょう

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ポスの神話では不条理との向き合い方が

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検討されます神は人生を不条理なもので

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あると捉えました私たちはわけも分からず

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人生という舞台に投げ込まれますRPG

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ゲームなどとは違いそこに明確な目的は

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ありませんクリア目標もないし用意された

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ストーリーもないしかもそれらがないこと

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すら説明してもらえないのです私たちは

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偶然的にただそこに現れただけであって

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そういう意味で世界と決定的にしている

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このような状況を神は不条理と表現しまし

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た近代以前にはこのような不条理は顕在化

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していませんでした人々の多くはそれぞれ

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の神を信じ神が定めた意味を生きることで

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疑似的に世界と繋がりを持っていたのです

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しかし近代以降科学の力によって神の存在

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が遠ざけられますそれにより人々は別の

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文脈から意味を見つけなくてはいけなく

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なったその瞬間神のいう不条理が顕在化し

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彼らは生きる意味を見つけるための苦しい

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戦いを始めるのですサルトルなどはこの

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苦しみを自由の刑と名付けました神の時代

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実存主義という思想がヨーロッパを接見し

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ていましたキルケゴールやヤスパース

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サルトルやメルロポンティといった論者は

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世界における真実や存在における本質より

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も前に今実際にここにある存在に目を向け

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て哲学をする必要性を解きます特に

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サルトルの実存は本質に先立つという言葉

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は有名ですねには本質がないつまり私と

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いう存在においても私という存在に先だっ

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て設定されている意味のようなものは存在

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しないというわけです神もこの主張に同意

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しますしかしここから先の論理展開におい

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て彼は実存主義者と対立するのです

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サルトルは本質的に意味のない人生に対し

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てそれでも意味を付与することを目指し

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ます彼は自由の刑に処された人間は他者

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からの拘束ではなくむしろ自ら自身を拘束

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することにより内側から生きる意味を設定

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受諾することができると考えましたそして

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その思想は社会参加政治参加という方向に

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進み彼はやがてマルク主義に系統していく

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ことになります神はサルトルの結論を認め

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ませんサルトルは目的は手段を正当化する

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とし共産主義革命における暴力を肯定して

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いました神はこれに対して目的によって

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手段を正当化した瞬間から堕落が始まると

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反応し改革にけるいかなる暴力も否定す

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べきという立場を取りますそれだけでは

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ありません神はサルトルをはめとした実存

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主義者が行う意味のない人生にそれでも

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意味を付与するという行為それ自体を批判

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するのです存在に先立った本質はありえ

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ないだから私たちのせいに特別な意味は

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ないある種意味がないのが世界の摂理で

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ある実存主義者がやろうとしているのは

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摂理に背く行為であるそのような行為

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つまり世界との断絶を無理やり埋めようと

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する行為は世界との断絶をより広げる結果

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につながってしまうしたがって実存主義的

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アプローチは人間の苦痛を増幅させて

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しまうものである彼は実存主義者の主張を

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不条理に向き合っていないという意味で

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理性の法規であり哲学上の自殺であると

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断罪します確かに言っていることは分かる

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ような気もしますがでは私たちは不条理と

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どう向き合えば良いのでしょうかシシポの

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神話では不条理に対する向き合い方の中で

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有力だと思われるいくつかの方法が検討さ

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れます第1に自殺はどうか人生に全く意味

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がないのならば極論自殺しても良いはず

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ですむしろ不条理に対する向き合い方とし

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ては自殺は合理的な判断なのではない

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でしょうかしかし神は違うと言います彼は

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生きている人間が自殺に至る時そこに筋の

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通った貫かれた論理があるかを検討しその

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ようなものは存在できないことを明らかに

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しますよって自殺という判断は思考の放棄

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である神は人間に備わった理性というもの

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を重視した人ですから理性を捨て去るよう

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な選択肢を認めませんでしただから自殺と

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いう不条理に対する向き合い方は間違って

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いるでは第2に希望はどうでしょうかこれ

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については先に述べた実存主義に対する

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批判が当てはまりますね本来的に意味が

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ない人生にはそれに先立つ希望も存在して

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いませんだから希望を意図的に付与すると

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いう試みは世界の構造に対してて間違った

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対応の仕方をしていると言えそうした行為

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はむしろ世界との対立を強めますそれでも

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希望にすがろうとする姿勢は宗教的な信仰

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と何ら違いのないものでありこれは全く

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理性的な行いではないこのようにして実存

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主義も宗教も不条理に対する向き合い方と

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しては適切ではないと知りとけられます

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こうなってくるともはやどうしたら良いか

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分からなくなってきますまこのようなどう

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したら良いか全く分からない様がまに神の

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言不条理なんですけどねでは私たちは不

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条理に対して全くの無力なのでしょうか不

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条理に対して向き合う姿勢は皆無なの

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でしょうかこれに対して神は1つだけ方法

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があると言いますそれが不条理を需要する

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ことです世界は不条理であり私はその中に

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投げ込まれた偶然的な存在であるこのこと

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を丸ごと認めそれを前提に生きていくこと

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これが神が考える不条理に対する向き合い

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方です

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そしてその生き方の理想像として提示さ

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れるのがシーシュポスの神話なのです

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シーシュポスとはギリシャ神話に登場する

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人物です彼はギリシャ中部のテッサリアを

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納める王アイオロスの息子として生まれ

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ますその後兄弟のサルモネオスとの後継者

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争いのイこによってシースポは神々の怒り

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を買ってしまいました神は彼をタルタロス

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に連行するように死の神であるタナトスに

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命じますしかしシシポはタナトスを言葉

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巧みに騙しタナトスに手錠をかけ南京して

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しまいますタナトスは死を司る神ですから

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この出来事が原因で人間はどんな状態に

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なっても死ぬことができなくなってしまい

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ました結果的にゼウスとヘラの息子である

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アレスがタナトスを助けシシポスを捉える

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ことになるのですが2度も神からの怒りを

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買った彼は罰を受けることになりました

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その罰とは無限のロークです彼は巨大な岩

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を大きな山の山頂まで運ぶことを命じられ

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ます山頂付近までを運ぶと岩はまた山の麓

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まで転がり落ちていきそれを再度山頂まで

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運び始めます彼はこの労働を無限に行わ

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なければならなかったのです日本において

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のさの河と同様に一般的にこのエピソード

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はネガティブな意味で捉えられますしかし

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神はそう考えませんシーシュポスは彼の不

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条理な人生を需要していたのではないか

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無限のロクを与えられてなおそうかそれ

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ならそれで全て良しと不条理という事実を

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真光から受け止めていたのではないか

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そして不条理を需要することこそが幸福で

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あり彼は幸福な内的感覚を持った上で無限

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のロークを過ごしていたのではないかこの

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空和と比較することは難しいですが我々の

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人生にも極端に言えば無限のロークのよう

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な性質がありますわけも分からず偶然的に

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世界に投げ込まれた我々は基本的には

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繰り返しの毎日を過ごすことを強制され

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ますそれはどこか閉鎖的で終わりの見え

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ない連続ですまさにそのような状況を神は

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不条理と呼ぶわけですそしてその不条理に

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対する正しい向き合い方はその繰り返しの

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毎日をならばそれでよしと受け入れること

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でありそれはすなわち毎日を納得してただ

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生きていくことなのです神はそうした生き

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方こそ幸福なのだと主張しましたちなみに

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彼は不条理に対するこうした姿勢のことを

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反抗と表現しますシシポスの神話ではこの

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反抗に対して詳しく触れてはいませんが

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続く反抗的人間でその主張を明確に表して

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いますここで言う反抗とは不条理に対する

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直接的な反抗ではありません仮に私たちが

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不条理を需要しそれを納得してただ生きた

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場合その精神を揺らすような外的刺激が

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引っ切りなしにやってきます1番分かり

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やすいのは実存主義的な希望ですねこうし

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た自分の覚悟を揺らすような外的刺激に

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対する姿勢が反抗なのです先に触れた通り

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神は当時圧倒的なを持っていた実の主義や

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マルクス主義あるいはそれに伴った革命の

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気運に対して徹底的にノの姿勢を貫いてい

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ましたまさに彼こそがシシポの生き方を

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体現していたのかもしれませんまた神が

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記した他の著作には必ず不条理への

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向き合い方というテーマが込められてい

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ます異邦人の主人公であるムルソーは不

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条理な世界から異邦人として弾かれた人生

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を最後まで自分に正直に息抜き圧倒的な

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幸福感を感じながら死んでいきました

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ペストの主人公である理由は隔離された不

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条理な町で最後まで諦めずに働き最後には

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ほとんど全てを失ってしまったのにも

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関わらずその事実を書物に書き残すことに

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しましたそれは彼の友人であるタルーが彼

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と同じようにペストに対してただ戦い

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ペストによって命を落とす間際に

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ありがとう今こそ全ては良いのだといった

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ことつまり不条理に対する反抗の姿勢を

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高成に残したかったという同機からだった

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と考えられます哲学に詳しい方は神のこの

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主張がニーチェの英語会議とそれに対する

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超人の概念に似ていることに気づくかも

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しれません自分の人生が無限に繰り返さ

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れるとした時それでもその事実をならば

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やったるかと強く需要する姿勢まさにそれ

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は不条理に対する反抗です哲学の世界では

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それまで人生の意味が長く論じられてき

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ました人々は時に哲学的に人生の意味を

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考えまた時に教的に運命を進行するしかし

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神はそうではないと言います本質的に意味

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がない人生において無理やり意味を

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見出そうとするのは理性の行使ではなく

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むしろ理性の放棄であると仮に人生に意味

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的なものが見出せるのだとしたらそれは

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自分の人生を振り返った時のみでありそう

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いう意味で性が何であるかは実際に生き

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続けてみないとわからない自身の不条理な

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状態を受け入れてその性を生き続けること

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こそ本当の理性の行使であると神は考える

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のですね彼がシシポの神はあるいは反抗的

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人間で語った思想は時代的な要請による

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ものも大きかったのだと思われますです

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から現代においてそのまま需要することは

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難しいかもしれませんしかし彼が提示する

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不常理の性質は私たちが生きる世界にも

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当てはまるものですしその事実がある以上

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反抗という不条理に対する姿勢は私たちの

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せに何らかのヒントを与える概念なのだと

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思います以上です今回も最後までご視聴

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いただけましたありがとうございます

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チャンネル登録高評価が更新の言動力です

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是非ご協力よろしくお願いしますそれでは

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また次回お会いし

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[音楽]

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ましょう

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