物理学第14回
Summary
TLDRこのビデオスクリプトでは、物理学の分野におけるダークマター問題に焦点を当てた解説がされています。ダークマターとは、重力の影響が観測されるが、光や電波で見えない不思議な物質のことであり、宇宙の大部分を構成しているとされています。スクリプトでは、ダークマターの存在を示す証拠として、重力レンズ効果や渦巻銀河、銀河団の観測結果が紹介されています。また、ダークマターの質量を推定する3つの方法:天体の運動速度、ガスの温度、重力レンズ効果を利用する方法が説明されています。しかし、ダークマターの正体は未だに謎に包まれており、物理学の重要な未解決問題の一つとして位置しています。
Takeaways
- 🌌 ダークマターは物理学の重要な問題であり、重力レンズや渦巻き銀河の観測から存在が示されています。
- 🔍 ダークマター問題は、観測される物質の全質量(ML)と重力を及ぼす物質の全質量(MG)の不等式を表します。
- 🌀 渦巻き銀河のMGは、その回転速度から求められ、多くの場合MLの10倍以上とされる例があります。
- 🌌 銀河団の観測では、高温ガスの温度を通じてMGが推定され、MLの30から100倍に達することがわかっています。
- 🔬 ダークマターの正体はまだ不明で、光を放出しない未知の素粒子から成るとされている説があります。
- 📚 MGの求め方は、天体の運動速度、ガスの温度、重力レンズ効果など、複数の方法があります。
- 🚀 X線観測を通じて、銀河団内部の高温ガスが存在することが判明しており、これらはMGの推定に利用されています。
- 🌐 重力レンズ効果は、アインシュタインの一般相対性理論から予言され、1919年の太陽重力レンズ観測で確認されました。
- 🔭 銀河団A2218の例では、重力レンズ効果によって背景の銀河の形が歪み、これから銀河団のMGが推定されます。
- 🤔 ダークマターは物理的な粒子としてまだ検出されておらず、物理学の未解決問題の一つです。
- 📈 ダークマターの存在は、宇宙の構造と進化を理解する上で欠かせない要素とされています。
Q & A
ダークマターとは何ですか?
-ダークマターは重力を及ぼすが、光や電波では見えない未知の物質であり、宇宙のほとんどの物質を構成していると考えられています。
ダークマターが存在する証拠は何ですか?
-ダークマターが存在する証拠は重力レンズ現象や渦巻銀河の回転速度などがあります。特に、mg(重力を及ぼす物質の質量)とml(光や電波で見えている物の全質量)の不均衡が重要な指標です。
mgとmlはどのように求められますか?
-mgとmlは、天体の運動の速度、付随するガスの温度、重力レンズ効果を利用して求められます。
渦巻銀河のMGを求めるとき、ドップラー効果とは何を意味しますか?
-ドップラー効果は波長のずれを指しており、渦巻銀河の回転速度を測定する際に利用されます。
銀河団の高温ガスがX線で観測される理由は何ですか?
-銀河団の高温ガスは数千万から1億ケルビの高温を持っており、その熱エネルギーからX線を放出しているため観測されます。
重力レンズ効果とはどのような現象ですか?
-重力レンズ効果は、強い重力源の近くを通過する光の進路が曲がることを指し、その結果として遠くの天体が歪曲したり、明るくなったりする現象です。
1919年の太陽重力レンズ効果の観測はなぜ重要ですか?
-1919年の太陽重力レンズ効果の観測は、アインシュタインの一般相対性理論を検証する最初の観測であり、理論の正しさを実証しました。
ダークマターの正体は今ではどのように考えられていますか?
-ダークマターの正体は現在も謎に包まれており、光を放出しない未知の素粒子からできているとする説がありますが、具体的な粒子はまだ発見されていません。
ダークマター問題はなぜ未解決の問題とされていますか?
-ダークマター問題は未解決の問題とされているのは、ダークマターの具体的な性質や構成がまだ不明であり、観測的にも直接的な証拠が得られていないためです。
銀河団全体のmgが求められると、その結果は何ですか?
-銀河団全体のmgが求められると、mgはmlの30から100倍であることがわかります。これはダークマターが存在する強い証拠となっています。
Outlines
🌌 ダークマターの存在とその問題点
物理学の講義ではダークマターについて説明しており、ダークマター問題はmg(重力を及ぼす物質の全質量)とml(光や電波で見えている物の全質量)の不等式を表す。mgがmlより大きいという事実から、宇宙には光や電波では見えない物質が存在することが示されている。この問題は渦巻銀河や銀河団を通じて観測され、特に銀河団ではmgがmlの10倍以上であることが示されている。ダークマターの正体は不明であり、未知の素粒子からできたとされる説がありますが、現在は未解決のままである。
🌀 渦巻銀河の運動とダークマターの推定
渦巻銀河の運動からダークマターの質量を推定する方法について解説されている。渦巻銀河は遠ざかる方向に運動しているが、その一部では異なる運動が観測される。これは渦巻銀河の回転運動を示しており、ドップラー効果によりその回転速度が測定できる。渦巻銀河のmgは、この回転運動による遠心力を考慮して求められる。結果、mgはmlの約10倍とされる。
🌌 銀河団と高温ガスの観測
銀河団の観測とその内部にある高温ガスについて述べており、X線で観測されたこれらのガスは数千万から1億ケルビの高温を持っており、可視光線では見えない。高温ガスの温度から、それらが煮えきらないためにはどれだけの重力が必要かが求められる。銀河団全体のmgは、これらの観測を通じてmlの30から100倍とされる。
🔍 重力レンズ効果と銀河団の観測
重力レンズ効果について説明されており、これはアインシュタインの一般相対性理論によって予言された現象である。重力源の近くを通過する光の進路が曲げられるため、遠くの天体が見え方を変えることがある。1919年の太陽重力レンズ効果の観測が初めて確認され、これにより遠くの銀河の形の歪みから銀河団の重力を推定することができる。
🚫 ダークマターの謎と未解決の問題
ダークマターの正体は不明であり、現在も謎に包まれている。物理学者たちはダークマターが未知の素粒子からできている可能性があると仮説しているが、それらの粒子が実際に存在することが実験的に確認されていない。ダークマター問題は、現在も物理学における未解決の問題の一つであると結び付けている。
Mindmap
Keywords
💡ダークマター
💡重力レンズ
💡渦巻き銀河
💡銀河団
💡mgとML
💡ドップラー効果
💡高温ガス
💡X線
💡宇宙の不均衡
💡一般相対性理論
Highlights
ダークマター問題とはmgがMLより大きいという不等式を示す。
MGはある天体に含まれる重力を及ぼす物質の全質量、MLは光や電波で見えている物の全質量。
銀河や銀河団においてMGはMLの10倍以上あることが観測でわかった。
ダークマターは重力を及ぼすが光や電波では見えない物質である。
重力を及ぼす物質の質量MGは3通りの方法で求められる。
1つ目の方法は天体の運動速度からMGを求める。
渦巻銀河の回転速度からMGを求める例としてM51が紹介された。
ドップラー効果による波長のずれから渦巻銀河の回転速度がわかる。
2つ目の方法は付随するガスの温度からMGを求める。
銀河団の高温ガスがX線で観測され、その温度からMGが求められる。
3つ目の方法は重力レンズを利用してMGを求める。
重力レンズ効果はアインシュタインの一般相対性理論から予言された。
1919年の太陽による重力レンズ効果の測定が初めての観測的確認。
銀河団A2218の重力レンズ効果で背景銀河の形が歪むことが観測された。
銀河団全体のMGはMLの30から100倍にのぼせることがわかった。
ダークマターの正体は未知の素粒子からできているとする説が有力。
ダークマター問題は未解決の問題であり、その素粒子はまだ実験的に確認されていない。
Transcripts
皆さん
こんにちは物理学1第14回の事業を始め
ます今回はダークマターというものについ
て説明し
ます今回の内容はダークマター問題と
はダークマターが存在する
証拠重力
レンズダークマターの体は
ですダークマター問題というのは1つの不
等式で表すことができますそれ
はmgがMLより大きいという不等式
ですまずMGというの
はある天体に注目した時その天体に含ま
れる
天体に含まれる重力を及ぼす物質の全
質量
です次にmlというの
は同じ天体に含ま
れる光や電波で見えている
ものの全質量
です光で見えている
の方はいいとして電波で見えているという
のはどういうことかという
と電波を発していてその電波を観測する
ことにより存在が分かるものということ
です光や電波で見えているものとは具体的
には星やガスのこと
ですなお今回も単に星という場合には構成
のことを意味するものとし
ますmgとmlが等してれば何の問題も
ありません
がMGの方がMLよりも大きいのが問題な
の
ですmgがMLより大きいと言っても少し
大きい程度であれば観測にともう誤差の
問題であろうと片付けてしまえるかもしれ
ませ
んしかしそうではなく銀河や今回の真ん中
ありで出てくる銀河団というものの
場合MGはmlの10倍以上であることが
観測により分かってい
ますということ
は宇宙にあるほとんどの物質
は重力は及ぼす
が光や電波では見えない
ものすなわちダーク
マターであることになり
ますこのダークマターの正体は何かという
のがダークマター問題です
さてmgとmlのうちmlの方は見えて
いるものなどなので見えているものなので
いいとしてMGすなわち重力を及ぼす物質
の質量はどのように求めるのかについて
述べ
ます重力を及ぼす物質の質量の求め方には
次の3通りの方法があり
ます丸
1天体の運動の速度から
求める丸2付随するガスの温度から
求める丸3重力レンズを利用して
求める以下ではそれぞれの方法について例
を上げて説明ししていき
ますまず1番目
の天体の運動の速度から求めるという方法
について渦巻き銀河のMGを求める渦巻き
銀河のMGを求める場合を例にとって説明
し
ますここでM51という渦巻き銀河の写真
をお見せしているのは渦巻銀河がどういう
ものかを思い出していただくためであって
それより深い意味はありませ
んほとんどの渦巻銀河は我々から遠ざかる
向きに運動してい
ますそれは渦巻銀河から渦巻銀河からの光
のスペクトルを取ると波長が長い方にずれ
ていることからわかります
しかしそれはその渦巻き銀河全体からの光
のスペクトルを取った場合
です渦巻き銀河をいくつかの部分に分け各
部分からの光のスペクトルを取ると全体と
して遠ざかっているのとは別の運動が
分かり
ますそれは渦巻銀河が回転運動をしている
ということです
それと共にどれくらいの速度で回転して
いるのかということもわかり
ます回転速度が分かる
と回転運動による延伸力が求められ
ます渦巻き銀河では
重力
と回転運動による遠心力
がつり合っています
から遠心力が分かると重力が分かり
ます重力が分かる
とそれだけの重力を及ぼすのにどれぐらい
の質量が必要かが分かり
ますすなわち渦巻銀河のmgが求められ
ます以上述べた
通りドップラー効果による波長のずれ
から渦巻銀河の回転速度が
わかり回転速度
から銀河のmgが分かり
ますその結果MGはmlの約10倍である
ことが分かってい
ます次にこのスライドで2番目に上げ
た付随するガスの温度から求める
という方法について説明し
ますそのためにまず銀河の集団について
述べ
ます銀河の中には集団を形成しているもの
もあり
ます銀河の集団の
うち比較的小さなもの
含まれる銀河の個数が数個数10個程度
以下
を銀河
群比較的大きな
もの含まれる銀河の個数が数10個程度
以上
を銀河弾と言い
ます数10個程度以下とか数十個程度以上
という曖昧な表現でわかるよう
に銀河軍と銀河
団因果軍と銀河団との間に明確な教会が
あるわけではなく銀河軍と呼んでも銀河団
と呼んでもどちらでもいいような銀河の
集団も存在し
ます以下では銀河軍ではなく銀河団の方が
テーマになり
ます銀河団は宇宙に存在する最大の天体と
言え
ますその大きさは数百万高年程度です
銀河団は宇宙全体の性質を調べるのに重要
な手がかりになってい
ますこれは我々から約3億高年離れた
ところにある上の毛座銀河団の写真
ですすなわち普通に貸光線で見るとこの
ように見えるということ
です白く光って見えているものはほとんど
この銀河団に属する銀河だと思って
ください
一方これ
は同じ髪の毛座銀河団
をX線で見るとこのように見えるという図
です
X線で見るというのはこの銀河団にはX線
を発するものが付随してい
てそのX線を検出して観測するということ
ですX線
は待機に吸収されて地上に届かないので
このような観測は観測ロケットや人工衛星
に
観測ロケットや人工衛星に検出機を搭載し
て行い
ます左の写真と比べるとX線を発している
ものは可視光線では全く見えていないこと
がわかり
ますこのX線を発しているものの正体は
温度が数千万ルビから1億ケルビの高温
ガスであることが分かってい
ます先ほど述べたよう
に銀河段の内部には温度が数千万ケルビ
から1億ケルビの高温ガスが広がっていて
X線を走ってい
ますX線での観測によりこの高温ガスの
温度を知ることができ
ますその温度
から高温ガスが煮えていかないために必要
な重力の大きさを求めることができ
ますそのような重力を及ぼすためには質量
がどれくらいなければならないが分かり
ますすなわち
銀河段全体のmgが分かるの
です最後にこのスライドで3番目に上げ
た重力レンズを利用して
求めるという方法について説明します
これはA
2218という番号が付けられた銀河団の
写真
ですこの写真に写っている白く光っている
ものはほとんどほとんどがこの銀河団に属
する銀河
ですしかしよく見る
と
エコつまり円の
一部のような白い
筋エコのような白い筋がいくつか映って
いるのがわかり
ますこれらはこの銀河団に属する天体では
なくこの銀河団と方向は同じであるが
ずっと東北にある銀河
が銀河団による重力レンズという効果に
より
歪んで見えているものなの
です重力レンズはアインシュタインの一般
相対性
理論これは第6回に出てきましたが一般
相対性理論から予言された
です重力源のそばを通る光の進路が曲げ
られることに
より高原となる天体の見かけの位置が
変わって見えたり見かけの明るさが変わっ
て見えたり見かけの形が変わって見えたり
します
観測的に初めて重力レンズが確かめられた
の
は太陽による重力レンズ効果太陽による
重力レンズの測定で1919年のことでし
たこれについては2つ後のスライドで説明
します
この図で左端にあるのが高原となる
天体右端にいるのが観測車
です高原と観測車との中間的な位置
に強い重力源となる
天体すなわち
質量の大きい天体があるとし
ますこれをレンズ天体と呼び
ます光原から出た光
はレンズ天体のそばを通る時に進路が曲げ
られて観測者に届き
ますすると観測者に
はあかも像とある場所から光がやってくる
ように見えるの
ですゾと書いてある場所から光がやって
くるように見えるわけ
ですこのように見かけの位置が変わって
見えるだけで
なく見かけの明るさが変わって見えたり
見かけの形が変わって見えたりするのが
重力レンズです
1919年に測定された太陽による重力
レンズについて説明し
ます星A
や星B
が観測者から見
て太陽の背後にあるものとし
ます星Aから出た光
は太陽のそばを通る時に進路が曲げられ
ますする
と観測者にとっては見かけ上Aダッシュに
あるように見え
ます星Bもそれから出た光が太陽のそばを
通る時に進路が曲げられるので進路が曲げ
られるので見かけ上Bダッシュにあるよう
に見え
ますしかし通常はこのようなものを見る
ことはできませ
んそもそも太陽が出ているということは
昼間です昼間ですから星を見ることなど
できないわけ
ですしかし稀に太陽の背後にある星でも
見ることができる場合があり
ますそれが海気日食の時
です怪奇日食の時には太陽と観測者との間
に太陽と観測者との間
に月が入って太陽がすっ太陽がすっぽり
覆いとくされますから空は暗く
なりAダッシュ
やBダッシュの位置を測定することが
できるわけ
ですそして例えば半年後になる
と星Aや星Bは夜に出てくるようになり
ます
からそれらの芯の位置がわかります
従って太陽による重力レンズがどの程度で
あったかがわかり
ます銀河団の中にはこのスライドのA
2218のよう
により遠くに
ある背景の銀河の形が歪んで見えている
ものがあります
より遠くにある背景の銀河の形が歪んで
見えているものがあり
ますこれは銀河団による重力レンズのため
であり
ます銀河の形の歪み具合
から銀河段の重力が銀河弾のの重力がどの
くらいなければならないかが
分かりそれに
より銀河全体
の重力を及ぼす物質の質量すなわちmgが
わかり
ますこのスライドで2番目に上げ
た付随するガスの温度から求める
という方法
や3番目に上げた重力レンズを利用して
求めるという方法に
より銀河団全体のmgが求められまし
たその結果MGは
ml銀河団の場合のmlとは
銀河団に含まれるココの銀河の光って見え
ている質量の
はということになります
がMGはml
の30から100倍であることがわかり
まし
た以上渦巻銀河や銀河団にいてmgがML
よりはるかに大きい例について述べてき
まし
たこれらはダークマターが存在する証拠で
あると言え
ますそれで
はダークマターの正体は何かということに
なるわけです
がこれについては分かっていませ
んあえて一言述べるとすれば
決して光を放出することのない未知の素
粒子からできているという説が有力
ですしかしそのような素粒子は理論的には
存在するかもしれないということになって
います
が実験的に存在が確かめられたことはあり
ませ
んしって結局も分かっていないのと同じと
いうこと
ですダークマター問題は未解決の問題なの
です今回の内容
はダークマター問題と
はダークマターが存在する
証拠重力
レンズダークマターの正体はでした
それではこれで今回の事業を終わります
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