オンラインCiRAツアー2021【Part2】財団の意義プレゼン編
Summary
TLDR京都大学iPS細胞研究財団は、京都大学iPS細胞研究所の研究を産業化するための組織です。彼らは、効率的な医療用細胞の製造方法や品質評価技術を開発し、公益財団法人として、医療用iPS細胞を製造、保管、評価し、非営利機関には無償、企業には低価格で提供しています。また、FiT施設を運営し、iPS細胞の製造と品質試験を行う一方で、将来的には自動化を通じて細胞製造の効率化と低価格化を目指しています。
Takeaways
- 🏫 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の運営は、京都大学iPS細胞研究財団が引き継いでおります。
- 🌐 財団の英語名はCiRA Foundationで、略称はCiRA_F(サイラ・エフ)です。
- 📊 財団は、効率的な医療用細胞の製造方法や技術を産業化するための研究を行っています。
- 🔗 財団は公益財団法人として、医療用iPS細胞の製造、保管、品質評価などの技術を産業界に提供しています。
- 🆓 財団は大学などの非営利機関には無償、企業などの営利機関には低価格でiPS細胞を提供しています。
- 🏢 FiT施設は、再生医療用のiPS細胞の製造や品質試験を行う場所です。
- 🔬 iPS細胞ストックプロジェクトでは、移植時に免疫拒絶反応が起きにくい細胞型の組み合わせを持つドナーさんを特定し、iPS細胞を製造・ストックしています。
- 🧬 2022年にはゲノム編集を施した医療用細胞のストックの提供を開始予定であり、現在準備中です。
- 👤 my iPSプロジェクトは、患者自身の血液からiPS細胞を作り、それを治療に適した細胞へと変化させて移植することを目指しています。
- 🏥 2025年4月までに、my iPSプロジェクトの拠点を大阪の中之島に置くことが決定し、展示や見学ルートを整備予定です。
Q & A
京都大学iPS細胞研究財団はどのような組織ですか?
-京都大学iPS細胞研究財団は、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の研究をサポートする公益財団法人です。
財団が運営しているFiT施設とは何ですか?
-FiT施設は、医療用iPS細胞の製造や品質試験を行う施設であり、財団が運営しています。
iPS細胞技術の医療応用において、財団はどのような役割を担っていますか?
-財団は医療用iPS細胞の製造、保管、品質評価などの技術を産業界に橋渡しする役割を担っています。
財団が提供するiPS細胞はどのようにして製造されていますか?
-財団では、効率のよい医療用細胞の製造方法に関する技術を産業化につなげる研究が多く行われており、製造管理室からモニタリングされています。
my iPSプロジェクトとはどのようなものですか?
-my iPSプロジェクトは、患者自身の血液からiPS細胞を作り、それを治療に適した細胞へと変化させて移植することを目指すプロジェクトです。
iPS細胞ストックプロジェクトとはどのようなものですか?
-iPS細胞ストックプロジェクトは、移植時に免疫拒絶反応が起きにくいとされる特殊な細胞の型を持つドナーさんからのiPS細胞を製造し、ストックを保有するプロジェクトです。
財団が製造するiPS細胞はどのような基準で提供されていますか?
-財団は、大学などの非営利機関には無償、企業などの営利機関には低価格でiPS細胞を提供しています。
my iPSプロジェクトの拠点はどこに設立される予定ですか?
-my iPSプロジェクトの拠点は、2025年4月までに大阪の中之島に設立される予定です。
財団が提供するiPS細胞は現在どのような研究や臨床試験で使用されていますか?
-財団が提供するiPS細胞は、研究や臨床試験で使用されており、例えば水疱性角膜症の治療や血小板減少症の治療に使われています。
新型コロナウイルス感染症の研究において、財団はどのような活動を行っていますか?
-財団は、新型コロナウイルス感染症から回復した方から提供された血液からiPS細胞を樹立し、研究機関や企業に無償で提供することで、感染症のメカニズムの解明や治療法の開発を支援しています。
Outlines
🏥 京都大学iPS細胞研究財団の紹介
京都大学iPS細胞研究財団(CiRA_F)は、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)から運営を引き継いだ組織です。財団は、iPS細胞の製造、ストック、品質評価などの技術を産業界に橋渡しする役割を担っています。研究では、効率のよい医療用細胞の製造方法を開発し、再生医療の分野への参入を促進しています。また、財団は再生医療用のiPS細胞を非営利機関には無償、営利機関には低価格で提供しています。
🔬 FiT施設と製造管理室の役割
FiT施設は、iPS細胞の製造や品質試験を行う場所で、京都大学iPS細胞研究財団が運営しています。製造管理室では、製造環境の温度湿度や細胞培養機械を24時間監視、記録し、異常が発生した際には管理者に即時通知するシステムがあります。これらの施設は、iPS細胞の品質を保証し、患者への安全な提供に貢献しています。
🧬 iPS細胞ストックプロジェクトとmy iPSプロジェクト
京都大学iPS細胞研究財団は、iPS細胞ストックプロジェクトを進めており、免疫拒絶反応が起きにくい細胞型の組み合わせを持つドナーさんからiPS細胞を製造し、ストックしています。また、ゲノム編集を施した医療用細胞のストックも提供予定です。さらに、my iPSプロジェクトでは、患者自身の血液からiPS細胞を作り、その治療に適した細胞へと変化させて移植することを目指しています。これにより、免疫拒絶反応のリスクを最小限に抑えながら、患者に合わせたオーダーメイドの細胞を提供することが可能となります。
🌐 財団の活動と未来の展望
京都大学iPS細胞研究財団は、大阪の中之島にmy iPSプロジェクトの拠点を置くことを決定し、展示や見学ルートを整備する予定です。また、財団が製造するiPS細胞ストックは、研究や臨床研究治験で使用されており、水疱性角膜症の患者への移植や血小板減少症の患者への血小板輸血治験など、多岐にわたる医療への応用が見込まれています。新型コロナウイルス感染症からの回復者からのiPS細胞を研究機関や企業に無償提供し、発症メカニズムや治療法の開発に貢献しています。財団は、これからも研究所と協力しながら、iPS細胞技術の研究と医療への応用を進めていきます。
Mindmap
Keywords
💡FiT
💡iPS細胞
💡CiRA Foundation
💡再生医療
💡ゲノム編集
💡my iPSプロジェクト
💡細胞製造
💡移植
💡免疫拒絶反応
💡医療用iPS細胞ストック
Highlights
京都大学iPS細胞研究所から運営を引き継いでおります
京都大学iPS細胞研究財団は公益財団法人として活動
財団は効率のよい医療用細胞の製造方法を研究
財団は再生医療用のiPS細胞を無償または低価格で提供
財団は医療用iPS細胞の製造や保管、品質評価技術を産業界に橋渡し
FiT施設は再生医療用のiPS細胞を製造・品質試験を行う
製造管理室では製造エリアの様子を24時間監視
iPS細胞ストックプロジェクトは日本人40%の免疫タイプをカバー
2022年にはゲノム編集医療用細胞のストック提供を開始予定
my iPSプロジェクトは患者自身のiPS細胞を治療に使用
my iPSプロジェクトはオーダーメイド方式でiPS細胞を提供
自動培養技術を用いて細胞製造の時間とコストを削減
my iPSプロジェクトの拠点を大阪の中之島に置く
iPS細胞ストックは研究や臨床研究で使用されている
新型コロナウイルス感染症の研究にもiPS細胞が使用されている
財団は研究用iPS細胞ストックを50プロジェクト58機関に提供
臨床用iPS細胞ストックは27プロジェクト28機関に提供
Transcripts
よろしくお願いいたします
今まさにご覧いただいたFiTという 施設なんですけれども
京都大学iPS細胞研究所から
私たち京都大学iPS細胞研究財団 が
現在は運営を引き継いでおります
それではそもそも私たち財団は どのような組織なのか
ご紹介させていただきます
名前は、京都大学iPS細胞研究財団
これは私たちのロゴです
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)に対して 私たちは京都大学iPS細胞研究財団
英語名はCiRA Foundation
略称はCiRA_F(サイラ・エフ)でございます
名前が大変似ておりますので
ちょっとここでは研究所と財団 という呼び方にさせて頂ければ
と思います
こちらのまず左側の図をご覧ください
京都大学、そしてその中に研究所 がありますけれども
そこから医療用の細胞の製造や ストックなど
一部の機能を分離して設立した のが
当財団でございます
研究所がですね iPS細胞そのものに関する
例えば基礎的な研究です とか
iPS細胞を使った病気の治療方法 の研究ですとか
そもそもの病気のメカニズムなど について研究を行っております
それに対して私たち財団でもですね 研究は行っているんですけれども
例えば効率のよい医療用細胞の 製造方法
などですね
技術を産業化につなげる研究が 多くなっております
続いてはiPS細胞技術の医療応用 の部分に関して言いますと
研究所と財団の関係はこの図の ようになっております
例えば研究所はですね
国立大学法人の研究所として
革新的な基礎研究ですとか
次世代を担う若手研究者の育成 などを行っておりまして
それに対して私たち財団はですね
公益財団法人として
医療用iPS細胞の製造や保管
品質評価などの技術を
産業界に橋渡しする役割を担って おります
例えば財団で製造した 再生医療用のiPS細胞はですね
大学などの非営利機関には無償 で
また企業などの営利機関には低価格 で提供をしております
また iPS細胞などが適切な品質である かどうかということを確認する
試験なども
受託をしております
私たち財団としましては
こういった 橋渡しの活動によって
iPS細胞を使った研究ですとか
医療応用の分野への参入を促す ことで
再生医療業界全体の活性化につながる という風に考えております
私たちは最適なiPS細胞技術が
必要とする患者さんのもとに
一日も早くそして良心的な価格 で届くよう
日々頑張っているんです
またですねそもそもなぜあのFiT の運営などを
研究所から分離したのかと思う 方もいらっしゃるかもしれません
このまま運営ができたのではない かというご質問もよくいただく
ことがございます
研究所ではですね元々2015年から
iPS細胞ストックを医療機関や研究機関
また企業に提供していたんですけ れども
研究の進展に伴って
iPS細胞ストックの需要拡大が 見込まれるように なりました
もともと大学というのは研究や 教育を行う場ですので
これらの需要に応じて これからもですね
品質が保証された 医療用のiPS細胞 を
長期的にかつ安定的に供給し続ける のは難しいという面がございました
また様々な機関との連携を強化 しまして
研究開発に関する情報を集約して
そして広く共有することが
再生医療の促進につながるのではない かという風に考えました
そういったところから国と京都大学
そしてiPS細胞研究所の関係者の 間で議論が重ねられて
公益財団法人設立という結論に 至りました
それではそもそもですね
私たち財団はどこにあるのかという ご質問も
いただくことが大変多いんですけ れども
場所は研究所の中にございまして
CiRAと建物を共有しております
先ほどご覧いただいたのが
こちらの再生医療用のiPS細胞を 製造したり
品質試験を行ったりする施設
FiTでございます
このあともこういった施設を
いろいろご覧いただくんですけ れども
どうしても今回お見せできない ものの重要なものが
1つございますので
ご紹介させていただければと思います
それがこちらですね
製造管理室と呼んでおります
ここではすべての製造エリアの 様子を
モニタリングしております
どんなものをかと言いますと
温度湿度などの製造環境はもちろん なんですけれども
細胞の培養に使う機械を24時間 監視して
記録もしております
またここで何か異常がありました ら
いつでもメールで管理者に一斉 通報されるような
仕組みになっております
このように大変重要な役割を担 っているお部屋なんですけれども
今回はお見せできないためこの ようにご紹介させていただきました
それではこのような施設を使って 私たち財団がどのようなものを
作って
そして今後どんなことを行おう としているのかを
ご紹介させていただきます
まずは冒頭でもご紹介がありました がこちらからご紹介させていただきます
国から多大なご支援をいただいて 進めております
iPS細胞ストックプロジェクトでございます
全体の40%の日本人にとって
移植した際に免疫拒絶反応が起き にくいとされる
特殊な細胞の型の組み合わせを持つ ドナーさんを
日本赤十字社ですとか骨髄バンク のご協力のもと探し出しまして
お願いをして血液をいただいて
そしてiPS細胞を製造し
ストック をしております
この日本人の40%がカバーできる というのは
日本が島国であるために 細胞の型が似ている人が
ほかの国 に比べて比較的多いから なんですね
ただ日本だけではなくて
しっかり と世界の大半をカバー していくため
世界の皆さまにもお使いいただく ために
続いてこの隣にございます
遺伝子を改変するゲノム編集を 施した
医療用の細胞のストックも
2022年には提供開始を予定しており まして
現在準備を進めております
ちなみに研究用はすでに提供を 行っております
続いて3つ目の柱になりますのが
一番右にございます
my iPSプロジェクトと呼んでおります
これはですね 患者さん自身の血液から
iPS細胞を作りまして
それを患者さんの病気の治療に 適切な細胞へと
変化をさせてそして移植をする といった
そういった医療の提供を目指しております
これによって自分の血液から 自分用の細胞を
作るわけですので
先ほどもご紹介がありましたように
免疫拒絶反応のリスクを
最小限にすることができると考えて おります
このご説明は繰り返しとなります けれども
こちらの左2つの図では
既製品の洋服をあらかじめ準備 して
低価格で提供するというイメージ で
あるのに対して
こちら右側
2025年ごろからの提供を目指す
my iPSプロジェクトでは
毎回オーダーメイドの洋服を準備 するという
イメージになります
ただ毎回オーダーメイドにしている と
どうしてもこれまでの製造方法 やスピードでは
その時まさにiPS細胞が必要な患者 さんに
早く低価格で届けられなくなってしまう
懸念がございます
その問題を解決するために
当財団で取り組んでいるのも
こちらのmy iPSプロジェクトなん ですね
現在は人の体に移植できるレベル の
品質の担保されたiPS細胞を製造 するにあたって
手作業で
こちら3作業員と書いてはいます けれども
数名1グループで実施しております
この何人かというのは作業内容 によって
異なっております
また現在では
年に3回ほど製造する
3ラインと言ったらいいのでしょうか
3回ほど製造するのが精いっぱい のため
my iPS細胞にするのであれば
年間3名分しか作れない
ということになってしまいます
3名分ですね
またこれにかなりの時間と人数 を要するため
1人分の細胞を作るのに現在の方法 では
数千万円ほどかかることになります
これを2025年には自動で培養すること によって
右の図となります
細胞製造の時間や人件費を削減 しまして
より多くの細胞を安く皆様にお届け できるよう
研究開発に取り組んでおります
こちらに関しては
もしかしたら最近のニュースで
見てくださった方もいらっしゃ るかもしれません
2025年4月までにはですね
このmy iPSプロジェクトの拠点を
大阪の中之島にございます
未来医療国際拠点に置くことを 先日決定しまして
発表もいたしました
ここでは今後皆様に見学に来て いただけるような
展示ですとか見学ルートも
整備したいと考えております
まだこちらのルートの整備という のは
数年先にはなりますけれども
みなさまぜひ見学の日を
楽しみに待っていていただければ
嬉しいです
こちらのニュースはですね
こんな風に取り上げていただき ました
これは例としてここに書かせて
いただいたのですけれども
iPS財団 my iPS細胞の製造拠点を
2025年4月までに大阪中之島へ
というものですね
またですね私たち財団が製造している
iPS細胞ストックは
様々なところで現在
研究ですとか臨床研究治験に
使用されておりまして
たとえば最近ですと
2つ目になるんですけれども
このようなニュースも出ました
角膜が濁って視力が低下する
水疱性角膜症
の患者さんに移植するという
慶応大のチームの臨床研究計画 が
厚生労働省の部会で了承されました
京都大学iPS細胞研究財団が備蓄 している
iPS細胞を使います
というニュースがございました
その他にもですね
この下になりますけれども
ベンチャー企業であるメガカリ オン
これはiPS細胞から血小板を作っている
企業さんなんですけれども
止血をするための血小板が減少 して
出血が止まりにくくなる
血小板減少症の患者さんに
当財団のiPS細胞ストックから作った
血小板を輸血する治験を
行うことになりました
こういった細胞は
研究室で使用する研究用の細胞 とは
異なっておりまして
例えば患者さんの体に移植できる レベル
これはiPS細胞から分化させたあと の
お話なんですけれども
そのあと患者さんの体に移植できる レベルの
ものを作る必要がございますの で
スタッフは現在
製造場所は完全にクリーンの状態 で
最新の注意を払って
日々細胞に向き合っております
6月末現在でこれまでに
研究用iPS細胞ストック ですと
50 プロジェクト58 機関
研究用ゲノム編集iPS細胞ストック は
14 プロジェクト13 機関
臨床用iPS細胞ストック は
27 プロジェクト28 機関
に提供をしてきました
またそのほか
私たちが取り組んでいることと しまして
新型コロナウイルス感染症から 回復した方から
血液を提供していただきまして
樹立したiPS細胞を
研究機関や企業の皆様へ無償で 提供する活動も
研究所と協力しながら行っております
このiPS細胞を様々な機関の皆様 に
使っていただくことによって
新型コロナウイルス感染症の
例えば発症のメカニズムですとか
重症度が異なる原因などを
いち早く解明することにつながり
適切な診断方法や治療法が見つかる ことを
願っております
まだまだ私たちは活動を開始した ばかりの
新しい組織なんですけれども
これからも研究所と協力をしながら
がんばってまいりますので
皆様ご協力また応援のほど
よろしくお願いいたします
以上ご紹介とさせていただきます
ありがとうございました
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