Is Aging Reversible? A Scientific Look with David Sinclair | David Sinclair | TEDxBoston

TEDx Talks

15 Mar 202214:15

Summary

TLDRこのプレゼンテーションでは、老化科学と寿命延長に関する最新の研究成果について紹介されています。特に、老化を病気として捉え、遺伝子やエピジェネティクスがどのように老化に影響を与えるかに焦点を当てています。講演者は、老化のプロセスを逆転させる可能性を持つ技術の進展について語り、特にNMNやエピジェネティクスの修正が若返りに与える影響を紹介しています。今後、老化を遅らせ、健康な長寿を実現するための新たな方法が登場することに大きな期待が寄せられています。

Takeaways

😀 人間の寿命は150年まで延びる可能性があり、科学技術の進歩により、未来にはさらに長生きできるかもしれない。
😀 加齢は単なる自然現象ではなく、医学的な病気と捉え、治療や予防が可能であると考えている。
😀 加齢を遅らせ、健康寿命を延ばすためには、現代の技術を駆使することが重要である。
😀 「エピゲノム理論」によると、加齢はDNAを取り巻くエピゲノムの「傷」によるもので、これを修復することができれば加齢を逆転させることが可能になる。
😀 加齢に関する研究は急速に進展しており、1960年代〜1980年代生まれの人々は、長生きできる技術の恩恵を受けるだろう。
😀 生命科学の進展により、加齢による疾患（認知症、がん、心疾患など）を克服し、老化を逆転させる可能性がある。
😀 シルツインという遺伝子群が加齢を防ぎ、健康を維持するための重要な役割を果たす。これらの遺伝子は、飢餓や運動、断食といった環境ストレスに反応して身体を守る。
😀 エピゲノムとは、DNAの上にある化学的なマーク（メチル基）によって制御され、これが細胞の機能に影響を与える。
😀 エピゲノムの傷を取り除くことができれば、加齢を逆転させ、健康な状態を取り戻すことが可能となる。
😀 未来の医療技術として、DNAを再プログラムすることで動物の加齢を逆転させることに成功しており、この技術は人間にも応用される可能性がある。
😀 「年齢を逆転させる」技術は既に動物実験で実証されており、人間の記憶や認知機能を回復させる可能性もある。

Q & A

講演者が提案する『老化は医学的な状態である』という主張の背景には何がありますか？
-講演者は、老化が世界中の病気や苦しみの90％を占めると述べ、一般的に『老化』とされている現象が病気として捉えられるべきだと主張しています。老化を自然なものとして放置するのではなく、他の病気のように医療技術を適用すべきだと考えています。
遺伝子の『エピゲノム』とは何ですか？
-エピゲノムは、DNAの上にある化学的な修飾を指し、特定の遺伝子がどの細胞でオンまたはオフになるかを決定する役割を持っています。これは、細胞が自分の機能を維持するために重要であり、エピゲノムが乱れることで老化が進行するとされています。
『エピゲノムのスクラッチ』とはどういう意味ですか？
-『エピゲノムのスクラッチ』は、エピゲノムの構造が損傷を受けること、つまりDNAを覆う修飾が乱れることを指します。この損傷が積み重なることで細胞の機能が低下し、老化が進行すると考えられています。
『情報理論による老化』とは何ですか？
-情報理論による老化は、エピゲノムの損傷（スクラッチ）が老化の原因であるとする新しい理論です。この理論では、エピゲノムの情報が乱れることで細胞が正しく機能しなくなり、最終的に老化が進行するという考え方が提案されています。
『サーチュイン』は老化にどう関与していますか？
-サーチュインは、環境のストレス（例えば、運動や断食）に反応して細胞を保護する遺伝子群であり、老化を遅らせる働きがあるとされています。これらの遺伝子が活性化されると、老化の進行を遅らせることができる可能性があります。
『エピジェノムの修復』は老化の逆転にどう繋がるのでしょうか？
-エピジェノムの修復は、DNAの上にある化学的な修飾を元に戻すことを意味し、これにより細胞の老化が逆転する可能性があります。修復されたエピゲノムは、若い細胞のように機能することが期待されており、老化の進行を遅らせるまたは逆転させることができるとされています。
NADブースターとは何ですか？
-NADブースターは、サーチュインの働きを活性化させる分子です。これによりサーチュインが効果的に働き、老化を遅らせる可能性があります。NMN（ニコチンアミドモノヌクレオチド）などのNADブースターが研究されています。
老化逆転のための技術はどの程度進んでいますか？
-老化逆転の技術は急速に進んでおり、マウスを用いた実験では、特定の遺伝子を活性化することでマウスの老化が逆転し、若返った証拠が示されています。また、ヒトの組織でも再プログラムによる老化逆転の可能性が示されています。
『ヤマナカの遺伝子』とは何ですか？
-ヤマナカの遺伝子は、成人の皮膚細胞を初期の胚細胞のような状態に戻すことができる6つの遺伝子です。この技術は2016年にノーベル賞を受賞し、再生医療や老化逆転の研究において画期的な成果を上げています。
老化の逆転技術が将来的に人間に適用される可能性はありますか？
-現時点ではマウスでの実験が主ですが、将来的にはこの技術が人間にも適用される可能性があります。特に、エピゲノムの修復や再プログラミング技術は、老化を逆転させ、脳の機能回復や記憶の再生にも応用が期待されています。