【シン・ニホン 2023：安宅和人】生成AIで起きた3つの変化／AIを議論しすぎ／世界の2大課題は「地球との共存」と「人口減少」／日本の勝ち筋は「物魂電才」／米中は「電魂物才」／ロボットは日本が勝てる

Summary

日本の慶應義塾大学環境情報学部教授の安宅和人氏は、新著『新日本2023』の最新動向を語る。AI時代の到来により知的生産のUIが激変し、従来の労働が圧縮されるなど大きな変革期を迎えていると指摘。一方で、地球との共存と人口問題こそが真の課題であり、AIを議論するよりもこうした問題に取り組むべきだと主張する。また、日本が強みを持つ分野としてロボティクスを挙げ、リアルな世界とサイバーを融合した新たな産業への挑戦を提言する。

Takeaways

• 🤖 AIとデータ時代の到来を予見し、それによる社会や産業の変化について浅田和人教授が語る。
• 🚗 自動運転技術の進化や、GPTなどによる知的作業の自動化が人々の生活や仕事に与える影響を議論。
• 📈 日本がデジタルトランスフォーメーションを遂げるための国家戦略としてのAIの組み込み方についての考察。
• 🌍 地球との共存や人口減少問題を、AIや技術進化の議論とは別の重要な課題として提起。
• 🔍 情報処理技術の進化がもたらす経済やメディア産業への影響、特に検索エンジンや情報摂取の変化に焦点を当てる。
• 🚀 新たな技術革新が日本経済にもたらす可能性と、過去のトランジスタの例を引き合いに出し、そのチャンスを活かす方法を模索。
• 💡 AI技術やその他のデジタル技術が、具体的な社会問題の解決にどう貢献できるかの議論。
• 🤔 日本の技術革新と産業の未来について、教育や人材育成の観点からも考察。
• 🏭 産業用ロボットやAIを活用した新しいビジネスモデルや産業の形成についての考察。
• 🌱 環境問題や持続可能な社会構築へのAIやテクノロジーの役割と、それによる産業の変革についての議論。

Q & A

新日本の書籍で、安宅さんは何を予見していましたか?

AIとデータ時代の到来を予見していました。当時はまだ GPT などの生成 AI が実用化される前でしたが、すでにその影響を察知していたようです。

AI の発展によって、どのような変化が起きていると安宅さんは述べていますか?

3つの大きな変化を挙げています。1つ目は知的生産の UI が激変していること。2つ目は AI が人間の作業を大幅に代替・改善する可能性があること。3つ目は、インターネットメディアやサーチの情報提供方法が変容しつつあること。

AI を国家戦略に組み込むことは可能でしょうか?

安宅さんは楽観的ではありません。AI の基盤となるインターネット産業や膨大なデータ、コンピューティングリソースなどを一から構築するのは難しいと考えています。むしろ、既存の基盤の上に特定の用途に徹底的に特化させていく戦略が重要だと述べています。

AIスタートアップが日本から生まれる可能性はあるでしょうか?

可能性はあると考えられていますが、顕著なリーダー人物がいまいちピンと来ないと言っています。才能だけでなく莫大な資金も必要で、高い見極めと踏み込みが求められるそうです。

AIが解決すべき本当の課題は何でしょうか?

AI 自体よりも、地球との共存と人口減少社会においてどのように社会を回していくかが本当の課題だと述べられています。

人口減少問題の解決策として、どのようなことが提案されていますか?

ロボットやエネルギー分野への注力が示唆されています。特に人間の命を大切にするようなロボティクス分野への挑戦が提案されています。

日本が今後伸びていく可能性のある分野は何でしょうか?

トランジスタの時代のように、日本が世界を主導できる分野は、リアルなものづくりを基盤として、サイバー技術を乗せていく「ぶっこん弁済型」の企業だと考えられています。

安宅さんが強調する、日本の強みは何ですか?

リアル感情や体験にこだわり、それらを形にする情熱が日本人の強みだと考えられています。リアルな物づくりの魂を大切にし、それにサイバーな技術を乗せていくことが重要だと述べられています。

日本の新しい方向性を示すために何が必要でしょうか?

突き抜けたスタートアップ企業が一つでも出てきたら、新しい方向性が見えてくると考えられています。特にエネルギーやロボット分野など、リアルとサイバーを組み合わせた分野が有望視されています。

子供の頃からどのようなことを意識づけることが大切でしょうか?

10歳くらいから未来について妄想することが大切だと提案されています。自分はどう生き延びるつもりかを考えさせ、解決の方策を語れるような教育が重要だと述べられています。