講演2 「日本人の読み書き能力1948年調査のナゾ」(横山詔一)/第18回NINJALフォーラム
Summary
TLDR1948年にGHQの提案で行われた日本人の読み書き能力調査は、日本人の能力が高いとする「常識」の科学的根拠とされてきた。しかし報告書を見ると、正常な社会生活に必要な文字言語能力を持つ人は6.2%しかいなかった。この「常識」の妥当性を検討するためには、オープンサイエンスの推進が重要である。
Takeaways
- 😀 1948年のGHQによる「読み書き能力調査」は日本のリテラシー調査の出発点
- 😊 報告書では日本人の識字率が低く、「正常な社会生活に必要な読み書き能力」は6.2%だと結論づけている
- 🤔 しかし後の研究では日本人の読み書き能力が高いという「常識」が定着した
- 😮 報告書の内容と「常識」が大きく食い違っている理由を検証する必要がある
- 📖 報告書を参照できるようオープンサイエンスの推進が重要
- 😐 90点満点でないと識字者と見なさないのは基準が厳しすぎるのでは
- 📝 白紙提出者がゼロ点とされているが、単純に読み書き能力がないとは限らない
- 😕 金田一など関係者の記憶違いもある程度あるのではないか
- 🤨 後の1954-56年の文部省による調査は地域・年齢層が限定されている
- 🌟 国語研などが最近も読み書き支援活動を展開している
Q & A
1948年の「読み書き能力調査」はどのような経緯で行われたのでしょうか?
-GHQの民間情報教育局(CIE)の提案により、日本人の読み書き能力を科学的に調査し、日本語のローマ字化の可否を判断する目的で実施された。
「読み書き能力調査」の結果、日本人の識字率はどの程度でしたか?
-報告書では、ゼロ点の完全な非識字者は1.7%でしたが、「正常な社会生活に必要な文字言語能力」を持つ識字者は6.2%に過ぎないと結論づけています。
なぜ、日本人の識字率の「常識」と1948年調査の結果にギャップがあるのでしょうか?
-原本を直接読んだ研究者が少ないことが大きな要因です。オープンサイエンスの推進により原典へのアクセスを容易にすることが重要だと思われます。
1948年の「読み書き能力調査」はどのような意義があるのでしょうか?
-社会調査の手法やランダムサンプリングの先駆的事例として高く評価されており、リテラシー調査や大学入試センター試験など、多くの研究・制度の出発点となった。
白紙回答の人はゼロ点とされているが、なぜ白紙回答をしたのでしょうか?
-自信のない選択肢に丸をつけることへの抵抗感や、調査そのものへの反発などの要因が考えられる。回答態度が変化すればゼロ点にはならなかった可能性が高い。
90点満点の人を識字者とする定義は妥当でしょうか?
-1問の不注意で識字者から外れることになるため、基準が厳しすぎると思われる。むしろ80点以上を識字者とするなどの定義が適当だと考えられる。
1948年調査後、日本人の読み書き能力を測定する同様の調査は行われたのでしょうか?
-1954年から1956年に文部省主導で国民の読み書き能力調査が実施されたが、全国規模ではなく、結果も公表されず、1948年調査ほど重視されなかった。
国立国語研究所では最近、読み書き能力に関するどのような取り組みをしているのでしょうか?
-夜間中学での読み書き教育支援活動を実施するなど、1948年以来の読み書き能力の学び直し促進に向けた取り組みを進めている。
1948年の読み書き能力調査報告書の原本はどこで入手できるのでしょうか?
-国立国会図書館や国立国語研究所などに所蔵されているほか、国語研のサイトから画像データで閲覧可能である。
読み書き能力とSDGsの目標の関係はどのようなものだと考えられますか?
-SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」の中で、読み書き能力の向上が明示的に掲げられている。読み書き能力はSDGs達成に深く関わる基本的な要素だと位置づけられている。
Outlines

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