(NHK)剣道 ドキュメントにっぽん 「心で闘う120秒~剣道・日本最難関試験に挑む~」 1997 6放映 (Kendo,Examination of Eight Dan)

Tomoyuki U.
11 Jan 201848:54

Summary

TLDR京都で毎年5月に開催される剣道八段審査は、合格率が極めて低い1%を切ること珍しくない、日本最難関の試験です。721人の受験者たちが、実技試験、剣道の形、筆記試験をクリアしなければならない。元全日本チャンピオンの石田健一さん(48歳)は5度目の挑戦で、厳しい審査を突破。78歳の宮本海さんは24回目の挑戦に失敗しても、八段への情熱は冷えません。このビデオでは、彼らの闘いと精神性に焦点を当て、剣道の厳しさと深さを描いています。

Takeaways

  • 🗡 剣道八段審査は日本で最も合格が難しい試験の一つであり、合格率は1%を切ることが珍しくありません。
  • 📅 八段審査は毎年5月に京都、11月に東京で行われ、実技試験によって最も高い段位を決定します。
  • 📚 剣道の段位は初段から十段までがあり、八段はその中で最も高いです。
  • 📉 司法試験の合格率が約3%にもなっても、八段審査の合格率はそれより低いことが多いです。
  • 👥 今年の八段審査には全国から721人の受験者が参加しましたが、戦後の八段合格者は400人にすぎません。
  • 🏋️‍♂️ 八段に合格するためには、46歳以上かつ七段合格後8年以上の実践が求められます。
  • 🎓 八段の境地は人間として円熟しなければ到達できないとされ、厳しい受験資格があります。
  • 🏅 元全日本チャンピオンである石田健一さんは、八段審査に5度挑戦し、今回は5度目の挑戦で一次審査に合格しました。
  • 🕗 審査は朝9時から夜9時まで行われ、実技の一次二次審査、剣道の形、筆記試験をクリアする必要があります。
  • 👴 高齢の剣士も挑戦しており、78歳の宮本海さんは24回目の挑戦を行っていますが、今回は一次審査で不合格しました。
  • 📝 筆記審査では、剣道の心構えや自分の考え方について述べる問題が出題され、石田さんは素直な心を重要視しました。
  • 🎉 八段合格者の発表では、石田健一さんを含む6人が合格し、合格率は0.8%でした。

Q & A

  • 日本で最も合格が難しい試験は何ですか?

    -日本で最も合格が難しい試験は剣道八段審査です。

  • 剣道八段審査はなぜ「日本最難関」と呼ばれていますか?

    -剣道八段審査は極端に低い合格率があるため、「日本最難関」と呼ばれています。

  • 剣道八段審査の合格率はどのくらいですか?

    -剣道八段審査の合格率は1%を切ることが珍しくありません。

  • 石田健一さんは何歳で元全日本チャンピオンを獲得しましたか?

    -石田健一さんは33歳で元全日本チャンピオンを獲得しました。

  • 石田健一さんはなぜ八段審査に合格できないと感じていますか?

    -石田健一さんは選手時代に染み付いた勝つ為の剣道が八段合格の障害になっていると感じています。

  • 宮本海さんは何歳で八段審査に挑戦していますか?

    -宮本海さんは78歳で八段審査に挑戦しています。

  • 宮本海さんは八段審査に挑戦した回数はいくつですか?

    -宮本海さんは八段審査に24回目の挑戦をしています。

  • 剣道八段審査の受験資格にはどのような厳しい条件がありますか?

    -剣道八段審査の受験資格には、46歳以上であり、七段に合格してから8年以上修業を積んでいることが条件です。

  • 剣道の稽古では何が最も重要ですか?

    -剣道の稽古では、相手の次の動きを読む洞察力が最も重要です。

  • 石田健一さんは八段審査に合格しましたか?

    -石田健一さんは八段審査に合格しました。

Outlines

00:00

🗡 剣道八段審査の挑戦

京都で毎年5月に開催される剣道八段審査は、日本で最も合格が難しい試験の一つであり、合格率は1%を切ることが珍しくありません。721人の受験者が集まり、戦後の400人以上の剣士しか八段の資格を取得していない。審査は朝9時から夜9時までで、実技試験、剣道の形、筆記試験をクリアしなければならない。厳しい受験資格もあり、46歳以上かつ七段合格後8年以上の修業が必要。かつて全日本選手権を制覇した石田健一さん(48歳)は、八段審査に4度挑戦し失敗しており、五度目の挑戦が迫っています。

05:04

🏆 元全日本チャンピオンの挑戦

石田健一さんは、15年前の全日本チャンピオンとして、日本の剣道の頂点に立つことがあった。しかし、八段審査に4度挑戦しても合格できず、5度目の挑戦で一次審査に向かっています。石田さんは毎日の早朝稽古を続け、警察学校の剣道師範として働いています。過去の勝利を乗り越え、八段審査の稽古で一撃を繰り出す技術を磨いています。しかし、八段審査では会心の一撃を打ち込むことが求められるため、過去のスタイルが障害となっています。

10:05

👴 高齢剣士たちの挑戦

宮本海さんは78歳で、24回目の八段審査に挑戦しています。高齢剣士たちが八段審査を受け続ける理由は、剣道の力が高齢でも伸び続けるとの信念にあります。宮本さんは3回静岡県代表の大将として国体に出場し、食品会社を辞め後に自宅の庭に道場を建て、剣道に打ち込むようになりました。八段審査を受けるたびに、心構えや自分の弱点を書き記しています。

15:07

🎯 心の修行と稽古

宮本さんは、昭和の剣聖である持田盛二の言葉を支えに、心の修行を続けています。持田盛二是明治に生まれ、剣道十段を送った剣士で、89歳まで道場に立ち続け、剣道の真髄について語り継がれています。宮本さんは、心を働かさずに修行することで、相手の心が自分の心に映るようになり、八段審査を通じて心の修行を試しています。

20:12

🏅 石田健一さんの一次審査

石田健一さんの5度目の挑戦で、一次審査に向かっています。過去の全日本選手権優勝の経験を胸に、審査に臨みます。しかし、過去の優勝は彼に重荷をかけ、審査での心の動揺を抑えることが課題となっています。石田さんは、審査で会心の一撃を放つことに集中し、一次審査を突破することができたかどうかが分かります。

26:04

🗡 宮本海さんの24回目の挑戦

宮本海さんは、78歳で24回目の八段審査に挑戦し、一次審査に向かっています。心の修行の成果を試すことで、稽古を通じて心の乱れを抑え、120秒間の立ち合いに耐えることが求められています。宮本さんは、稽古を通じて心の問題を克服し、八段審査での突破を目指しています。

31:20

🎉 石田健一さんの一次審査合格

石田健一さんは、5度目の挑戦でようやく一次審査を突破しました。心の準備を整え、稽古の成果を生かして審査に臨み、合格を果たしました。しかし、宮本海さんは24回目の挑戦では一次審査で不合格となりました。石田さんは、次回の二次審査に向けて集中力を研ぎ澄ませています。

36:23

🥋 二次審査の激闘

721人の受験者のうち、一次審査に合格した60人が二次審査に進みました。石田健一さんを含む54人が剣道形の審査をクリアし、14人の審査員に十分な票を獲得する必要があります。石田さんは、中心線と間合いを奪い合い、心理戦を繰り広げながら、会心の一撃を放つことに集中します。

41:27

🏆 八段合格者の誕生

二次審査の結果、石田健一さんの受験番号が合格者の中にも含まれています。合計6人の合格者が発表され、合格率は0.8%と極めて低い水準です。石田さんは、筆記審査で素直な心を持つことの重要性を強調し、八段合格を果たしました。一方、宮本海さんは、来年70代の最後の年に八段審査に再挑戦することを誓い、道場に立っています。

Mindmap

Keywords

💡剣道

剣道は日本古来の武道の一つで、竹刀や甲冑を用いて行われるスポーツでもあります。このビデオでは、剣道の精神と実践が中心となるテーマであり、特に八段審査という厳しい試験を通じて剣道の精神性と技術の高さが描かれています。

💡八段審査

八段審査とは、剣道において最高の段位である八段の資格を取得するための審査です。ビデオでは、その合格率が非常に低く、剣道の頂点に立つためには極めて困難であることが強調されています。

💡合格率

合格率は、試験や審査において合格した割合を指します。ビデオでは、八段審査の合格率が1%未満と極めて低いことが示され、その難易度を物語る重要な指標となっています。

💡修行

修行とは、精神的または身体的な鍛錬を意味し、ビデオでは剣道の八段に到達するために必要な長年の鍛錬と精神的な努力を指しています。修行の頂点に立つのは、剣士5000人に1人と言われるように、至難の業とされています。

💡心の修行

心の修行とは、精神的な修練を指し、ビデオでは剣道の修行における心の鍛錬が重要であることが示されています。特に宮本海さんのように、高齢でも心の修行を続け、八段審査に挑戦している剣士がその精神を象徴しています。

💡実技試験

実技試験は、実践的な技能を試験する形式の審査であり、ビデオでは剣道の八段審査において、実技試験が合格者の選出に重要な役割を果たしていることが語られています。

💡稽古

稽古とは、武道や技芸などで行われる練習のことを指し、ビデオでは石田健一さんや宮本海さんのように、日々の稽古を通じて技術や精神を磨いていることが強調されています。

💡中心線

中心線は、剣道において竹刀の先端が相手の喉元を向くべき中心的な位置であり、ビデオでは稽古や審査で中心線の取り合いが技術の重要性と心理戦の要素として触れられています。

💡間合い

間合いとは、剣道で相手との距離を制御することです。ビデオでは、間合いの取り合いが技術の1要素として重要で、少しでも距離を読み間違えると技が失敗する可能性があることが示されています。

💡会心の一撃

会心の一撃とは、剣道で決め手となる一つの攻撃です。ビデオでは、八段審査においては会心の一撃を打ち込むことが、審査員に認められるレベルの技術を有する剣士であることを示す重要な要素となっています。

💡剣道形

剣道形とは、剣道で基本的な技を形として演じる演武です。ビデオでは、八段審査の筆記試験に剣道形に関する問題が設けられており、剣道の形を理解することが技術の証明の一つとなっていることが示されています。

Highlights

日本で最も合格が難しい試験の一つは毎年5月に京都で開かれる剣道八段審査である。

八段は実技試験によって最も高い段位を決めるため、合格率は極端に低く、1%を切ることが珍しくない。

今年は全国から721人の受験者が集まったが、戦後400人にしかこの合格証を手にできる人がいない。

八段審査は朝9時から夜9時まで行われ、厳しい受験資格がある。

石田健一さん(48歳、元全日本チャンピオン)は八段審査に4度挑戦し、5度目が本年度。

石田さんは毎朝4時半起床し、始発電車で勤務先へ向かい、一人の早朝稽古を続けている。

石田さんは選手時代の経験を活かし、八段審査に備えるための稽古に取り組んでいる。

宮本海さんは78歳で、24回目の挑戦を試みる。高齢の剣士たちが八段審査に挑む姿勢が示されている。

宮本さんは自宅の庭に道場を建て、食品会社を辞め後、剣道に打ち込む。

宮本さんは戦争と戦後の混乱で10年以上竹刀を握ることができず、58歳で八段の受験資格を得た。

石田さんは大会2ヶ月前に長男が小児ガンで助からないと告げられた経験を持ち、その気持ちを稽古に活かしている。

石田さんは一次審査で5度目の挑戦で初めて合格し、その喜びと感動を表現している。

宮本さんは78歳で24回目の挑戦も一次審査で終わったが、8段審査25回目の挑戦を誓っている。

石田さんは二次審査に合格し、筆記審査での答えに素直な心を重要視している。

八段合格者の発表で、合格率は0.8%にとどまり、石田健一八段は道場に立つ姿勢を示している。

Transcripts

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日本で 最も合格が難しいといわれる試験が 毎年 5 月 京都で 開かれています

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試験は 剣道 八段審査

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初段から十段まである 剣道の段位の中で 八段は

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実技試験によって合格者を 決める 最も高い 段位です

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5 月は 京都 11 月は 東京で 審査が 行われています

play01:25

八段審査が 日本最難関と 呼ばれる理由は 極端に低い その合格率に あります

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難関と誰もが認める司法試験ですら 合格率はおよそ 3%

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一方 八段審査は 1% を 切ることが 珍しくありません

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日本一の 狭き門を 目指して 今年は 全国から

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721 人の 受験者が 集まりました

play02:00

剣道人口は 全国で 200万人 と 言われています

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その中で この合格証を 手にできた人は

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戦後 400 人 に すぎません

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八段は 剣士5000 人に 1人が ようやく 到達できる 修行の頂点です

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審査 は 朝 9 時 から 夜 9 時 までの 長丁場 です

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合格するには 超難関とされる 実技の 一次 二次 審査に加え

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剣道の形 と 筆記試験の 関門を くぐり抜け なければなりません

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審査には 厳しい 受験資格を 課せられています

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受験できるのは 早くて 46 歳からです

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しかも 七段に 合格し てから 8 年以上 修業を 積んでいることが 条件です

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この 条件の 背景には

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八段 の 境地 は

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人間として円熟しなければ 到達できない という 考えが あります

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「大阪」

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「石田先生」

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受験者の中に かつて 全日本選手権を制覇し 日本一の座に輝いた 剣士の姿がありました

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石田 健一さん 48 歳  元全日本 チャンピオンも

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八段審査には すでに4度失敗しています 今回が五度目の挑戦となりました

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いよいよ 実技の一次審査です 例年 受験者の 9 割が この審査で 不合格になります

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受験者は 審査員の前で 二分間の 立ち会い を 二回行います

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1 回 120 秒の 短い時間の中で 自分の剣道が 八段に  ふさわしいこと を

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審査員に 納得させなければ なりません

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一次の審査員は 会場ごとに 7 名ずつ

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いずれも 八段になって 15 年以上の 実力経験 ともに 兼ね備えた 剣士です

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合格するには 7 名のうち 5 名の票を 得なければ なりません

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審査基準は 試合の 勝ち負けでは ありません

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不動の精神力が 磨かれてきたのか

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攻撃の気迫は 本物か

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審査員は 受験者の 心 と 技 の 両面を 凝視しています

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偶然の 1 本では 評価の対象に なりません

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15 年前の 全日本 チャンピオン

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選手として 日本の頂点を極めた 石田 健一さんが

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この 一次審査には これまで 4度挑戦して 一度も 合格できませんでし た

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八段の審査に 備えて

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石田さんは たった 一人の 早朝稽古を 毎日続けてきました

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朝 4 時半 起床

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始発電車で 勤務先へと 向かいます

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選手時代の 石田さんは

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足さばきの速さと どんな 体勢からでも 技を繰り出せる 身体の柔軟さで 抜きん出ていました

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33 歳で出場した 全日本選手権では 体力とスピード

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それと 鋭い勝負勘で 対戦相手を 次々と 打ち破っていきました

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(白旗二本 面が入りました)

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(石田選手の二本勝ちです)

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(ああ あれだけ攻勢 攻勢に氏家に攻めさせておいて)

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(パッと決めましたね)

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石田さんは

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選手時代に 染み付いた 勝つ為の剣道が 八段合格の 障害になっていると 考えています

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石田さんは 学校を出て 大阪府警に 入り

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機動隊に 所属しながら 剣道の選手生活を 送りました

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現在は 警察学校の 剣道師範を 務めています

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(バシン)※竹刀の音

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(バシン)※竹刀の音

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(バシン)※竹刀の音

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石田さんは 小手先の 技を捨て

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気合いを込め た 一撃だけを 繰り出そうと

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人形を 叩き続けてきました

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選手時代は 打ち込みの 強さよりも 相手より 一瞬でも早く

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面 や 小手に 竹刀を 当てる技術を 磨いてきました

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しかし

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八段審査では

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相手を崩して

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会心の一撃を 打ち込まない限り

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審査員に 認めて もらえません

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石田さんは 普段 大阪府警の 現役選手に 稽古をつけています

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この道場からは 数々の 全日本チャンピオンが 生まれ

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今年行われた 世界 選手権でも 日本を優勝に導く原動力となりまし た

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石田さんは 身長171cm

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運動選手としては 恵まれた 体格ではありません

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しかし 稽古では

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180 センチを 超える 20 代 30 代 の 現役選手に 一歩も 引けを取りません

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剣道では 相手の次の動きを読む 洞察 力が 勝負を 左右し ます

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若さよりも 経験の深さがものをいう 競技とされる 所以です

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「面!」

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現役選手を相手に 気合いを込めた一撃を 試す一方で

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石田さんは 先輩の八段からの指導も 受けています

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剣道では 竹刀を交えた瞬間から 2 つのせめぎ合いが 始まります

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中心線 と 間合い の 取り合いです

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中心線の取り合いとは 自分の喉元に向けられた 幅3センチの 竹刀の先端を

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払いのけたり 戻されたりする 微妙な駆け引きです

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相手に 中心線を 取られたまま 技を出せば

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自分が そのまま 突かれてしまいます

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間合い は 相手との 距離の 取り合いです

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1 センチでも 距離を 読み間違えれば 技は 死んでしまいます

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間合い と 中心 線   一撃を放つべき瞬間は 2 つの探りあいの中に 眠っています

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石田さんは

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偶然ではない 狙い澄ました 技のタイミングを

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体に 覚え込ませようと してきました

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剣道で 求めるのは

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僕ら 偉そうなこと 言えませんけども

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気 剣 体 一致の打ちを みんな求めて やってる訳です

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気と剣と体ですね

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それが一つになれば 十の打ちになるんですよ

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「パーン」 という感じにね

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それを 目指して やってる わけな んですけど

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(それが出れば・・・?) 取れます

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出そうと思って 出るもんじゃないですね これねぇ

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その辺が 難しいんですね 出そうとして 意識して 硬くなると 余計出ませんしね

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石田さんのこれまで4 回の受験は 試行錯誤の連続でした

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1 回目は 選手時代そのままに 遮二無二 打ちかかって 不合格になりました

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2 回目は 八段は風格だと聞き 形にこだわりすぎて 失敗しました

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3 回目からは 気合いを込めた 一撃に的を絞って 臨みまし たが

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意識しすぎて 硬くなり まし た

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5度目の挑戦 の今回 石田 さんは

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稽古の成果 が 無意識に出るよう 集中しようとしていました

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八段審査を 20 年以上 受け続けている 剣士もいます

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静岡県 清水市に住む 宮本 海さんは 78 歳

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毎年一度も休まず 今回が 24 回目の 挑戦となりまし た

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「75歳から86歳の方」

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「こちらへ 一列に並んでください お願いします」

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高齢になっても 八段審査を 受け続ける 剣士は 数多く い ます

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今年の 受験者

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721 人 の うち 70 歳以上は

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112 人を 数えました

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宮本さんは 高齢者の中で 最も八段合格に 近い受験者と みられています

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去年は 77 歳で 一次 審査に 合格

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一次合格の 最高齢記録を 塗り替えました

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しかし 惜しくも 二次審査で 不合格になりました

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「80(歳)以上がね 8人 いるの 今度」

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「8人? あんた 仲間か?」

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「いやいや そこまで 老いてない まだまだ」

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「もう少し」

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「もう 仕上がっても いい頃 なんだから」

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「仕上がってるつもりが 仕上がってないんだよ」

play13:55

「邪魔でしょうがないよ」

play14:00

「下り坂になってきたよ もう」

play14:01

(「まぁ いいよな」)「いやぁ お互いに」

play14:04

「頑張ってやってこうよ」(「まぁ ほんと」)

play14:14

宮本さんは 国体出場 3 回  いずれも静岡県代表の 大将でした

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60 歳で 食品会社の 役員を辞めたあと 自宅の庭に 道場を建て

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剣道だけに 打ち込んできました

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「歩いちゃダメ 歩いちゃダメ」

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「出るときも  下がるときも」

play14:31

「下がるときも スッスッと こう下がるんだよ」

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現在は 子どもから大人まで 40 人の門弟を指導し 清水市剣道連盟の 会長も努めています

play14:45

宮本さんは 戦争と戦後の混乱で 10 年余り 竹刀を握ることができず

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58 歳で 八段の受験資格を 得ました

play14:56

65 歳で 初めて 一次審査に 合格

play14:59

70 歳を 過ぎ てからも 3 回 難関の 一次合格を 果たしています

play15:06

宮本さんは 高齢になっても 剣道の力は 伸び 続けると信じて

play15:12

たゆまず 稽古を 続けてきました

play15:17

その 信念を 支えてきたのは

play15:19

昭和の剣聖と呼ばれ 80 歳を過ぎても 現役選手を 寄せ付けなかった

play15:25

ある 剣士の言葉でした

play15:30

持田 盛二は 明治に生まれ 剣道十段を送ら れた 不世出の剣士 です

play15:37

89 歳で倒れるまで 道場に立ち続け 剣道の真髄についての 言葉を残しました

play15:46

私は 剣道の基礎を 体で覚えるのに 50 年かかった

play15:51

50 を過ぎてから 本当の修行に入った 心で剣道をしようとしたからである

play15:58

60 歳になると 足腰が弱くなり

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心 を働かし て 弱点 を 強くするように つとめた

play16:06

70 歳になると 体全体が弱くなり 今度は心を動かさない 修行をした

play16:13

心 が動かなくなれば 相手の心が こちらの鏡に映ってくる

play16:21

宮本さんは

play16:23

自分の心の修行が どのくらい進んだかを 試す場として

play16:27

八段審査を 受け続けて きました

play16:33

自然の中に

play16:34

自然体で しかも 相手を攻める

play16:37

で 攻めて むこうが おっこれじゃたまらん 切羽詰まって 打とう

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こういう形にさせなきゃいけないっていうんで

play16:44

そういう点が 足んないと言う事ですな

play16:47

だから 腹が

play16:50

もっと出来なきゃいけないと思うんですけども

play16:54

オドオドしちゃうんだよ

play16:56

打ちたくなっちゃう

play16:58

平然として しかも 相手よりも

play17:01

気持ちも 打ちも 相手よりも勝っている

play17:04

と いうことになれば 文句ないんですよね

play17:09

それが 劣るんだよ

play17:11

劣るか 互角

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悪いのに 互角なんだよ

play17:21

宮本さんは 78 歳の今も 自分の弱点を 少しでも克服しようと

play17:27

県内の道場を 訪ね歩いています

play17:37

宮本さんが しばしば訪ねては 稽古をつけてもらっているのが

play17:40

2 歳年上の 羽賀忠利 八段です

play17:47

二人は 同じ剣の道を歩む仲間として 尊敬 しあってきました

play17:59

剣道は 生涯の修行だと 考える宮本さん

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いくつになっても 人の教えを 謙虚に受け入れる 澄んだ心が 修行の基本です

play18:13

宮本 七段 78歳   羽賀 八段 80歳  ともに喜寿を超えた 2 人の稽古が 始まります

play18:27

面ー!

play18:30

急ぎすぎちゃうんだよ

play18:31

もっと もっと もっと試合やってるようなつもりで

play18:34

それでチャンスを 突かないと

play18:40

あ、 ダメだ

play18:42

急いじゃダメだよ 年寄が

play18:46

もっと ゆっくり ゆっくり

play18:49

そう それよ

play18:52

こっちが攻めてないとできない

play18:54

そう 先(せん)の気がなければ だめ

play18:56

もう一本 おねがいいたします

play18:58

こっちの 攻めができてない

play19:00

先(せん)の気で 攻めて 攻めて

play19:02

相手が来たときに パッといけばいい

play19:04

それが 受け身になったら だめなんだ

play19:07

いつでも攻める 先の気を忘れない

play19:11

この日 羽賀さんは 攻撃の土壇場で 打ち急いでしまう 宮本さんの動きに 注意を与えまし た

play19:19

相手の竹刀を かわして 中心線を 外し

play19:23

決定的な間合いを奪って 無心の一撃

play19:27

この基本を ひたすら繰り返しました

play19:32

それを 忘れないように

play19:34

ただ あと一本いける

play19:36

練習します ありがとうございました

play19:51

先だってから ご注意があったことは

play19:55

頭の中には しょっちゅう 命じて

play19:58

稽古毎に 少しでも

play20:00

思い出しては 気を付けてやるように

play20:04

する訳ですね

play20:05

一つでも ものになったら 有難いと思っておりますけどね

play20:12

難しい しかし

play20:14

まぁ もちろん 永遠に難しいわけですけどもね 永久に難しい

play20:22

難しいや 本当に

play20:32

わずか 120 秒間 の 攻防

play20:35

一次審査では

play20:37

毎回  受験者の 10 人のうち 9 人が 振るい落とされています

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受験番号 117 - A

play20:50

元全日本チャンピオン 石田 健一さんの審査が 迫ってきました

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石田さんには はやる気持ちを ぎりぎりに抑えて戦った 忘れ られない 体験がありました

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「剣道日本一」

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「10分間の 戦いが 始まりました」

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「主審は あべさん です」

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「右が小坂 左が石田」

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15 年前の 全日本選手権 決勝

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石田さんは 自分が優勝する姿を かけがえ のない命に

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しっかりと 刻みつけておき たいと 願っていました

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「互いに 一歩も 譲りませんねぇ」 「そうですねぇ」

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大会 2 ヶ月前 石田さんは 長男の 康二君が 小児ガンで助からないことを 告げられていました

play22:00

小学校に上がったら 剣道を仕込んでみたい  1人 息子への夢でした

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石田さんは 病床の康二君を励まし たい一心で 大会に臨みました

play22:16

ま こんな考え方で 稽古したら ダメなん 分かってますけどね

play22:22

うちの息子を殺すのは・・・ 殺すというか 病気? 病気で死ぬんですけど

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「相手」や と

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くそぅ と

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めちゃくちゃ 行きましたもん

play22:34

その めちゃくちゃ こんなんじゃなくてね

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そういう気持ちでね 稽古しましたもん

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やっぱり 優勝っていうのは 子供にとっては それが全てですのでね

play22:44

楽しみにしてましたしね 「お父さんは強いんだ」っていうね

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子供が もう 亡くなる そういうことに

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神様が 少しでも ご慈悲があったら

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優勝させてもらえたら もう 一生感謝するなぁ なんて

play23:02

そういう気持ちもありましたよ

play23:04

ただ やっぱり見てられなかったですね

play23:11

「小手ぇ」

play23:14

「んん 石田の動きが だいぶ活発になってきました」

play23:24

「小手ぇ!」

play23:25

「小手です!」「う~ん きまった!石田の 小手が きまりました」

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「石田 初優勝です」

play23:32

「出てくるところを 出小手 ですね」

play23:34

「出小手ですね 手元が上がりましたから」

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「剣道日本一は 石田健一 練士6段の上に 輝きました」

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石田さんが 優勝カップを持ち帰って3ヶ月後 病魔との闘いの末に 康二君は 亡くなりました

play24:08

だから 一番 あの子の

play24:12

ため に なったんじゃ ないですかしら

play24:14

優勝と いうことは ね

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で そのまま その思い出を持って

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頑張って いきましたのでね

play24:24

その選手権 とらせてもらったのもね

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子供の おかげでしょ

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それを使って

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「使って」って言ったら 言葉悪いですけどもね

play24:33

だから 選手権とった ときにね

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ええ恰好 言うんじゃないですけど

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お前みたいな 弱いのにね

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選手権 とらしたるからね

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しっかり その 肩書 使ってね

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剣道 ひろめなさい って

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言われたような 気がしてね

play24:50

だから それの 一環ですわね 八段というのも

play24:53

ずっと

play24:56

そういう 思い は あります

play25:10

左から入場した 石田さん 2 分間 120秒 1 人目の 立ち合いです

play26:03

「小手ぇ! 面!」

play26:15

前半から 中盤 へ 決定打無しか と 思われた 1分27 秒目

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「小手ぇー!」

play26:21

相手が中心線を 取り返そうと 竹刀を寄せてきた瞬間

play26:25

石田さんの 小手が 炸裂していまし た

play26:27

「小手ぇー!」

play26:30

会心の一撃でし た

play26:55

2 人 目の相手は 東京警視庁の 阿部傳七(でんしち) 七段

play27:00

石田さんより 5 センチ以上 上背がある 大型剣士です

play27:15

「胴ー!」

play27:22

「小手ー!」

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開始早々 石田さんは 気合十分の 胴と小手を 相手に浴びせていました

play27:32

「小手ー!」

play27:33

しかし 阿部 七段 も 一歩も引かず 小手を取り返しては 尚も果敢に 攻めたててきました

play27:48

「面ー!」

play27:59

「面ー!」 「胴ー!」

play28:07

「やめ!」

play28:19

立ち合いの内容は 五分五分でした

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このとき石田さんは 今回も一次審査の合格は 難しいと感じていました

play28:50

「先生 どうでしたか」 うーん 相手強かったねぇ

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最初 まぁまぁ 自分のね あれは 出来たけど やっぱり

play28:59

相手もやっぱり 強いですもん

play29:01

崩さへん ですもんね

play29:03

で やっぱり 色気出るところは やっぱり やられますから

play29:06

で いいとこ 小手 シュッと 入られたですね

play29:09

「1人目ですか?」 いや2人目

play29:11

1人目は まぁまぁ で 気分はね

play29:13

いつも先生に言われているように

play29:15

気分だけは負けんように と

play29:17

それだけ やりましたんでね

play29:19

気分は 良かったと思います ただ

play29:22

攻 操作 無かった だけでね また きまらなかっただけでね

play29:25

打つのも あれ 外れてますけど

play29:27

行くのは 行ってますからね ガーン と

play29:29

当たったら バコン です

play29:32

「たら」ですけどね 今度は それが当たるようにね

play29:34

また 頑張ります

play29:50

去年 最高齢で 一次審査に合格した 静岡の宮本 海さん

play29:56

心 の修行の成果を 試す

play29:58

24 回目の 審査が 始まります

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宮本さんは 120 秒間 無心で攻め抜くことを 心がけていました

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宮本さんの 1 人目の相手は 普段めったに対戦することがない 二刀の使い手でした

play30:42

宮本 武蔵 によって 体系化された 二刀流は

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小刀で 相手を 惑わしながら

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隙を見つけて 長刀を打ち込んできます

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片手を伸ばして打ってくるため 一刀の相手よりも 間合いの取り方が 難しいとされています

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宮本さんは 二本の竹刀で 絶え間なく 攻めてくる相手に 自分のペースが 崩されないよう 耐えていました

play31:33

「やめ!」

play31:39

心の乱れを 必死に抑え込みながら 戦った 1人目 120 秒の 立ち合いが 終わりまし た

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宮本さんは 八段審査を 受けるたびに

play31:53

剣道の心構えや 自分の弱点について 書き記してきました

play32:00

記述の要点は いつも 立ち会いの土壇場で 制御することが 難しい 心 の問題でした

play32:11

剣は自分の 心 を映す鏡

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腹のできていないことが 最大の欠点である 自分は

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精 一杯の 心 を込めて 相手に 当たることに 努め

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少しでも 心 の動揺を なくすように 心掛けていきたいと思う

play32:45

去年 最高齢で この一次審査を突破した 宮本さんにとって 正念場の 2人目の戦いです

play33:11

「1本 ここで 欲しい」

play33:13

「そのあと 面を 1本」

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「いい所をなぁ っていう気持ちがね やっぱり 欲が出ちゃうんだよ ねぇ」

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「やる前はね 気持ちを落ち着けて と思って」

play33:24

「で そんなに 惑わされないように」

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「どんな相手でも ひとつ 自分の構えを崩さずに」

play33:32

「相手に」

play33:34

「打たせる と 」

play33:35

「いうところと 思うんだよ 思ってるんだけどもね」

play33:38

「その場になってみるとねぇ どうしてもねぇ」

play33:40

「打ち気に 走っちゃうんですよ」

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「もうちょっと 落ちついた いい 稽古したかったなぁ って いう 感じが 強かったですねぇ」

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石田 健一さんは 自分の審査が終わると すぐに着替えて 帰り支度を始めていました

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会場で 見守っていてくれた 奥さんに

play34:33

残念ながら 5度目の挑戦も 難しかったことを 告げました

play34:37

まぁまぁ 気分 だけは

play34:40

お腹 痛くなったよ

play34:42

お腹 減ったよ こっちは

play34:43

私は お腹痛くなったよ

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しんどいやろ

play34:49

「やろうか」とは思わへんやろ

play34:53

そらまぁ 精一杯行けたよ

play34:58

ま そのうち また よろしくお願いします

play35:01

空振りでも ええから その 打つ と いうね

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思い切ってでるという あれは 自分なりに やったつもりですよ

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それはやっぱり あの

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見てる人はね あの

play35:11

友達ね

play35:12

本音で言うてくれる人は 「石田選手 良かった」

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「当たらんけど」 あの

play35:17

「勢いが違う」と

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「出が違う」と

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ああいうとこ 褒めてもろうたら 嬉しいですね

play35:22

また 今までのやつ 続けるだけですもんね

play35:25

そのうち ね

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審査本部では

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721 人の受験者の 一次審査の結果が集計されていました

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「只今 2階正面 2階正面のところで」

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「午前の部の合格発表を行っております」

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6会場に分けて行わ れた一次審査の結果は 会場別に貼り出されていました

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石田さんは 第一会場

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受験番号は 117-A でした

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石田さんの 番号がありました

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「おめでとうございます! 良かった!」

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「良かったです もう一つ 頑張ってください!」

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うん 気迫で 目一杯 またやるわ 「はい 応援してます!」

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石田さんは 5度目の挑戦で初めて 一次審査に 合格しました

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宮本さんの 受験番号は 660-A

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発表用紙にその番号は ありませんでした

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敗軍の将 兵を語らず

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「先生 また お受けになられるんですか」

play37:11

まぁ まだね もう少し

play37:14

もう少し 頑張って 頑張らせていただきます

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721人の受験者の中で 一次審査に合格した人は 60人でした

play37:43

受験者の 90%を超える

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661人が 次回への決意を新たに 会場を後にしていきました

play37:53

「先生 お疲れさまでした」 ああ どうも

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ご苦労様でございました ご無礼しまして

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残念しました いい所を見せられなくてね

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宮本 海さん 78歳 24回目の八段挑戦は 一次審査で終わりました

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二次審査の準備が始まったのは 夕方の 6 時を回っていました

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石田さんは 集中力を もう一度研ぎ澄まそうと していました

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実技の一 次審査に合格したのは 60 人

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そのうち 6 人 が 剣道形の審査で脱落しました

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二次審査に進んだのは

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721 人 の受験者の中で 54人でした

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二次審査は 一次と同じく 120秒の立ち合いを 2回行います

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審査員は 倍の14人に増やされ このうち 最低10人の票を得なければ 合格できません

play39:20

八段審査で最も熾烈だといわれる 二次審査が始まりました

play39:44

石田さんは 新たに 102ーA の 受験番号をつけて 審査に向かいました

play40:02

1 人目は

play40:03

中心線 と 間合いの奪い合いで しばらくは こう着状態

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相手の 心 の動きを読む 心理戦 です

play40:25

「小手! 面ー!」

play40:29

石田さんは 結果を恐れず 会心の一撃を 放つことのみに 集中していました

play40:35

「面ー!」

play40:43

「面―!」

play40:49

「小手ー! 面ー!」

play41:00

残り 30 秒

play41:02

相手が 攻撃に出てきました

play41:05

一方 石田さんは 相手が打ってくる瞬間を 狙っていました

play41:13

まず 相手の小手をかわしての面が きまりました

play41:26

「小手ー!」

play41:29

「やめ!」

play41:29

そして 終了直前 再び 相手が出てきたところを 石田さんの小手が 決まり まし た

play41:43

「小手ー!」

play42:15

2 人目 相手は 奇しくも 一次審査で石田さんを苦しめた 東京の 阿部七段でした

play42:33

お互いに これまで 精進のすべてを賭けた この日最後の一戦です

play42:39

焦って勝ちを 急いだ方が負ける 我慢 比べの120秒です

play42:58

「面!」  「面ー!」

play43:01

終盤 相手が襲いかかってきたところを 石田さんは 冷静にさばいて 面を決めました

play43:12

「面―!」

play43:20

石田さんは 相手との 間合いを 正確に 読みきる 心の落ち着きを 最後まで 失いませんでした

play43:54

夜 7時10分 石田健一さんの すべての 立ち合いが 終了 しました

play44:28

全部 出しました もう あり ませ ん

play44:32

全部 出し ましたから うん

play44:36

結果 どうあれ もう

play44:39

もう ありません もう 中身 ありません もう

play44:44

ありがとうございました

play44:51

二次審査 の 合格者数 は

play44:54

過去 3 年間 受験総数 の 1% 程度

play44:58

10 人以内に とどまってきました

play45:01

今年は 何人が合格するのか 会場は発表の時を待っていました

play45:32

2 つの会場に分けて行われた 二次審査の 合格者は 3 人ずつの 合わせて 6 人

play45:40

その中に 石田さんの受験番号 102ーA も 記されていました

play45:46

うわー!  やったー!

play45:50

うわぁ 3人しか 通ってないよ

play45:53

おめでとう  「ありがとうございました」

play45:57

良かったぁ 3人! 「3人」

play46:01

厳しいなぁ

play46:04

おめでとうございました! 良かったですね

play46:12

「感激ですわ」

play46:15

おめでとうございます! やりましたね!

play46:21

6名ですよ 全部で

play46:26

良かったぁ  良かったほんとなぁ いやぁ 良かった良かった

play46:31

「まだ学科がありますから」

play46:32

(一次 二次 合格者の方)

play46:35

(直ちに 学科審査に入りますので 筆記用具を持って 会場中央にご集合ください)

play46:44

二次審査に 合格した 6 人は 最後の筆記審査の 会場へと 向かいました

play46:52

よかったね 「どうも ありがとうございました」  おめでとう

play47:02

筆記審査の問題は 剣は「心」なり という教えについて 自分の考えを述べる というものでした

play47:13

石田さんは 答案の最後を こう 締めくくりました

play47:19

剣道で 一番大切なのは 奢らずに 自分の弱点を認め それを稽古で改めていく

play47:27

素直な 心 である

play47:33

夜 9 時 八段合格者が 発表されました

play47:37

見事に 6 人全員が合格

play47:40

合格率は 0.8% でした

play47:53

来年 70 代最後の年を迎える 宮本 海さんは

play47:58

八段審査 25 回目の挑戦を 心に誓っています

play48:11

石田 健一 八段 は

play48:13

一 つの道を究めることの 素晴らしさを 後に続く人たちに 伝えようと

play48:19

今日も 道場 に 立っています

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