【感動する話】小学生の弟と2人暮らしの中学生の俺。空腹を知った隣のお姉さんが毎日おにぎりを持ってきてくれた。20年後、大成功した俺の会社で彼女と再会し驚きの展開となる..【スカッと】【朗読】
Summary
TLDRこの物語は川端拓也と弟の陽太が、幼い頃からの苦難を乗り越え、社会に貢献する会社を築く姿を描く。両親を失い、生活が困窮したが、拓也は自己啓発し、サービス業を始め、陽太も助ける。会社は成長し、社員のパワハラ問題にも立ち向かう。最後に、昔支えていた人に再会し、感謝と恩返しを誓う。彼らの努力と成長は、人々に希望と感動を与える。
Takeaways
- 😀 スクリプトは、主人公と弟が困難を乗り越えながら成功する心温まる物語を展開している。
- 👥 主人公は14歳の時、両親を失い、弟の世話を引き受けるようになった。
- 🏠 主人公は家賃や生活費を稼ぐために新聞配達をはじめ、自らの経営能力を磨いていく。
- 💼 主人公は18歳で会社を創業し、サービス業を主体としたビジネスを展開している。
- 🔧 主人公の会社は高齢者向けの軽作業手伝いを始め、信頼と評判を高めていった。
- 📈 会社は徐々に規模を拡大し、主人公は社会に還元する考え方で事業を進めている。
- 👦 主人公の弟は会社で経理業務に携わり、副社長として重要な役割を果たしている。
- 👩 会社の社員に対する侮辱やパワハラは許されず、主人公は社員の心身の健康を重視している。
- 🍙 主人公と弟は、幼少期に赤から毎日おにぎりを受け取っていたという思い出を大切にしている。
- 💕 主人公はあという人物に出会い、彼女との結婚を前提とした関係を築きたいと願う。
- 🏆 主人公と弟は、あという人物を秘書に迎え、会社をさらに発展させることを誓っている。
Q & A
川端拓也の現在の年齢は何歳ですか？
-川端拓也の現在の年齢は34歳です。
川端拓也が創業した会社はIT企業ですか？
-いいえ、川端拓也が創業した会社はIT企業ではなく、一般家庭における様々な作業を補助することを主体とするサービス業を営む企業です。
川端拓也の両親はどのようにして亡くなりましたか？
-川端拓也の両親は車事故に巻き込まれて亡くなりました。
川端拓也が会社を創業したきっかけは何ですか？
-川端拓也が会社を創業したきっかけは、両親を失った衝撃とその後の生活の困難から、経済的に自立するために起業しました。
川端拓也の弟の名前は何ですか？
-川端拓也の弟の名前は陽太です。
川端拓也が起業した時、どのような業務を始めましたか？
-川端拓也が起業した時は、新聞配達の仕事を始めました。その後、高齢者の自宅での計作業補助サービス業を開始しました。
川端拓也の会社は現在どのような規模に成長しましたか？
-川端拓也の会社は現在、全国に死者を持つ注目企業にまで成長しています。
山田あさんが川端拓也兄弟にどのようにして支援しましたか？
-山田あさんは川端拓也兄弟に毎日おにぎりを届けて、生活面での支援をしてくれました。
京子が清掃員に対してどのような行動をとりましたか？
-京子は清掃員に対して暴力的な行動をとり、彼女の髪をつかんで床に押し付けようとしました。
清掃員の女性が川端拓也兄弟にどのように影響を与えましたか？
-清掃員の女性は、川端拓也兄弟に昔から無償でおにぎりを届けてくれた存在であり、彼らの心の支えとなっています。
川端拓也兄弟は最終的に京子に対してどのような処置を決定しましたか？
-川端拓也兄弟は京子を解雇することを決定し、その後の社員からの通報に基づき、彼女がパワハラや横領を行っていたことも判明しました。
Outlines
😔 家族の悲劇と兄弟の絆
物語の主人公である川端拓也は、14歳の時に両親を交通事故で失い、弟の陽太を守るために生活を支える責任を背負う。両親の死後、兄弟は生活費を得る手段を持たないため、社会の援護を受ける可能性を考えるが、拓也が自らの力で生きていく決意を固める。彼は新聞配達の仕事に取り組むことで、経済的に自立し始め、その後、自分の会社を創業する。
🤝 社会の支援と拓也の努力
拓也が自立を目指す中で、彼は新聞配達の仕事に就く。学校の担任や近所の人々からの支援もあり、特に山田あという高校生が兄弟を支援し、おにぎりを届けるなどしてくれた。拓也は生活費の不足を両親の貯金から補うと同時に、進学を諦め、働くことを決意し、経営の基礎を学び始めた。
👷♂️ 拓也の事業拡大と社会への貢献
拓也が創設した会社は高齢者の軽作業補助サービスを提供し、評判が良く、事業を拡大する。彼は会社を通じて社会に還元を誓い、社員の精神を大切にする。また、会社が注目企業に成長し、全国展開を目指すにつれ、拓也は社員とのコミュニケーションを重視し、誠実で透明性の高いビジネスを維持する。
👷♀️ 職場の不況と兄弟の対処
会社の拡大に伴い、社員の今宮君が社内でのパワハラ行為を行っていることが店長に報告される。拓也と陽太は、この問題を内密に調査し、職場環境を改善することに決める。彼らは変装して現場に戻り、社員の様子を観察する。
😡 不況を背景にした衝突
清掃員の女性が男性社員から遊ばれていた状況を、拓也と陽太が変装して観察していた。京子という社員が清掃員を侮辱し、拓也が怒りに駆られ飛び出すが、陽太が先に行動し、女性を守る。彼らは変装を脱ぎ、正体を明かす。
😠 権力の乱用と正義の執行
拓也と陽太は、京子による清掃員女性の不当な扱いを見逃さず、介入する。彼らは京子の傲慢な態度と権力の乱用を非難し、彼女が社員に対してパワハラを行っていたことも明らかにされる。
🤗 過去の恩返しと新たなスタート
清掃員の女性が、実は拓也と陽太の幼少期に支えていた親戚であることが明らかになる。彼女の困難な状況を知った兄弟は、彼女を支援し、京子に対して処分を加える。京子は解雇され、女性は会社から離れる。
🍣 思い出と感謝のディナー
拓也と陽太は、清掃員の女性、あに感謝の意を表し、高級レストランでのディナーを提供する。彼らは幼少期に受けたあのおにぎりを思い出し、共に涙を流す。食事後、彼らはあに会社での秘書のポジションを提供する。
💍 愛と未来への誓い
拓也はあに結婚を前提とした恋愛を申し出、あは喜んで受け入れる。兄弟たちはあという心の支えを得て、さらに仕事に邁進する気持ちになる。彼らは社会に還元することを誓い、会社を拡大し続ける。
Mindmap
Keywords
💡社長
💡いじめ
💡創業
💡サービス業
💡変装
💡社会的な感覚
💡経理
💡パワハラ
💡解雇
💡無償の思いやり
Highlights
川端拓也と弟の陽太が、幼い頃からの絆と共に、困難を克服して会社を成功させた物語。
両親の事故死後の生活の困難と、兄弟が直面した社会的な挑戦。
中学生の拓也が家計を支えるために新聞配達の仕事に就く決断。
高校生の山田あが、拓也兄弟を支援し、彼らの生活に大きな影響を与えたこと。
拓也が、高齢者向けの手伝いサービスを始め、地域の信頼を得る過程。
会社の成長と、拓也自身の経営哲学の確立。
陽太が会社に加入し、経理業務を担当して会社の基盤を強化した経緯。
兄弟が会社を全国展開し、社会に還元する目的を持つ企業家精神の表明。
職場でのパワハラ事件を発見し、正しい対応を講じる姿勢。
京子という社員による不当行為の暴露と、会社の内部整理。
清掃員と誤解を解消し、過去の恩人であるあとの正体が明らかになること。
あとの人生の転機と、拓也兄弟による彼女の支援。
拓也があとの結婚を前提とした付き合いを申し出、新たな人生のスタート。
あが社長と副社長の秘書として会社に加入し、新しい生活の始まり。
拓也兄弟とあが、社会に還元する目的で会社をさらに拡大する決意。
Transcripts
00:00ほらあんたが磨く理由を作って手伝って
00:03あげるわ
00:05よそう言うと京子は手にしていた飲み物の
00:09蓋を開け床にぶちまけ
00:11た飲料はコーヒーだったらしく床は立ち
00:16まち茶色の液体で汚れていっ
00:19たいじめられていた清掃員の女性が実は
00:24あの頃毎日おにぎりを届けてくれていたあ
00:28であることに俺弟はほぼ同時に気が
00:32つくあんなにも優しかった彼女が非道な
00:36いじめを受けていたことに俺たち兄弟は
00:39激しい怒りを
00:41抱く俺と弟の正体に気づかないいじめてい
00:46た女性はあんたたちに暴行を受けたと訴え
00:50てやる全員逮捕されるからと行きまくその
00:55瞬間俺と弟は同時に変装を解いて正体をし
01:00あを救うべく立ち上がっ
01:04た俺は川端拓也今年34歳になる俺は自分
01:10で起業した会社の社長を務めて
01:13いる俺が会社を立ち上げたのはまだ18歳
01:18の頃だったので創業からもう15年以上に
01:23なるこう言うとプログラムが得意な学生が
01:27在学時にネット仕事でit企業でも
01:30立ち上げたものと思われがち
01:33だだが俺の会社はIT系ではなく一般家庭
01:39における様々な作業を補助することを主体
01:42とするサービス業を営んで
01:45いる同様のサービス業は全国に存在するが
01:49俺のように未成年のうちに会社を立ち上げ
01:52たものはかなり珍しい事例になるのでは
01:56ないかと
01:57思う俺がこのでこういう立場になるに至っ
02:01たのには相応の事情があっ
02:05た俺は中学生になるまで自分が会社経営を
02:10することを意識したことすらなかっ
02:13た一般的な家庭に長男として生まれた俺は
02:17両親と弟の陽太の4人で生きてい
02:22た平凡だったはずの家庭環境が激変したの
02:26は俺が14歳の頃中学3年生になった時の
02:31ことだっ
02:32た両親が乗っていた車が事故に巻き込まれ
02:372人同時にこの世去ってしまったの
02:41だ両親は俺たち兄弟に愛情を持って接して
02:46くれていたからそれを唐突に失った衝撃は
02:50非常に大きく俺は言語に絶する悲しみを
02:55味わっ
02:56ただがその頃まだ7歳だった弟の太が受け
03:01ていた衝撃は俺より格段に大きなものだっ
03:06た通日は俺も何をしていいか分からずただ
03:11周囲の大人に言われるままに動いて葬儀に
03:15出席するなどしていたが陽太はそれすら
03:18ままならず両親の遺体のそばを離れず
03:22ずっと泣き続けてい
03:25た葬儀が終わった後数日は学校を休ことに
03:30なったがその後どうやって生活すればいい
03:33のかその時点では俺は現実的に考えること
03:38ができなかっ
03:40た近場に親類はおらずまた俺たちを
03:45引き取ることのできる経済的な余裕のある
03:48人物にも当てがなかったため俺たちはまず
03:52社会の中に自分の居場所を確認すること
03:56から始めなければならなかっ
03:58た親は社屋に住んでいたが幸い大家は俺
04:03たちに即自退去を求めることはなく生活が
04:07落ち着くまでしばらくは住んでいて構わ
04:10ないと言ってくれ
04:12たおそらくだが俺たち兄弟は自動用施設の
04:17ような公的期間に引き取られることになる
04:21と思っていたのではないだろう
04:23か兄の俺がまだ中学生で当然のことだが
04:28生活費を得る手段を持っていないのだから
04:31そう思われるのは当然のことだっ
04:35た俺は決してそうした施設に入りたいとは
04:39思わなかったが学校の先生や親類が口を
04:43揃えてこのままでは生活できないだろうと
04:46いうものだから仕方ないのだと思ってい
04:51た陽太はまだ1日中泣くかただ呆然として
04:56口も聞かず座り込んでいてまともに何かが
05:00できる状態になかった陽太が生まれた
05:04ばかりの頃から遊び相手を勤めてきた俺に
05:07は両親がいなくなった今陽太を守らねば
05:11ならないという意識が芽生えてい
05:14たそういう役目を自分に貸すことで両親を
05:18失ったことのショックから立ち直る
05:21きっかけにしようと無意識のうちに考えて
05:24いたのかもしれ
05:26ないあの時陽太だけでなく俺までもが呆然
05:31自失した状態だったら俺たち兄弟は行政の
05:35機械的な手続きによって用語施設に入れ
05:38られていた
05:40だろう俺は施設に入る前に事前説明を
05:44受けるため1度その施設を訪れることを
05:48希望した見たこともなければどんな人が
05:52いるかも分からない場所にいきなり行く
05:55ことに抵抗があったの
05:58だそして俺はその施設を見学し職員の人
06:03から説明を受け少しだけ施設内を見学させ
06:07てもらっ
06:09た職員の方は俺の境遇に道場し優しく接し
06:14てはくれたが施設内にいる小中学生の年代
06:18の子供たちを見た俺は直感的にここに陽太
06:22を入れたくないと感じていた決してその
06:26施設に何か問題があったわけではない
06:30だが俺はその施設内にあるどこか後輩した
06:34空気のようなものを感じ取ってい
06:37たうまく言葉にできずとも深く傷ついた
06:42ばかりの陽太をここに入れたくないと
06:45ほとんど本能的とも言っていい感覚で俺は
06:49そう感じてい
06:50た俺は率直にそのことを学校の担任に相談
06:55したところ幸いなことに担任は俺の気持ち
07:00をかなり正確に組みとってくれたその上で
07:04両親のいない子供が用語施設に入ることは
07:08決して法律で義務づけられているわけでは
07:11ないので自分で生きていける力さえあれば
07:15施設に入らずに住むかもしれないと話して
07:19くれただがそのためには経済的に自活
07:23できることが最低条件となるだろうとも
07:26言ってくれ
07:28たそれを聞いた俺は今の家に俺が住み
07:32続けるために必要となるお金を正確に計算
07:36しようと心み
07:38た一時的に猶予してもらっている社屋の
07:42家賃高熱費俺と陽太の食費と最低限必要に
07:48なるであろう衣服や勉強道具さらには超
07:53会費等についても細かく算出したその金額
07:57はアルバイトすらしたことのない俺には
08:01とてつもない体に思えたが逆に言えばその
08:05金額さえどうにかできれば俺は陽太と今の
08:09環境で暮らせるということでもあった俺は
08:13まず近所の新聞配送を扱う代理店に行き
08:18事情を話して配達をさせてほしいと訴え
08:22た人員不足に悩んでいた代理店の店主は俺
08:26の申し出を歓迎しつつも俺ののことを気に
08:30して一旦返事を保留したいと言ってき
08:34た俺は担任にも間に入ってもらうことで
08:39自転車で確実に回れる範囲の配達に限定
08:42することで一応の了承を得ることができ
08:46たそれから俺は新聞が休刊となる日以外は
08:51休みなく早朝から起きて新聞配達を始めた
08:56だがそれだけでは俺が生活費の2割ほど
09:01しか稼ぐことはできなかったそのための
09:05不足分は両親が残してくれていた貯金を
09:08取り崩して補っ
09:10たこの時点で俺はとっくに進学することを
09:15諦め中学卒業と同時に働くことを決意して
09:19い
09:20た就職さえできれば稼ぎは今の数倍には
09:25なり贅沢は一切できないが両親の貯金が
09:29つきもどうにか生活が続けられる計算だっ
09:33たこの頃から俺は金の出入りを一円単位で
09:38厳密に考え出費を減らすためにあらゆる
09:42知恵を絞り時に法律を調べることもする
09:46ようになってい
09:48た当時の俺には全くそんな意識はなかった
09:52が俺は経営に必要となる思考法を王なしに
09:57我流で身につけ始めいたのだと
10:01思う俺がそうやって仕事を始めた後
10:05しばらくの間は陽太はずっと家に
10:08引きこもってい
10:09た学校には一応通い始めていたが不意に
10:14今日は行きたくないということもあっ
10:18たそんな時俺は陽太に無理をさせること
10:22なく家にいさせてい
10:25た学校側も陽太の精神を気遣って無理に
10:29投稿を促すようなことはしないでくれ
10:34た当時俺は可能な限り陽太のことを見守っ
10:39ていたつもりだがその頃実は俺の他にもう
10:441人真味になって陽太のことを見守って
10:47くれる存在がい
10:48たそれは俺たちの親類ではなく近所に住ん
10:53でいた山田あという高校生だっ
10:57た互いの両親の間に付き合いがあったため
11:02あは両親の事故後俺たちのことをとても
11:06心配してくれてい
11:08た俺が陽太を庇護すべき対象と見ていたの
11:12と同じように高校生のあは中学生の俺と
11:17小学生の陽太を自分が守らねばならない
11:21存在のように感じてくれていたの
11:24だろう俺たちが頼んだわけでもないのにあ
11:28は頻繁に俺の家を訪れては困っていること
11:32はないかと尋ねてくれ
11:35た俺たちが何も言わないでいても墓は毎日
11:40おにぎりを作って届けてくれ
11:43た長官だけでなく夕間配達も始めていた俺
11:47は陽太の食事を万全には用意できないこと
11:51があったので赤のこの気遣いが本当に
11:55ありがたかっ
11:56た夕刊配達からも戻って冷蔵庫を開けた時
12:01おにぎりが入っているのを見た時の安心感
12:04を俺は今でも昨日のことのように思い出す
12:08ことが
12:09できるそのおにぎりを口にした時決して俺
12:14たちは世間から見捨てられたわけではない
12:17とそう実感することができ
12:21た俺が生活のために忙しく走り回りながら
12:25も深く屈折した感情を抱えずに進んだのは
12:30あのおかげではないかと思って
12:34いる陽太にとってもそれは同様で少しずつ
12:38だが陽太は両親を失った悲しみから
12:42立ち直っていっ
12:43ただが俺が中学を卒業し新聞配達の代理店
12:50に正式に就職したのと同時期に赤の一家は
12:54遠くに引っ越すことになっ
12:57たそのことを告た太は寂しくなると言って
13:02泣い
13:04た正直言って俺も泣きたいくらいの気持ち
13:08だったがそれよりもこれまであが無償で俺
13:13たちを支えてくれたことへの感謝が
13:15大きかっ
13:16た俺はそのことを陽太に言って聞かせ別れ
13:21の日には2人笑顔で涙を見せることなくあ
13:25を見送っ
13:27たいつかまた会えるよ
13:31ねあを見送った後も涙をこらえてそういう
13:35陽太に必ず会えるその時は受けた恩を何倍
13:40にもして返さなきゃなと俺は答えてい
13:45たそれから俺は就職した代理店で新聞配達
13:50に関わる業務を正式な仕事として担当する
13:54ようになっ
13:55た配達業務もそれまで通りていて配達先で
14:01顔馴染みになった人がかなりの数になって
14:04い
14:04た夕刊配達時在宅しているのは高齢者が
14:09多くまだ中学を卒業したばかりの俺が来る
14:13のを楽しみにしてくれている人もい
14:16たある時そうした馴染み客の老人が庭で
14:21大きく育ってしまった木の枝を切ろうと
14:24苦闘している現場に行き合う
14:27た椅子の上に
14:29腕を伸ばして枝を切る作業は難しいもので
14:33はないが体力の衰えた老人には難しく少し
14:38のこぎりを動かしては呼吸を整えてい
14:42たすでに配達の大半を終えて時間の余裕が
14:47あったので俺はその作業を手伝うことを
14:50申し出
14:51たにを切る作業なんてそれまで6にやった
14:56ことはなかったが専門的な技術のいる作業
15:00でもないので俺は体力に任せ老人が切り
15:04たがっていた数本の枝を全て切り落とし
15:08た俺にとってどうということもない作業
15:11だったが老人はとても喜んでくれ
15:151000円札を1枚取り出して俺に渡そう
15:18としてくれ
15:19たこの時期俺はまだ1円たりとも無駄に
15:24できない生活をしていたのでお金を見た
15:26瞬間遠慮なく受け取りたいと思っ
15:30ただがたった数分の計作業の対価として
15:351000円という金額はその当時の俺の
15:38金銭感覚からして過に高すぎるものに感じ
15:42られた俺は結局この時このお金を受け取ら
15:47なかっただがそれは決して無償で手伝うの
15:51が当然とかいう立派な考えからではなくお
15:56金は欲しいが1000円もはぼったくりに
16:00なるという罪悪感に近い気持ちのためだっ
16:05た例えばこれがたっぷり30分以上汗を
16:09かくほどの作業をやった後なら遠慮せずに
16:13受け取っていたかもしれ
16:15ないともかく俺は勝手にお金をもらったら
16:19問題になるからと下手な言い訳をしてその
16:23場を去っ
16:25た俺はもうその日のうちにこの出来事を
16:29忘れてしまったが俺が手伝った老人にとっ
16:32ては忘れられない出来事になっていた
16:36らしい数日後俺は代理店の店主からこの
16:40一件について質問され
16:43た確かに枝払いをちょっとだけ手伝いまし
16:47たがそれがどうかしました
16:50かなんでもこの一見が近所で広まってる
16:54らしくてうちもお願いしたいって電話が何
16:58件か入ってるんだ
17:00よ枝払いよですかいや草だったり家具を
17:06動かす手伝いだったりおそらくどれも10
17:09分か20分程度で終わる計作業なんだけど
17:13高齢者には割と大変な作業なん
17:17だろうそういう作業って受けよう業者が
17:21いるんじゃないですかああ軽作業を受け
17:25個人や何でもやみたいな小規模業は
17:29たくさんいるだけど値段体系が不透明なん
17:33だよ作業後に追加料金を要求するような
17:37業者もいるから
17:38ねそんなずるい要求は断ればいいじゃない
17:42ですか
17:44いや作業が終わった後にそれも若い相手に
17:48すごまれたら老人は抵抗できずに払っ
17:51ちゃうケースが多いんだよ仮に警察に相談
17:55しても数千程度だと警察もそう強い対応は
18:00しない
18:02からそんなお年寄りの弱みにけ込む
18:06なんてそんな世の中だから君が手伝った家
18:11の方は町内の会合の時に君のことを随分
18:15褒めたらしいんだよそれを聞いた人たちが
18:20うちにもその人をよしてもらえないかって
18:23電話してきてるん
18:24だいつの間にそんな話に電話してきてる人
18:30も別に無償でやってくれとか言ってるわけ
18:33じゃなくてシレは払うって言ってるただ
18:38どこの誰とも知れない人間に依頼するのは
18:41不安があるけど新聞配達で見知ってる君
18:45なら安心できるってわけ
18:48だそうは言われてもどうし
18:52たらそんなやり取りの後俺は店主と相談し
18:57それらの作業は配達の合間に手伝わせて
19:00もらうことにし
19:02たただし司令は一見ごとには受け取らず
19:07全ての作業時間を合計しそこに適切と思わ
19:11れる時給をかけた額を代表者からまとめて
19:15受け取るということにし
19:17たこれなら一件ごとに出すお金は数百
19:21100円で済むはずだし俺も代理店を
19:24きちんと通すことで誰に隠すこともなく
19:28堂々とと報酬を受け取ることが
19:31できる1回きりの追加アルバイト程度の
19:35ことと思い俺はこの仕事を数日かけて全て
19:39処理したいずれの作業もあくまで高齢者に
19:44は難しいというだけで俺にとってはごく
19:47簡単なものだっただがこの一連のお手仕事
19:53で非常に安価で透明性の高い対応をした
19:57ことで俺の評判は界隈で一気に高まること
20:01になっ
20:02た話はほどなく町中に広がり数日後には数
20:0810件の計算業以来が代理店に舞い込ん
20:12だそうなるとその電話対応だけで代理店に
20:16は負担になってしまいさらに店主と相談し
20:20た上でこの対応は俺に一任されることと
20:23なっ
20:25た俺はこの時一を
20:30これらの人たちからの連絡を自宅にいる
20:33陽太にさせることにしたの
20:36だこの時まだ陽太は8歳になったばかり
20:40だったが両親を失って以降俺の働く姿を見
20:44てお金を厳しく管理して暮らすことにも能
20:48していた陽太は子供とは思えない社会的な
20:52感覚を身につけてい
20:54た俺が事情を話すとすぐに点を掴んだ太は
21:00不定期にかかってくるお手伝い要望の電話
21:03を受け住所と内容を記録してくれ
21:07た仕事から戻った俺はその内容を確認し
21:12後日配達でその近くに行くタイミングを
21:15利用してそれらの作業を行っていっ
21:18たその際は作業時間を正確に図り設定して
21:24いた時間単価をかけ合わせ10円単位で
21:27料金を受け
21:30ごく簡単な作業だと100円前後にしか
21:33ならないこともあったがそれ以上は絶対に
21:37受け取らなかっ
21:39たその頃になると俺の評判は隣町にまで
21:43広がってい
21:45た思えばここが俺の人生のキロだっ
21:50た俺はもう16歳になる寸前だったので
21:54原付の免許を取れば隣町まで活動範囲を
21:57広げることができるだが依頼件数の多さを
22:03考えると配達のついでというような
22:06スタイルで受けることは不可能だっ
22:09た潜在的な仕事の需要が大きいことを実感
22:13していた俺は思い切ってこれを専業の仕事
22:17にすることにし
22:19たそれまでの代理店仕事の報酬に不満が
22:23あったわけでも店主との関係が悪化した
22:26わけでもないいつまでも一円単位の出費を
22:31心配するような生活をしているよでは陽太
22:34の将来の選択肢が非常に狭くなってしまう
22:38ことを俺は懸念していた決して金が全てと
22:42は思わないが金があれば陽太は進学するか
22:47どうか自分で選ぶことができるようになる
22:51今しか付き合えない友人と遊びたいと思っ
22:54た時も金や時間の制約で諦ことをしなくて
23:00済む俺はそう思いリスクはあるが大きく
23:04稼げる可能性のある仕事に突き進むことを
23:07選択し
23:09たこうして俺は高齢者の自宅での計作業
23:13補助を行うサービス業を開始した形式を
23:18整えるための会社登記もしたがその住所は
23:21自宅だったし制服もなければ移動手段も
23:25中古の原付のみだったそれでも透明性の
23:30高い料金体系と誠実な仕事を心がけたこと
23:34の反響は大きく日に日に件数は増大して
23:38いっ
23:40たほどなく俺は需要に答えるため同年代で
23:45働いている人間に声をかけ自分の部下とし
23:48て雇用することも始め
23:51た二十歳になる頃には自宅とは別に社屋を
23:56構えるほどに事業を成長させた俺はすでに
23:59一端の経営感覚を身につけた企業家となっ
24:03てい
24:05たそしてひたすら走り続け町内規模の仕事
24:10はしない規模となり今や全国に死者を持つ
24:14注目企業にまで成長していた陽太も中学を
24:19卒業してすぐに働きたがったので俺は十分
24:23に話し合った上でそれを受け入れてい
24:27た学歴が武器になる場合もあるがすでに
24:31いろんな形で仕事を手伝わせていた陽太は
24:35中学生の時点で仕事に対する責任感も自分
24:39で仕事を工夫していく意識も十分に身に
24:42つけてい
24:44たそしてすぐに働き始めた陽太は現場仕事
24:49よりも経理方面の勉強に力を入れそれまで
24:53俺が行政諸子や税理士に丸投げしていた
24:57経理業務を一手に引き受けるようになり今
25:01では副社長の肩書きとなってい
25:04たこうして現場サービスに精通した俺と
25:09経理に強い陽太は理想的なパートナーとし
25:12てこの会社を切りもりするようになって
25:15いっ
25:16た業務範囲も今では軽作業手伝だけに
25:21とまらず家国のリフォームや介護事業にも
25:25手を広げていた
25:28そして今日俺は陽太と共に1年前に開いた
25:33ばかりのある地方死者を訪れてい
25:37た事業を全国展開しているとはいえ東京
25:41本社ビルに陣取って式を飛ばすような
25:44スタイルを取るつもりはなかった俺が顧客
25:49からの信頼を得ることができたのは自らが
25:53現場に足を運んで誠実に仕事をして透明性
25:57の高格体を維持してきたからだ俺はこの点
26:03を今も何より大切にして断るごとに全国の
26:08死者に出向き死者の幹部はもちろん可能な
26:12限り社員とも面談して意見を聞くようにし
26:15て
26:16いる俺は社員に自ら率先して動き受けた
26:21仕事には誠実に取り組める人間であること
26:25を求めて
26:26いる直的にこれはと思える人物がいれば
26:32年齢や経歴に関わらず思い切って重要な
26:36役割に引き立てることをしてい
26:39た今回この視点に滞在している時間は限ら
26:43れているがこれと思える人物に出会えるか
26:47どうかそのことを俺は楽しみにしてい
26:51た大雪室に通された俺と陽太は天長から
26:56現在までの業績について報告を受けてい
27:00たその後で俺は車内の雰囲気はどうだ気に
27:05なるような点はないかと聞い
27:08た俺は常に現場のことを気にかけているが
27:12その現場とは単に顧客のいる場所を意味し
27:16ない社員が働く社屋の内側の空気も非常に
27:21大切な現場だパワハラやセクハは論外だが
27:26わずかでも働きにくさを感じる雰囲気が
27:29あればそれは徐々にであっても社員の精神
27:33を蝕み仕事の質を下げそのしわ寄せは弱い
27:38ものに向かっていくことに
27:40なる幸いにして社会に対する影響力を
27:44持てるようになった今俺は金や名前のため
27:49でなく人が前向きに元気で生きられるよう
27:52に自分の力を発揮したいと思って
27:56いる特に俺が影響力を強く発揮できる社内
28:01ではこのことを徹底していき
28:04たいそんな俺の考えを熟地している店長は
28:09少し表情を曇らせ実は最近少し気になる
28:14ことが特地にした俺と陽太が身を乗り出し
28:18た時ドアをノックする音が聞こえ若い女性
28:23社員がコーヒーを持ってきてくれ
28:25た店長はに言葉を飲み込みああすまないと
28:31その社員に声をかけていたこうやって
28:35飲み物などをもてなしてくれた社員は大抵
28:38は釈だけして去っていくものだがこの女性
28:42社員はかなり積極的な性格らしく俺と陽太
28:46に話しかけてきた今日はようこそ
28:50いらっしゃいました私社長と副社長のご
28:54兄弟に憧れていたんですこうして目に書か
28:58れて光栄
29:00です今宮君今はまだ打ち合わせの途中だ
29:06からなめよとする支店長には目もくれず
29:10今宮と呼ばれた社員は俺と陽太に向けて
29:14言葉をかけ続けたもしよろしければ是非後
29:18で個人的にお話しさせていただきたいです
29:22いつでもお呼びいただければ業務終了後で
29:25あってもすぐに馳さますのでどうか
29:29よろしくお願いし
29:32ます俺たち兄弟と個人的な信行を結びたい
29:37という意思を堂々と示した女性社員は再度
29:41店長から控えるように言われしぶしぶと
29:44いった感じで退出していっ
29:47たなかなか積極的な女性だねよたか苦して
29:53言うあのくらい推しが強いなら内より営業
29:57が向いてそうだなでさっき君が言いかけた
30:02件車内で何か気になることがあるという話
30:06だ
30:06が
30:08はい実はそのたった今現れた今宮君のこと
30:13なんです今の人が
30:17何か彼女は今ご覧になられたように非常に
30:22押しの強い性格でして社内でも自分の意見
30:27を押しする傾向があって周囲で圧迫感を
30:31感じているものがいるようなん
30:34ですパワハラ上集犯ということか業務で
30:39そこまで目立つことをしてるわけじゃない
30:41んです
30:43が割とパーソナルな場面で何かしてるのか
30:47社内いじめとかそういうことですただこと
30:53が私的な部分となると会社が下手に立ちば
30:58プライバシー侵害だと今宮君から反撃さ
31:02れる恐れもあるので軽々しく動けないん
31:07です慎重に状況確認するしかないという
31:12ことかだがそういう合意は隠れてやる
31:16だろうし遠目にチェックする程度では確認
31:20できないんじゃない
31:22か兄貴俺ちょっと考えがあるんだけどなん
31:28だああいうタイプは身の周りに違和感が
31:32あると敏感に察するものなんだよ社内的な
31:36調査をしても尻尾は出さないと思うここは
31:39部外者である俺らで探りを入れてみるのが
31:43いいと
31:44思うスパイみたいなことをする気か遊び
31:48じゃないんだ
31:49ぞ分かってるよだけど兄貴は基本成功法で
31:54しか考えられないだろう直がなら変化球
31:59使うのが当然の対処
32:02さそして俺は陽太の考えを聞き店長の領解
32:07を得た上でこの件に対処することにし
32:11たその後俺たちは社員たちに一声かけた上
32:16でこれで辞去すると言って社屋から出て
32:20いっっ
32:21たこうして俺たちが立ち去ったという印象
32:25を振りまいた上で30分もしないうちに俺
32:29と陽太は自社のものとは異なる作業義に身
32:33を包んで舞い戻った今でも俺と陽太は断る
32:38ことに作業技で現場に行くことがあるので
32:42作業技を来ても違和感はなくごく自然な
32:45雰囲気を出すことが
32:47できる帽子を深くかぶりマスクをして目
32:51だけを出す形でエアコン整備に訪れた手で
32:55工具箱と脚を持ち車内の巡回を始め
33:00たエアコンは車内のどこにでも設置されて
33:04いるので適当なところに脚を置いては
33:08エアコンを調べているふりをして風景に
33:11溶け込みながら移動を繰り返し
33:14たロッカールームのあるフロアに入った時
33:18ちょうど定時となったため仕事を終えた
33:21社員が一斉に廊下に出てき
33:24た俺たちは社員の通行の邪魔になよ休憩所
33:29のスペースにあるエアコンの下に移動し
33:32点検作業をするそりをしてい
33:35たその時バケツとモップを持った女性の
33:39清掃員がやってきて休憩スペースの掃除を
33:42始め
33:44た彼女は俺たちが作業員であることに疑い
33:48を抱く様子はなく外部業者という共通の
33:53立場のよみお疲れ様ですと明るく挨拶して
33:58くれ
33:58た彼女も俺たち同様帽子とマスクを着用し
34:03ていたため顔はよく分からなかっ
34:06た隙間から目だけを見た限りだが彼女は
34:10かなりの美人なのではないかと俺は感じて
34:13い
34:14たふと脚から下を見るとモップで床を磨き
34:19始めたその女性に向けて陽太もじろじろと
34:23遠慮のない視線を注いでい
34:25たもちろん
34:27も若い男なのだから美人らしき女性に興味
34:31を示すのは自然なこと
34:34だだが陽太は節度を湧きまることのできる
34:38男でありたえ興味を感じた女性であれこう
34:43も遠慮のない視線を注ぐようなタイプでは
34:47ない普段にない陽太の行動に不自然さを
34:51感じつつも動きを止めては不自然になる
34:54ため俺はエアコンのカバーに手をかけて
34:58外し内部を点検する演技を続け
35:02たその時数人の男性社員が休憩所に入って
35:07きて自販機のジュースを買って断捨を始め
35:12た彼らは代謝前にこうして過ごすのが習慣
35:16にでもなっているのかこの後どこに遊びに
35:19行くかを話題にしていたがやがてそのうち
35:23の1人が清掃をしていた女性に声をかけた
35:28なあよかったら山田さんも一緒に来
35:31ないあのね私がまだ仕事いっぱい残ってる
35:36の知ってる
35:38でしょうじゃあ今度の休みは
35:42うんビンボ暇なしだ
35:45からお前ら遠回しに断られてるうちに
35:49諦めろよというわけで俺と個人的にどう
35:55お前こそ抜けがけしてんじゃねえよわ
35:59そんな調子でしばらく社員たちが本気とも
36:02冗談ともつかぬ様子で清掃員の女性に誘い
36:06をかけ女性はそれを上手にあってい
36:10た俺は作業するふりを続けながら男性社員
36:15と女性の清掃員がごく気軽に話せる良好な
36:19関係を気づいているらしいことを感じてい
36:23たその男性社員らが去った後も通りりの
36:28男性社員の数人が女性に声をかけ時に冗談
36:32混じりの会話をかわしていっ
36:35たおそらくだが男性社員らは彼女がマスク
36:40を外した素顔が美人であることを知ってい
36:43てチャンスがあれば連絡先を聞き出す
36:46チャンスでも伺っているのではないかと
36:50そんな気がし
36:51た女性はそんな対処になれているのか誰に
36:56対しても明るく嫌味のない態度で応じつつ
36:59も連絡先を教えることも遊びの誘いに乗る
37:03こともせずうまくやり過ごしてい
37:07たその時休憩所に俺たちの観察大将である
37:13今宮や京子が入ってき
37:15た俺と陽太は一瞬だけ視線をかわし京子に
37:20関心を向けていることを気取られぬように
37:23注意し
37:24た子は自販機で飲みを買っていたがすぐに
37:29は立ち去らず椅子に座ってい
37:32たその間にも何人もの社員が休憩所前の
37:37廊下を通ってロッカーに向かっていき数人
37:40が山田と呼ばれた清掃員に声をかけていっ
37:45たやがて定時上がりの社員は荒が帰宅した
37:50のか廊下から人の足音がえたそれを待って
37:55いたかのように京子は立ち上がるとつつか
37:58と足音を立てて掃除を続ける清掃員の前に
38:03立ちふさがってい
38:05た清掃員が困惑した様子で体の向きを変え
38:10なおも床を磨いていると京子はさらにその
38:14前に立ち清掃員が持つモップを踏みつけ
38:18たたまたまではなく京子は清掃員を邪魔
38:23する意図を持って行動しているのが明らか
38:26だったああのすいません足をどけてもらえ
38:32ませんか目障りなのよね
38:36あんた私はその清掃のためここの定時後に
38:41仕事をしないといけなくてその掃除が
38:45終わるまではここに出入りさせてもらう
38:48必要があるん
38:49ですそんな意味で言ってんじゃないわよ
38:53毎日毎日帰宅前の男に色目使ってるあたと
38:58見るのがむかつくって言ってん
39:01のそんなつもりはとぼけてんじゃないわよ
39:06掃除する場所なんて他にもいっぱいあるの
39:09にここにいれば男の目に止まるって計算し
39:14てやってんでしょうがそんなことありませ
39:18んあんたみたいな色狂いがそばにい
39:21るってだけで私は虫が走るのよ今日限りで
39:26やめなさいこれ以上男漁り続けるなら私に
39:31も考えがあるわよ私はこの仕事がないと
39:35生活できないんですその社員の方と話を
39:40するなと言うなら明日から誰とも口を聞か
39:43ないようにしますからどうかご容赦
39:46いただけません
39:48か清掃員の女性の生活できないという言葉
39:53を聞いた瞬間俺の全身の筋肉がビリッと
39:58こってい
39:59た女性が経済的に苦しんでいることは確実
40:04で仕事がないとすぐにも生きていけなく
40:08なるという恐怖は俺がかつて味わっていた
40:11ものであり女性の気持ちが痛いほどに
40:15分かったそれは陽太も同じことらしく脚立
40:20を支えるふりをしている陽太の肩が小さく
40:23震えていることが俺には見えていた
40:27この会社が伸びてるって知って入り込んで
40:31きたんでしょう自分が美人だとか噂され
40:34てることも計算の上なんでしょう有望そう
40:39な若いのを捕まえて玉のこしに乗ろうって
40:43コタなのはバレバレなのよ私同じ女として
40:48あんたみたいな浅ましいのは見てるだけで
40:51吐き気がするのそそんなそんなこと考え
40:57こと
40:58もきこの異様な見幕は男の俺でも迫力を
41:03感じさせるもので理不尽な誹謗をされ続け
41:07ている清掃員の女性は涙声になってい
41:11たそんな磨ほど汚れてないでしょ男の通る
41:16場所で毛に働いてるそぶりするためだけに
41:20ずっと床をこすってお本当に汚れてるから
41:26磨いてるん
41:29思わずといった感じで初めて清掃員が反論
41:32したことで京子の怒りに拍車がかかってい
41:36たああそうじゃあずっとここ磨いてれば
41:41いいわほらあんたが磨く理由を作って
41:43手伝ってあげるわ
41:45よそう言うと京子は手にしていた飲み物の
41:49蓋を開け床にぶちまけた飲料はコーヒー
41:54だったらしく床は立ちまち茶色の液体で
41:58汚れていったやめて
42:01くださいとっさに雑巾を手にそれを
42:04拭き取り始めた清掃員の女性に向けて京子
42:08は手にした缶を振り回し
42:11たわずかに残っていたコーヒーが飛び出て
42:15女性の作業儀に降りかかった女性があっと
42:19声をあげて身を引いたが京子は詰め寄って
42:23その髪をつかみ床に広がったコーヒーに顔
42:27を押し付けようとし始め
42:30た女性が悲鳴を上げるのと同時に我慢の
42:34限界に達した俺は脚を飛び降りてい
42:38ただが俺が駆け寄るよりも先に陽太の方が
42:43教子の手を振り払い女性を背にかう形で
42:47教子と退治してい
42:49た帽子の下に覗く陽太の目は俺が見たこと
42:53もないほどの怒りに燃えていた何すんの
42:58よこっちのセリフだお前こそなんてことし
43:02てん
43:03だあんたに関係ないでしょ出入りの業者の
43:07分際で口出ししてんじゃないわよ今のは
43:12仕事上の話なんてレベルじゃない完全な
43:15言いがかりいや暴力まで振るって犯罪と
43:19変わらないじゃない
43:20か俺も見てたぞこの方は真面目に掃除をし
43:25てただけなのになんでそんなひどいことが
43:28できるん
43:29だ何よ男2人で私をどうにかしようっての
43:35それ以上近寄ったらあんたたちから乱暴さ
43:37れたって店長にいえ警察に言ってやるから
43:42ね私は秘書業務もやってんだからあんたら
43:46全員首にするくらいわけないんだから
43:49ね王雪室で見せた過剰なまでの媚を含んだ
43:54表情とは似ても似つかない行走で俺たちを
43:57睨みながら教子は吠えたてた俺たちの簡単
44:02な変装を見破っている様子は無人もなかっ
44:06た京子は俺たちを出入り業者だと思い込ん
44:10で
44:11いる警察沙汰になったら俺たちは見たまま
44:15を証言しますよそれで困るのはあなたの方
44:19じゃないんです
44:21か警察があんたらみたいな底辺の話を信用
44:25するわけないでしょ
44:27どうせこんなとこで働いてるあんたら
44:30なんて低学歴のアホばかりでまともに筋の
44:34通った説明なんてできっこないくせに私が
44:39リロ生前とあんたらから襲われそうになっ
44:43たってそのバカ女も仲間だって言えばそれ
44:47が事実として認定されるに決まってん
44:51でしょ定学歴か確かに俺たちはは揃って
44:57中卒ではある
45:00なまさか中卒とはねそれじゃ一生そうやっ
45:05て汚れ仕事するしかないわよねま哀れだか
45:10ただけど今すぐ土下座して謝れば警察だけ
45:15は勘弁してあげてもいいわ
45:18よ俺は陽太と一瞬視線をかわすと2人揃っ
45:23て帽子とマスクを外した
45:27警察沙汰にするかどうか決めるのはお前
45:30じゃない
45:32はお前を許すかどうかそれを決める権利が
45:36あるのはこの女性の方だ
45:39よそんな芝居ががったセリフで顔さらして
45:43何のつもり
45:45よあって1時間ちょっとしか経ってないの
45:49にもう忘れたの
45:51か普段から服で相手を見る人間ってのは
45:55こういうもんだよ
45:581時間
46:00ちょっと京子はそのセリフに反応し改めて
46:04俺と陽太の顔をまじまじと見つめ不にはっ
46:08とした表情になったえまさか社長と副
46:15社長そういうこと
46:17だ処置上あって俺らは副業でこういうこと
46:21もしてるんだよ社員には内緒で
46:25ね太が少しふざけて答えるのも京子の耳に
46:29は入っていないらしかっ
46:32た車内で厄介な問題が起きてそうだって話
46:36を聞いて実地に確認しに来てたんだよよそ
46:40の会社は知らないけど俺たちは常に自分の
46:44身で現場に入っていくスタイルで仕事をし
46:47てるからたまにこういうこともする
46:52あああのそのこれにはわけが
46:57あなた方だと分かっていたら間違っても私
47:01さっきみたいなことを言うつもり
47:04は相手が俺たちじゃなきゃさっきのが本音
47:08になってたってこと
47:10か相手によってそこまで対応が変わるよう
47:13な人がサービス業に携わるってのは無理が
47:17あるんじゃないかな話を聞いてください私
47:22私
47:23は俺たちに対するトなんてどうでもだ彼女
47:28に対する態度の全てを俺たちは見てしまっ
47:31たからね君がどう弁名をしてもあれを
47:35なかったことにはでき
47:37ないうちの会社は社員が気持ちよく働ける
47:41ことを最重視するんだ心軽く働ける社員で
47:46ないとお客様に誠実な対応を続けることは
47:50できないから
47:51ねでもその女はただの清掃業者でうちの
47:57社員じゃありませ
47:58んだから俺たちはそうやって立場で人を
48:03区別すること自体が行けないって言ってる
48:06んだ
48:07よかつて俺は庭先の作業のお手伝いから
48:11この仕事を始めたんだ掃除を依頼された
48:15ことも何度となくある清掃業者を馬鹿に
48:19する人間にこの会社で働いて欲しくない私
48:24決して社長や副社長を批判するつもりは俺
48:29たちはともかく彼女を侮辱する気はあった
48:32ん
48:34だろう男に色目を使ってるって100%の
48:39言いがかりをつけてねこんな風に床を横し
48:42てまでして
48:47え君のような裏表のある人物は目が届か
48:51ないところで何をするかわからない他にも
48:55攻撃される人が出てからでは手遅れに
48:58なる明日からもう来なくて
49:02いい
49:04そんな不満があるなら社員でいる間にどこ
49:07に訴えても構わないよその場合はこちらも
49:12なぜ君を解雇する判断をしたのかの事情を
49:15公表することになるだけ
49:18だ陽太の言葉がとどめになったのか京子は
49:22ふらふらと後ずさると崩れるように床に
49:26座り
49:27だそのスカートの裾に京子自身がぶちまけ
49:31たコーヒーがシミを作ったがそのことすら
49:35気づかないのか京子はがっくりとうれて
49:38ブツブツと何事か呟いてい
49:41た俺も陽太もすぐに教子への関心を失い
49:46まだ床に座っていた清掃員の女性に手を
49:50貸して立ち上がらせてい
49:53たお姉ちゃん
49:55あお姉ちゃんだ
49:57マスクを外して顔を見せてくれないか
50:02え驚いた様子の女性がマスクと帽子を
50:06ゆっくりと外して素顔を見せてくれた20
50:11年近い歳月を経てはいたがそれは俺たち
50:15兄弟に毎日のようにおにぎりを差し入れし
50:19てくれたあの赤の顔で間違いなかっ
50:23たそれじゃあなたたちまさか
50:27川端タヤと陽太の兄弟だよお姉ちゃんが
50:32毎日おにぎりを作って届けてくれたこと
50:35忘れてないよあ
50:40ああようやく理解が追いついたのかあの目
50:44に涙が浮かん
50:46だまさかこんな形で会えるとは思わなかっ
50:50たわ私こそいつの間に2人ともこんな立派
50:56に
50:57ここの社長と副社長っていうのは本当
51:01に本当だよ兄貴がすごい頑張ってくれてね
51:06人のためにって手伝いを続けてたらいつの
51:09間にかこんな規模の会社にまでなってね
51:13自分で言うのもなんだけど俺らって
51:16ちょこちょこメディアにも顔も名前も出し
51:19てたんだ
51:20ぜそうなんだでも私の家も色々大変で
51:25ずっと仕事に追われて生きてたからそんな
51:28会社の経営者が誰かなんて情報追いかける
51:32余裕なかった
51:34のだいぶ苦労したみたいだ
51:38ねタヤ君や陽太君に比べたらどってこと
51:42ないけどねま仕事は色々渡り歩いてるうち
51:46にこんなおばちゃんになっちゃったけど
51:492人ともすごく若々しくて羨ましい
51:53よそんなことないお姉ちゃんは今も昔の
51:58ままで何も変わらない
52:00よよたくあんな子供だったのにこんなお
52:05世辞まで上手になっちゃっ
52:07てお世辞なんかじゃないよ兄貴兄貴も黙っ
52:12てないでなんかいいな
52:14よ陽太はストレートすぎるとは思うが俺も
52:18同意見だよあさんは変わってないここの
52:23社員と話すのも聞かせてもらったけど
52:26と全く変わらない草
52:29で俺が見てた間だけで5人くらいから遊び
52:34に誘われてたじゃないか大人気ってレベル
52:37じゃない
52:39よあんなのみんな社交事例の軽口
52:43よあねお姉ちゃんみたいな綺麗な人が自分
52:47の魅力に気づかないままいるなんて
52:50もったいないよな兄貴なあそうだななんで
52:56あれうちの社員のせいで辛い思いをさせて
52:59すまなかっ
53:01たそうだった俺たちは先にそのことを詫び
53:05なきゃいけなかったんだいいよもうそんな
53:08のどうでもそれよりね私の仕事が終わっ
53:13たら場所を変えてゆっくりお話しでき
53:17ないそんな仕事なんて放り出してとは言え
53:21ないな仕事はきっちりやりきらなきゃね
53:26せめてもの罪滅ぼしにここの後始末は俺と
53:30陽太でやるよあさんは他の割当て場所の
53:34掃除を進めて
53:36くれそして俺と陽太は赤の掃除を全力で
53:41手伝いあっという間に終わらせあを
53:44連れ立って高級レストランに行き最高級の
53:48ディナーを振る舞っ
53:49た高級レストランでの対応に慣れきった俺
53:53たちの姿を見て俺たちがしたことを確認し
53:57たあは心から喜んでくれ
54:01たレストランの料理を食べたあは初めて
54:05こんな美味しいものを食べたと言って感激
54:08してい
54:09ただけどあの頃届けてもらっていた
54:13おにぎりには叶わないけどな
54:16ああこれから先もあれを超えるものが食べ
54:20られるとは思ってない
54:22よ俺たちが正直にそう言うとは無言で涙を
54:28流してい
54:29たねえお姉ちゃん今日は俺たちがご馳走
54:33するけど今度またあのおにぎりを作って俺
54:37たちに食べさせてくれないか
54:40ああそれは是非お願いしたいなあさんさえ
54:44よければだ
54:46けどそんな俺たちの願いを赤は笑顔で了承
54:50してくれ
54:52た後日京子は俺の会社を会雇となっ
54:57た本来なら俺たちは教子をただ解雇だけ
55:02するつもりでいたのだが教子が解雇される
55:05となった途端多くの社員からその行場に
55:09ついて様々な通報がなされていたその通報
55:13について確認をとる過程で京子が多数の
55:17社員に秘書の立場を利用して過剰な
55:21パワハラをしていたばかりが経理社員を
55:24脅して小学の横領をしていたことも判明し
55:27たのだ本人に返済の意思があれば油解雇で
55:33済ませるつもりだったがほとんど逃げる
55:35ように身をくらましてしまったため懲罰の
55:39意味を込めて朝会解雇とすることに決定し
55:43た京子がどこに逃げ込んだのかは知るよし
55:47もないがいかなる形であれうちの会社に
55:51関わる部署には近寄れないしあに直会を
55:55かけることもできないはず
55:57だそしてあの仕事が休みになった時に俺
56:03たちは彼女に招かれ久しぶりにおにぎりを
56:06ご自走になっ
56:08たあの頃と同じシンプルな味わいの
56:11おにぎりを食べた俺と陽太は数々の記憶が
56:16蘇り何も言えなくなって涙を流しながら山
56:20のように作られていたおにぎりを全て食べ
56:24終えていた
56:26夢中で働き始めて以来初めて自分のことを
56:30褒めてやりたい気持ちになってい
56:33たその後俺たちは赤に来い俺たちの会社で
56:39社長と副社長の秘書を検務してもらうこと
56:42になっ
56:43た何のスキルもない自分には務まらないと
56:48孤児しようとするあを俺たちはその人の
56:51内面を重視して投していることを説明しの
56:56ような人物こそが必要であることを時間を
57:00かけて納得させ
57:02たそして数ヶ月が経過した頃この年になっ
57:07て仕事以外のことに初めて目が向くように
57:10なっていた俺はあに結婚を前提とした
57:14付き合いをしてほしいと願い出てい
57:17たあは驚いていたが俺が本気であると
57:22分かると素直に受け入れてくれた
57:26俺は生まれて初めて味うほどの最高の気分
57:31を経験してい
57:32ただがこの時もしかすると俺以上に喜んで
57:37いたのは陽太だったのかもしれ
57:40ないこうして俺と陽太はあという心の支え
57:46を得たことでさらに仕事に邁進する気持ち
57:49になってい
57:51た俺と陽太は数字上の利益にこだわること
57:55なくかつてあが俺たちに与えてくれたよう
57:59な無償の思いやりを社会に広げていくその
58:03ために会社を大きくしていくことを心に
58:07誓っている
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