【教養/聞き流し】資本主義の危機とは何か?#斎藤幸平 氏によるマルクスの「資本論」の新しい解釈から、豊かな社会を創るためのヒントを得る。
Summary
TLDRこのスクリプトは、現代の労働状況と資本主義の関係について深く掘り下げています。人々は働いても豊かにならず、生活が楽になることはないという気持ちを共有しており、その背景にはマルクスの資本論が適用可能であると語ります。マルクスの分析は、現代のグローバル化や気候変動、経済的な問題とは異なる時代であったが、資本主義の本質的な特徴を捉え、労働と人間の生活、さらには環境問題に至るまで、深く関わっていると示しています。また、労働の定義や物質代謝の考え方を通じて、資本主義が人間の活動と自然との関係をどのように変えていくのかを考察しています。このトピックは、現代の社会の持つ様々な問題と関連しており、マルクスの理論を通じて、私たちはこれらの問題をより深く理解し、解決策を模索することができます。
Takeaways
- 📚 マルクスの資本論は現代の社会問題にも適用が可能で、資本主義の構造と問題点を深く理解する手がけです。
- 💡 現代の労働者の不満は、マルクスの時代から変わらず、労働によって豊かになれないという問題があります。
- 🔄 資本主義は発展を続けていても、労働者の生活が楽になるわけではないという矛盾に直面しています。
- 🤔 人々はなぜ、労働によって幸せになれないことを知りながらも、労働を続けるのかという問いが提起されています。
- 🌿 マルクスの理論は、資本主義の発展が環境問題を引き起こすと予測しており、これは現代の気候変動問題にも関連しています。
- ♻️ 物質代謝という考え方を通じて、人間が自然との関係をどのように築くかという問題を考える必要があるとマルクスは述べています。
- 🚫 資本主義社会は、労働を通じて自然を破壊し、人類の繁栄を脅かす可能性があるという問題に直面しています。
- 🛠️ マルクスは労働を自然との物質代謝の制御と定義し、労働の変化が人間の生活や自然に与える影響を分析しています。
- ⏱️ ケインズは将来の労働時間が短縮されると予測していたが、実際には労働時間は増加傾向にあるという現実が指摘されています。
- 🌐 グローバル化やインターネットの発展にもかかわらず、マルクスの資本論は現代の資本主義社会の基本的な問題に適用できます。
- 📉 資本主義の危機が世界中で語られる今、マルクスの資本論は再び注目され、現代社会の分析と理解に役立つとされています。
Q & A
マルクスの資本論が現代の社会にどのような影響を与えるとされていますか?
-マルクスの資本論は、現代の社会においても資本主義の構造と問題点を深く理解するのに役立ち、労働や環境問題などに関する視点を提供しています。
なぜマルクスの資本論は現代の状況にも適用可能とされていますか?
-マルクスの資本論は、資本主義の本質的な特徴を分析しており、それらの特徴は現代の社会にも存在するため、現代の状況にも適用可能です。
現代の労働者たちはなぜ、豊かに見えるにも関わらず必死に働くのでしょうか?
-マルクスの理論では、資本主義の構造が労働者を常に働かざるを得なくして豊かにしない機構となっているとされています。また、労働が社会的に価値ある行為とされ、それが労働者を働かせ続ける要因の一つとされています。
マルクスはどのようにして環境問題と資本主義の発展を結びつけていますか?
-マルクスは、資本主義の発展が環境問題を引き起こすことを認識しており、資本主義の物質代謝の変化が自然に与える影響についても考えており、それが環境問題の背景に関与するとされています。
マルクスの定義における「労働」とは何ですか?
-マルクスの定義では、労働は人間が意識的に自然との物質代謝を管理制御する行為であり、自然から資源を引き出し、物を作り、生活を維持するプロセスを指します。
マルクスの資本論は、現代の経済状況について何を述べていますか?
-マルクスの資本論は、現代の経済状況について直接述べていませんが、資本主義の高度な発展とそれに伴う社会問題、労働問題、環境問題などについて分析しており、それらが現代の経済状況にも関連しているとされています。
なぜ人々は、労働を嫌悪するようになってしまったのですか?
-現代の社会では、労働が単に生活を維持するための手段ではなく、社会的に求められる活動として捉えられており、それが労働を嫌悪する原因となり得ます。また、労働の意義や価値を見失っている人が多いとも言えます。
ケインズが予測した2030年頃の労働状況とは何でしたか?
-ケインズは、資本主義が発展すれば、2030年頃には人類は週に15時間程度しか働かなくて良くなることが予測されており、労働ではなく、暇な時間をどのように過ごすかが問題になると予想されていました。
現代の労働状況とケインズの予測とはどのような違いがありますか?
-現代の労働状況では、ケインズが予測した週15時間の労働ではなく、むしろ労働時間が長くなっている傾向があります。また、労働の質や労働に対する人々の意識にも変化があり、労働を通じて達成しようとする価値観も変わってきています。
マルクスの資本論が示す資本主義の危機とは何ですか?
-マルクスの資本論は、資本主義が持つ構造的な問題を指摘しており、それが社会的に不平等を生むとともに、環境問題を引き起こす危機をもたらすとされています。また、労働者と資本家の間の対立や、労働の異化も危機の要因とされています。
マルクスの資本論を現代の社会に適用するためには、どのような視点を大切にすべきですか?
-現代の社会にマルクスの資本論を適用するためには、資本主義の本質的な特徴を理解し、それが現代の社会問題にどのように反映されるかを考察する視点を大切にすべきです。また、労働、環境問題、社会的不平等などへのアプローチも重要です。
Outlines
🤔 労働と資本主義の葛藤
この段落では、人々が働いても豊かにならず、生活が楽にならないという葛藤を提起し、マルクスの資本論が現代の問題にも適用できると主張しています。資本論は、資本主義の構造を解明し、豊かな社会を目指すための視点を提供するという考え方です。また、現代の労働問題や、労働によって引き起こされる環境問題についても触れています。
📚 マルクスの資本論の現代的意義
マルクスの資本論は19世紀の資本主義を分析したものであり、現代の状況とは異なると一部経済学者が考えています。しかし、本段落では、当時の社会と現代の社会の間に共通点があると述べ、マルクスが研究していた資本主義の本質的な特徴が現代の生活を理解する上で重要な役割を果たしていると強調しています。また、労働の意義や、それが社会や環境に与える影響についても触れています。
🌏 資本主義と環境問題
最後の段落では、マルクスが気候変動について予測していなかったにもかかわらず、資本主義の発展が環境問題を引き起こす可能性について認識していたと説明しています。マルクスの視点から、資本主義の物質代謝の変化が人類そして自然界に与える影響を分析し、現代の環境問題と関連づけています。また、労働の変化とそれが自然に与える影響についても言及し、資本主義社会の持続可能性に向けた問題提起をしています。
Mindmap
Keywords
💡労働
💡資本論
💡資本主義
💡グレタ・トゥーンベリ
💡物質代謝
💡環境問題
💡気候変動
💡システムチェンジ
💡労働の定義
💡労働の意義
💡経済学者ケインズ
Highlights
働いても働いても全然豊かにならないという気持ちがあるという問題に触れています。
マルクスの資本論が現代の生活に役立つという視点を提供していると述べています。
資本主義の危機が現代で再び注目されており、マルクスの分析がそれに応えると提案しています。
マルクスの資本論は労働問題を中心に、資本主義社会の構造を解明していると紹介しています。
現代の労働状況を、マルクスの理論を通じて分析し、問題点を浮き彫りにしている。
人々がなぜ資本家の命令に従って働くのか、という問題に触れており、マルクスの理論がその理解に役立つと述べています。
労働が人生の大部分を占めているにもかかわらず、それが不満や憂鬱を生む原因になっていると指摘しています。
ケインズの予測と現代の労働状況を比較し、労働時間が減少するという予想が裏切られていると述べています。
マルクスの資本論は現代のイノベーションにもかかわらず、労働に関連する問題を解明していると強調しています。
マルクスの労働の定義とその意味を説明し、自然との物質代謝を管理するプロセスであると述べています。
資本主義が労働と自然との関係をどのように変えてきたかという問題を提起しています。
マルクスの理論は、現代の環境問題にも関連しており、資本主義の発展が環境問題を引き起こすと述べています。
マルクスは気候変動を予測していなかったが、資本主義の発展が環境問題を引き起こすと理解していたと語っています。
物質代謝という考え方を通じて、人間と自然の関係を分析し、資本主義の影響を探求していると述べています。
マルクスの理論は、資本主義の高度な発展が人間の生活と自然環境に与える影響を解明していると結論づけています。
グレタ・トゥーンベリのシステムチェンジ要求と、マルクスの理論がどのように関連しているかを述べています。
Transcripts
働いても働いても全然自分たちが豊かに
なんない生活が楽にならないなっていう
気持ちがあるんじゃないかなと思うんです
ね実はこの今日を扱うマルクスの資本論が
役立つということなんです
[音楽]
でなぜまあ今更マルクスなのかって思わ
れる方もいらっしゃるかもしれません
けれど今実はマルクスに再びいろんな
ところで注目が当たっていますえなぜなら
ば資本主義の危機っていうのがいろんな
ところで言われるようになっているからな
んです
[音楽]
ねえ今日はまずはですね
えもう少し身近な問題にえ焦点を当て
ながらマルクスの資本論が私たちのま生活
特にま私たちみんな働いてるわけです
けれどもその労働という問題についてえ
どういったこう視点を与えてくれるかって
いうことについてまずは考えていきたいと
思い
[音楽]
ますで1番多分皆さんが実感として感じ
られてることの1つに働いても働いても
全然自分たちが豊かになんない生活が楽に
ならないなっていう気持ちがあるんじゃ
ないかなと思うんですねま僕自身もそうな
んです
[音楽]
けれどまなんかこれだけ便利になっている
はずなのに仕事が全然減らないえむしろ
こんなに物が溢れてるにも関わらず私たち
の生活が何かこう常に足りないようなえま
欲望が止まらないやめられない止まらない
みたいなえそういうこうプロセスにえ
巻き込まれてしまっているような感じがま
している方も多いんじゃないでしょう
か何のために働いてるんだろう何のための
イノベーションなんだろうでもっと別の
社会はないんだろうかっていう風にえ
考えるわけですけれどそこにですね実は
この今日を扱うマルクスの資本論が役立つ
ということなんですつまりマルクスの資本
論を読むことあるいはま理解することに
よって私たちは資本主義ではないもっと
豊かな社会を思いがけるようになるんじゃ
ないかというのがえ今日お話したいことな
わけです
ねドイツの思想家カールマルクス資本の
運動の分析から社会の構造を解明包括的な
世界観及び革命思想として
科学的社会主義マルクス主義を打ち立て
資本主義の高度な発展により社会主義共産
主義社会が到来する必然性を解いたまあで
もマルクスまさかそんなソレンのえそんな
危なそうでなんか古くそうなひものじじの
話なんて今更あの考える必要があるのかと
思われる方もいらっしゃるかもしれません
えもう社会主義なんて失敗したじゃないか
とだけれど今日お話する資本論という本は
まタイトルからも分かるようにその共産党
宣言ではなくてですね資本についての本な
んですつまりどういうことかって言と資本
主義についてマルクスが徹底的に分析した
本であって資本論を実はですね読んでも
そんな革命のこととか将来の共産主義社会
についてなんかはほとんど書いてありませ
んえむしろ9割5部以上のページ数がえ
その資本主義の分析に費やされているの
ですでそうしたむしろマルクスが批判的に
資本主義を徹底的に分析し
[音楽]
たとはいえまマルクスが司法論を書いてい
た時代というのは19世紀の後半の時代で
あってまイングランドにおいて資本主義は
当然そこそこに発展していましたいわゆる
産業資本主義がえ発展していたわけです
けれどもとはいえもうすでに150年以上
前の資本主義の分析をマルクスはしている
ことになるわけです当然当時は
インターネットもないですしえま今日今日
のようなグローバル化もなければ気候変動
の問題もないえさらに言えばま金融などの
ですね現代のまさにリーマンショックなの
で私たちの生活を大きく振り回すしたよう
え経済教の問題もそこまでの規模では存在
していないなのでえ実は多くのま経済学者
の人たちはマルクスの資本論というのは
19世紀の資本主義の分析であって現代の
21世紀の分析にはもはや時代遅れである
という風に考える人たちも大勢います
ところがま今日ベーシックな話としてお
話ししたいのは当時の19の社会も現代の
今の私たちが暮らしている社会もどちらも
私たちは資本主義という風に呼んでいる
わけですねということはえその2つには何
らかの共通点があるはずだけですしかも
それは本質的な共通点であってそれこそが
実はまさにマルクスがえ研究して問題視し
ていたことであるし実はこの本質的な資本
主義の特徴というのが私たちの暮らしをを
考える上で非常に重要な資を与えてくれ
[音楽]
ますなぜ資本主義がこれほどひどくて格差
も抑圧も生むような社会であるにも関わら
ず労働者たちは必死に革命も起こさずに
働き続けるのかえなぜ私たちはこのまま
行っても全然幸せにならないと分かって
いるにもも関わらず資本家の命令を
大人しく聞いて働き続けるのかまさに今の
私たちですねえこの私たちの状況を分析し
ている本なんですねだからこの本を読む
ことによって今なぜ私たちが行きづらいの
かそしてどこから変えていくべきなんの
かっていうことが浮かび上がってき
[音楽]
ます私たちはま毎日毎日労働をして言って
ばですね人生の相当な時間をこの仕事と
いうえアクティビティに費やしているわけ
ですけれどもまサザさんが終わったら憂鬱
になるというような人たちがいるように今
この社会ではこの労働という行いがですね
つまらないもの何か嫌なものとして現れる
ようになってしまっているという非常に
不幸な状況があるわけです先ほども私たち
はあまりにも働きすぎているという話をし
たんですけれどもまかつてえケインズと
いう経済学者はま1930年頃にですねえ
このままのペースで資本主義がちゃんと
発展していけばま100年後つまり
2030年頃には私たちはまつまり人類は
ですね週15時間程度しか働かなくて良く
なるんだとつまりこれからのその21世紀
の経済学の問題っていうのは労働ではなく
てむしろその暇になった人類がどう予価を
過ごすかという問題なんだという風にえ
予測したんです
[音楽]
ねところが現実はどうか一向にそんな15
時間労働の世界なんかにはえなっていない
むしろその100年前のケインズの時代
よりももっと働いてるんじゃないかと思う
ぐらい私たちは働いているえ逆に言うと
ここで問わなければいけないのはなぜ様々
なイノベーションが起きているにも関わら
ず私たちは
むしろ喜んでですね必死に働くようになっ
ているのか実はこの問題を考えるためにも
マルクスの資本論が役に立ち
[音楽]
ますえマルクスの労働の定義というのはえ
次のようなものです
労働とは人間が意識的に自然との物質代謝
を管理制御するものであるです
[音楽]
ね人間は自然に働きかけて自然から色々な
ま資源であるとかエネルギーを取り出して
それで物を作ってえ生活をしていますで
いらなくなったものはままた自然にゴミと
して返して自然がそれを分解してくれれば
まいろんな循環として成り立っていくこの
取ったり返したりっていう過程を物質代謝
という風にマルクスは資本論の中で呼んで
いますそしてじゃあその人間が自然にどう
働きかけるかっていうとそれがまさに労働
という作業ま行為を通じて自然に働きかけ
ているんだというのがま単純なマルクスの
労働の定義にな
[音楽]
ますえマルクスはえこの労働には大きく
分けて2つのえ要素があるという風に言っ
ていますそれが構想と実行
ですでこれはどういうことかというと
は今のままの資本主義を続けていくのは
やはり問題なんじゃないかそういう議論が
あの高まっているこういう議論が例えば
ですねあの皆さんもご存知のグレタ
トゥーンベリなんかがえ言っている
システムチェンジという要求の背景には
あるわけです実はマルクスはえ気候変動に
ついては確かに知らなかったけれどその
資本主義の発展が非常に深刻な環境問題を
引き起こすということについては分かって
いたしさらにその問題をしっかりと解決
するためのまヒントとかそういうことも
考えようとしていたんですねえこれまでは
ですねなぜ私たちは資本主義がこれほど
豊かな社会を作り出しているように見える
にも関わらずえどうしてこんなに働いて
いるのかっていうことを考えてきたわけ
ですけれどもま最後にですねもう1個よう
な問題え資本主義社会がこれほど発展した
結果としてまさに地球環境を破壊し尽くす
ようになっているその結果人類の繁栄さえ
も脅かすようになっているこうした根本的
な問題を考えたいと思うんですねえそれが
まさに現代でいうところの気候変動の問題
[音楽]
です当然19世紀に資本論を書いていた
マルクスは気候変動現代のような気候変動
の問題については予測もしていませんでし
たえなのでその気候変動の問題を考える
ためにマルクスを参照するなんてま時代
錯誤の捜索じゃないかという風にえ感じる
方もいらっしゃるかもしれないですけれど
実はマルクスはえ気候変動については確か
に知らなかったけれどその資本主義の発展
が非常に深刻な環境問題を引き起こすと
いうことについては分かっていたしさらに
その問題をしっかりと解決するためのま
ヒントとかそういうことも考えようとして
いたんです
[音楽]
ねでここでも重要になるのがえ先ほど言及
した物質代謝という考え方ですえなぜかと
いうとえ人間は自然と絶えず労働を通じて
物質代謝を営んでいるというまこれ自体は
いつの時代にも人類が生きてる限り共通の
え話ですけれども同時にマルクスが分析
しようとしていたのはこの人間と自然の
物質代謝のあり方が資本主義のもでどう
いう風に大きく変わっていってしまうかと
いう問題だったんですね労働の問題という
のは資本主義のもでの物質代謝の変化がが
人間の側にどのような影響を与えるかと
いう分析だったわけ
[音楽]
ですなので今から見ていきたいのはこの
同じ変化が今度は当然人間の側に影響が
出れば自然の側にも影響が出るなぜならば
この間で媒介をしているですね労働自体が
全然違う形になってしまっているのでそう
すると自然の側にも大きな影響が出るよと
いうのがあのマルクスが考えていたことに
なり
[音楽]
ますでじゃあマルクスは気候変動でなくて
何の問題を考えていたかというとえ
いろんな問題ま考えてたんですけど1つ
有名なの
がDET
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